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EVENT
2025.10.27

投資家に伝わるプレゼンの作り方

主催:信州スタートアップステーション
募集期間:2025/10/27〜2025/11/14
開催期間:2025/11/14〜2025/11/14
2025.10.27
イベント/セミナー/研修を探している 資金調達(投資/融資)を検討している 資金調達(補助金/助成金)を検討している

県内全エリア

スタートアップ経営者、起業家のあなたへ


講師はSeahorse Studios 代表取締役CEOの中井健太氏。

楽天でグループ横断マーケティング戦略、スタートアップ企業取締役COOとしてビジネスサイド/経営全般統括、アクセンチュア戦略グループ、シリコンバレー発グローバルVC&アクセラレーターPlug and Play日本オフィスIoT & EnergyセクターDirectorを経て、2021年10月に事業開発スタジオとして株式会社Seahorse Studiosを創業。

様々な立場からスタートアップ、事業開発を見てきた中井氏より、プレゼンの際に投資家が注目するポイントや判断基準を踏まえたプレゼン内容、ストーリー構成の理解、投資家に効果的に伝えるための資料作りや伝え方を、具体的な成功例を踏まえてお話しいただきます。

〇開催日  令和7年11月14日(金)
〇時間   12:00~13:00
〇場所   オンライン開催(ZOOM)
〇こんな方におすすめ
・今後起業する可能性がある/既に起業している
・ビジネスコンテスト、ピッチイベントに出場予定
・投資家へのプレゼン予定がある
・プレゼンの成功要素を体系的に学びたい

INFO
2025.10.27

アントレプレナーセミナー「松本道場」

募集期間:2025/10/27〜2025/11/15
2025.10.27
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい アクセラレーションプログラムを探している

大町市

池田町

松川村

小谷村

松本市

塩尻市

安曇野市

麻績村

生坂村

山形村

朝日村

筑北村

岡谷市

諏訪市

茅野市

富士見町

原村

あなたの「やりたい」を「事業」に!
松本道場は、「新しいことを始めたいが、方法が分からない」という
熱意ある高校生・大学生・社会人のための無料プログラムです。
全5回のリアルセミナー(2025年11月〜12月開催)を通じ、
ぼんやりとした情熱を具体的な事業アイデアへと育てます。
経験不問、必要なのは熱い想いだけ。
アイデア構築スキル、仲間、AI時代を勝ち抜く武器を得て、未来への一歩を踏み出しましょう。

定員20名。

INFO
2025.10.22

クリエイティブ コネクト powered by 信州リゾートテレワーク

主催:長野県産業労働部産業立地・IT振興課
募集期間:2025/10/22〜2025/11/05
開催期間:2025/11/05〜2025/11/05
2025.10.22
イベント/セミナー/研修を探している 場所や施設を探している 他の企業との協業を検討している

長野市

千曲市

大町市

池田町

松川村

小谷村

軽井沢町

\11月5日秋の軽井沢プリンスホテルにて、参加費無料のセミナー・交流イベントを開催します/

長野県で巻き起こる地域と企業、企業同士が連携しての地域活性化共創事例を実践者自らが語ります。軽井沢の豊かな自然の中で働く、つながる―信州リゾートテレワークを体験し、ビジネスの共創のリアルを知るところから始めてみませんか?

\おすすめポイント/

・登壇者は、日建設計PYNT運営 吉備 友理恵氏、「テレワーク・ワーケーション官民推進協議会」会長 箕浦 龍一氏、若者の越境と共創の場を創るクリエイティブユニットEKKYO.HUB 代表 田中 律羽氏など

・分科会では実践者が語ります

 白馬ナイトデマンドタクシー(チャレンジナガノ2.0)

 佐久穂町や千曲市での首都圏企業同士や自社若手社員のワーケーション体験(信州リゾートテレワーク、レボ系ワーケーション)

IBM長野DXセンターと地元大学が連携した文系デジタル人材育成

INFO
2025.10.10

長野県創業支援センターの研究開発室の利用者を募集します

主催:長野県、公益財団法人長野県産業振興機構
募集期間:2025/10/10〜2025/11/14
2025.10.10
場所や施設を探している 研究開発がしたい

県内全エリア

長野県創業支援センターの研究開発室(長野2室、岡谷2室、松本1室)の利用者を募集します。

募集期間:R7年(2025年)10月10日(金)~11月14日(金)
詳細は、当センターのホームページを御覧ください。

INFO
2025.10.10

デジタルを活用し、現場の課題を「解決する力」を養う ― 「現場課題解決力養成講座」の受講生を募集します

主催:長野県、公益財団法人長野県産業振興機構
募集期間:2025/10/10〜2025/10/31
開催期間:2025/11/05〜2026/02/17
2025.10.10
イベント/セミナー/研修を探している 人材を探している

県内全エリア

本講座は、県内企業の現場課題を自ら整理・分析し、デジタルの力を活用して解決へ導く人材を育成することを目的としています。全8回の講座(座学・先進企業(株式会社カクイチ様)見学・ツール操作・グループワーク等)を通じて、課題の可視化から改善策の立案を行うことで、企業のみならず、支援機関やIT事業者の実践的な課題解決力を高めます。。

INFO
2025.10.9

SOU-me 小商い体験講座【準備編】第2回「好きを語る」を開催しました!

主催:SSSW
2025.10.9
イベント/セミナー/研修を探している

県内全エリア

9月21日(日)、千曲市の和かふぇよろづやさんにて、「小商い体験講座【準備編】」の第2回「好きを語る」を開催いたしました。

今回も、自分の「好き」を仕事にしたいという想いを持った皆様にご参加いただき、おかげさまでこの日も満席のため、増席にて開催しました。遠方からの参加者や、前回からの継続参加者も多く、会場はスタート前から意欲と和やかな空気に満たされていました。

⚫︎参加者の変化と、好きのウォーミングアップ

まず、前回の講座の振り返りからスタートしました。その中で、前回の気づきをすでに新しい行動に繋げているという参加者からの嬉しい報告があり、会場に前向きなエネルギーが満ちました。

今回のテーマは「好きを語る」。本番の語り合いの前に、「好き」のウォーミングアップワークを実施しました。事前に皆さんには「好き」を持参いただくようお願いしていたのですが、参加者からは、「この日まで自分の好きって何だろう?と改めてじっくり考える時間になった」との声も寄せられ、講座前から自分と向き合う良い機会になったようです。


 ⚫︎テーマ:持ち寄った「好き」を語り合う時間

今回のテーマは「好きを語る」。「好き」なものを持ち寄り、グループに分かれて語り合う時間を取りました。

会場中が好奇心とエネルギーに満ちた、純粋な「好き」を語る時間となり、グループの中で好きの共通項が見つかったり、「みんなの好きを持ち寄って居場所作りができそう!」という声も上がりました。

この繋がりは講座の枠を超え、終了後も受講生同士で連絡先交換や打ち上げの調整が行われるなど、温かいコミュニティの流れが生まれています。

⚫︎参加者の声

今回の講座を通して、参加者の皆様から多くの「気づき」や「感想」の声をいただきました。

「自分の好きのパワーを、素直に楽しんでる姿に周りの人からエネルギーをもらえました!」
「私自身、背中を押された感じで有意義な時間を過ごすことができました。」
「夢の実現に向けて、素晴らしい出会いに本当に参加して良かったと思いました。」
「自分らしくいられることが、とてもありがたい。この安心できる場所があるからこそ幸せです。」

⚫︎まとめ
第1回「自分の人生を語る」に続き、今回の2回目「好きを語る」を通して、参加者の皆様は自己開発と自己表現を深められました。

この講座が大切にしているのは、「まず自分自身が好きや情熱で満たされること」です。自分らしく輝き始めると、その熱量が周りの人たちを動かし、温かい繋がりを生み、コミュニティへと波及していく。ご参加の皆様は、その変化の連鎖が始まっていることを実感された熱量あふれる第2回となりました。

次回の第3回は、「未来を語る」がテーマです。

今回語った大好きなことを継続してやり続けたら、5年後の未来にどんな世界が見えるか、そこにスポットライトをあてて描きます。次回も皆さまとお会いできることを楽しみにしています!

INFO
2025.10.9

ソーシャルビジネスセミナー 地域課題解決に向けた事業展開

主催:大町市地域振興部まちづくり産業化商業労政係
募集期間:2025/10/08〜2025/10/15
開催期間:2025/10/22〜2025/10/22
2025.10.9
イベント/セミナー/研修を探している 資金調達(補助金/助成金)を検討している

県内全エリア

ソーシャルビジネスに関して日々お持ちの疑問や直面している課題について、先輩起業家による事例発表を交えたセミナーをオンライン形式(Zoom)で開催します。

開催日  令和7年10月22日(火)
時間   13:30~15:30
場所   オンライン開催(ZOOM)
申込方法 別紙チラシの二次元コード又はアドレスから10月15日までお申し込みください。
プログラム  13:30開会あいさつ
      13:35第一部 講師事例発表
            荒井 克人氏 (株)ラポーザ
            永井 佐千子氏 学び舎めぶき
            田中 浩二氏 NPO法人あぐり奈川
      14:40第二部 分科会
             詳細は別紙チラシをご参照ください
      15:20各種ご案内 ソーシャルビジネスサポートながの構成機関からのご  
            案内
      15:30閉会あいさつ

EVENT
2025.10.8

地域発リアルな課題からつくるビジネスへの挑戦と成長

主催:信州スタートアップステーション
募集期間:2025/8/27〜2025/9/11
開催期間:2025/9/11〜
2025.10.8
イベント/セミナー/研修を探している


講師は、長野県松川村を拠点に、地域中小企業のアトツギや農業事業者を伴走型で支援する、株式会社Newtral.代表・松本寿治氏。

ご自身も事業承継やデジタル化、新規事業開拓を通じて会社を大きく成長させてきた経験を持ちます。
デザイン思考やDX、リブランディングなど幅広い実践を通じて、地域のリアルな課題をビジネスの成長軌道に乗せてきた取り組みから、現場ならではの悩みや学びをお話しいただきます。

地域課題を解決するヒントや、新しいビジネスの可能性を一緒に探りましょう。

INFO
2025.5.9

大町市起業支援補助金

主催:大町市地域振興部まちづくり産業化商業労政係
募集期間:2025/05/08〜2026/03/31
2025.5.9
とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(補助金/助成金)を検討している

大町エリア

地域の活性化及び定住促進を図るため、個人の新たな起業に要する経費に対し、補助金を交付します。本補助金をご活用いただく場合は、事業の採択決定後から着手する必要があります、また、審査には、一定期間(2〜3か月)を要することをご承知おきください。補助対象は、起業に必要不可欠な設備等、補助額は100万円程度(加算条件あり)。
詳細は、大町市ホームページをご覧ください。

ARTICLE
2025.9.30

事業の成長が子どもの未来に繋がると信じて。創業、移住、出産。挑戦を支えてくれた信濃町の余白【前編】先輩起業家インタビュー

2025.9.30

起業する。会社を立ち上げる。「創業」と一口にいっても、そのあり方は人それぞれ。同じ選択や道筋は一つとしてありません。魅力的な先輩起業家が数多く活躍している長野県。SHINKIの先輩起業家インタビューでは、創業者の思いやビジョン、創業の体験談や、本音を掘り下げます。

「創業直後に思い切って東京から信濃町に移住したのは正解だったと思っています。起業をすると仕事とプライベートの境界がほぼなくなるので、夫婦関係や子育てがうまくいかないと事業もうまく回らなくなると思うんです。家族がいかに良い環境でストレスフリーでいられるかをベースに考えていけば、きっと事業もうまくいく」

そう語るのは、学校教員向けの英語学習ツール「TypeGO」を立ち上げた青波美智(あおなみ・みさと)さん。自身も元英語教員であり、米国カリフォルニアをはじめ海外で移民や現地の子どもたちに英語を教えた経験から、英語教員の負担と子どもの学びのハードルを下げることを目標に、楽しみながら英語学習に取り組めるシステムの開発・普及に取り組んでいます。

創業と同時に妊娠が発覚し、子育て環境を重視して東京から夫の地元である長野県信濃町に移住した青波さん。創業・移住・出産の3つを同時並行しながら、着実に事業を形にしていきました。現在はさらに家族が増え、事業も転換期を迎えています。

インタビュー前編では、自分自身の経験から生まれた事業の構想や、長野に移住してからのアクションをお聞きしました。

<お話を聞いた人>
 株式会社Swell代表取締役 青波美智

1992年生まれ。立教大学異文化コミュニケーション学部卒。TESOL※、中学高校教諭一種免許状(英語)保持。米国カリフォルニアでメキシコ人移民に英語を教えた後、国連女性機関(UN Women)東ティモール、UNESCO-UNEVOCドイツで広報に従事。米系リサーチ会社Guidepointのシンガポール支部でリサーチャーを務め、2022年に株式会社Swellを創業。

※TESOL Certificate 英語教授法のプログラム

英語教員の負担と、子どもの学びのハードルを下げる英語学習ツールを開発

――まずは、「TypeGO」がどんなサービスか教えて下さい。

「TypeGO」は、英語教員向けに特化した”英語×タイピング”の学習ツールです。視覚・聴覚・触覚を刺激しながら、ゲーム感覚で英単語や英文をタイピングしていく仕組みになっています。

現在は全国約160校、16,000人以上の方に使っていただいていて、ユーザーの9割以上が公立の小中学校の英語教員です。学習指導要領の理念・方向性を踏まえて語彙や文章を設計しているので、先生方にとって導入しやすい設計にしています。

特徴的なのは、導入の多くが口コミによるものだということです。2024年秋にたった12人の先生と約500人の児童生徒から始まったβ版が、その後口コミだけで全国に広がって、2025年4月には100校・12,000人に到達しました。5月20日の正式リニューアル後は、わずか1か月で導入校数が40%増、ユーザー数も約17%増となっています。

――事業のアイデアはどこから生まれたのでしょうか。

大学在学中、アメリカでTESOL Certificateを取得し、メキシコからのヒスパニック系移民に英語を教えていた青波さん

一番の理由は、私が語学が好きで、言葉が好きだからです。

これまでアメリカ、シンガポール、ドイツ、東ティモールで暮らしたことがあり、そのほかにも何十カ国以上の国を旅をしてきました。これまで暮らしてきた国では、現地で雇用され、その国の言葉を話してお給料をもらい、人脈を築いてきました。その中で、だんだん言語を習得するコツがだんだん分かってきたんです。自分自身、英語教育の現場に携わってきた経験もあり、これを日本の学校現場に落とし込めたらいいなと思い「TypeGO」の構想が生まれました。

――今まで積み重ねてきた経験が形になったのですね。

大学卒業後は、米系リサーチ企業のシンガポールHQで現地就職。世界各国から集まった同僚達と働いてきた

今はAIの時代と言われていますし、通訳・翻訳ツールも発展しています。「わざわざ言語を学ばなくてもいいんじゃないか」という声もありますが、私はやっぱり言葉の持つ力は大きいと思っています。

シンガポールで働いていた時は、ベトナム、韓国、インドネシアなどいろんな国から人が集まっており、みんな共通言語である英語でコミュニケーションを取っていました。でも、例えばインドネシア人の同僚には“Apa kabar?(調子はどう?)”とほんのちょっとでも相手の言語を使って話しかけると一気に仲良くなれたんです。そうすると、日々のコミュニケーションがうまくいって、結果として仕事もうまくいく。

AIがどれだけ発達しても、相手の文化や言葉に寄り添うということは絶対になくならないし、なくなって欲しくないと思っています。なにより自分自身が、海外に行くことや何かに挑戦すること、言語を通じて新しい価値観に触れることが大好きなので、そんな挑戦を後押しするサービスが作りたいという思いがありました。

創業と同時に妊娠が発覚するも、「明日生まれるわけじゃない!」と走り続けた

――「創業する」という選択肢は、青波さんにとって身近なものだったのでしょうか。

2022年4月、アメリカ・カリフォルニアへ

「TypeGO」の構想が生まれた頃は、東京のマーケティング会社に勤めていたので、まずは社内の新規事業として立ち上げられないか上司に相談しました。「自社事業としては難しい」という反応だったため、それならば独立して自分でやろうと会社を立ち上げた形です。

もともと私は旅が好きだったので、語学に関する事業を立ち上げれば、海外旅行がすべて経費になるし、仕事につながるなと。今までもそんな生き方をしてきましたし、これからもそんな生き方をし続けたかった。いずれ子どもが欲しいと思っていたので、自由に働ける起業家という働き方は自分に合っているなと思っていました。

――創業とほぼ同時に妊娠が発覚し、長野に移住したと伺いました。

信濃町の雄大な景色。青波さんは、現在は第二子に養子を迎え、第三子を出産し3児を育てている

はい。当時はまだ東京で暮らしていて、台東区で登記が完了して2週間後、「さあ、ここからだ」という矢先に妊娠5ヶ月が発覚しました。「初創業・プロダクトなし・チームなし・キャッシュなし」の状態で、代表取締役(妊婦)という肩書きを背負うことになったわけです。

一瞬「おっと」と思いましたが、もともと子どもを望んでいましたし、「まあ明日生まれるわけじゃないしな」と事業は止めずに走り出すことに決めました。

もともと子どもが生まれたら自然豊かなところで育てたいと思っていたので、妊娠がわかってからすぐに夫の地元である長野の信濃町に移住しました。スタートアップをやるなら絶対東京のほうがいいと思っていたので迷いはありましたが、東京で出産をして子育てをするイメージが全く湧かなかったんです。

何事に対しても「新しいことは楽しい」という感覚がありましたし、東ティモールで暮らしていた時も、最初はお湯が出なかったり、ゴキブリやネズミと共存したりしていたくらいだったので、「移住したからってそこで人生を終えるわけじゃない。合わなかったら東京に帰ればいい」と移住を決めました。

――暮らしの環境を優先したのですね。

現在の青波さんの住まいの様子

結論から言えば、思い切って信濃町に移住したのは正解だったと思っています。起業をすると仕事とプライベートの境界がほぼなくなるので、夫婦関係や子育てがうまく回っていかないと、事業もうまく回らなくなると思うんです。

仕事のことだけを考えて東京にいた場合、恐らく子育てでフラストレーションが溜まって、事業もうまくいかなかったんじゃないかなと。移住直後も思ったし、今でもそう思います。まず大前提として、子ども達にとっていかに良い環境でストレスフリーでいられるか。それをベースにしてプライベートを充実させれば、きっと事業もうまくいく。

特に女性の経営者の場合、妊娠するとなれば自分の体に約10ヶ月間子どもを宿すことになるし、出産の前後は動けません。妊娠・出産と仕事と切り離さずに、共存するしかないんですよね。だから、暮らしや子育ての負荷が低い環境の方が事業経営もしやすいと思います。

孤立を防ぎ、情報を掴むために長野の創業コミュニティに飛び込んだ

長野で出会った起業家仲間の同期たち

――移住後は、どうやって事業を形にしていったのでしょうか。

やりたいことはあれど資金がなかったため、まずはプロダクト開発の原資を捻出するためにメディアマーケティング支援の受託業を継続することにしました。

もう一つの生命線として、日本政策金融公庫の創業融資にも申し込みました。事業計画を引いてお金を借りる経験は人生で初めてで、計画書や試算表を提出できたのが出産の1ヶ月前。無事に長男が誕生し、面談を経て、最終的には公庫と地元の銀行による協調融資で1年走れるくらいの資金をお借りすることができました。

そこからは、初めての育児に奮闘しながら「TypeGO」の事業を形にするために走りました。

――まずは資金を貯めていったのですね。都市部での創業に比べて、壁を感じる場面はなかったのでしょうか。

信濃町は、子育て環境としてはとても良かったのですが、やはりふつうに暮らしていると周りの情報が全く入ってこなくて。東京にいた頃は、電車に乗るだけで広告やトレンドが入ってきますし、人との出会いもたくさんありました。スタートアップ支援や起業家のイベントも多い。一方信濃町は、むしろそういった情報に疲れた人たちが自然を移住してくるところなので、想像していた起業とはかけ離れた暮らしで。

「このままでは孤立してしまう!」と、長野県内の起業家コミュニティはないか探しました。そんな中で見つけたのが信州スタートアップステーションでした。表向きは「事業をスケールしたい」と相談に行きましたが、本音は「やばい、誰ともつながっていない」という焦りでしたね。

そこでアクセラレーションプログラム※1に採択していただき、2023年の夏〜秋はコーディネーターの森山さんと壁打ちを重ねました。特に、ターゲットセグメントをいくつも定め、それぞれの課題や事業インパクトを深掘りしていく工程は今までの受託目線とは使う脳の筋肉が異なり面白かったです。アクセラレーションプログラムの同期という形で創業者仲間も増え、刺激を受けたり学びを深めたりすることができました。

※1 「アクセラレーションプログラム」では、年に2回、公募により選定した企業等を対象に、数カ月間にわたりコーディネーター、メンターが起業家の様々な経営課題に対して短期集中型の伴走支援を行う。

インタビュー後編では、事業の成長と子育ての両立のコツ、これからの展望についてお聞きしました。

株式会社Swellのホームページhttps://swell-inc.com/
英語教員のための「TypeGO」公式notehttps://note.com/typego

ARTICLE
2025.9.30

事業の成長が子どもの未来に繋がると信じて。創業、移住、出産。挑戦を支えてくれた信濃町の余白【後編】先輩起業家インタビュー

2025.9.30

起業する。会社を立ち上げる。「創業」と一口にいっても、そのあり方は人それぞれ。同じ選択や道筋は一つとしてありません。魅力的な先輩起業家が数多く活躍している長野県。SHINKIの先輩起業家インタビューでは、創業者の思いやビジョン、創業の体験談や、本音を掘り下げます。

「創業初期は、『起業家としても母親としてもダメだ』と落ち込んでしまうことがたくさんありましたが、今では『自分が事業で成功することが何よりも子どものためになる』と思えるようになりました。『TypeGO』の事業を大きく成長させて子どもの将来に還元させることが、親として最大限出来ることだと信じて日々挑戦しています」

そう語るのは、学校教員向けの英語学習ツール「TypeGO」を立ち上げた青波美智(あおなみ・みさと)さん。自身も元英語教員であり、米国カリフォルニアなどで移民や現地の子どもたちに英語を教えた経験から、英語教員の負担と子どもの学びのハードルを下げることを目標に、楽しみながら英単語のタイピングに取り組めるシステムの開発・普及に取り組んでいます。

創業と同時に妊娠が発覚し、子育て環境を重視して東京から夫の地元である長野県信濃町に移住した青波さん。創業・移住・出産の3つを同時並行しながら、着実に事業を形にしていきました。現在はさらに家族が増え、事業も転換期を迎えています。

インタビュー後編では、子育てと事業のバランスの取り方、長野で創業したから得られた体験や、これからの展望についてお聞きしました。

<お話を聞いた人>
 株式会社Swell代表取締役 青波美智

1992年生まれ。立教大学異文化コミュニケーション学部卒。TESOL※、中学高校教諭一種免許状(英語)保持。米国カリフォルニアでメキシコ人移民に英語を教えた後、国連女性機関(UN Women)東ティモール、UNESCO-UNEVOCドイツで広報に従事。米系リサーチ会社Guidepointのシンガポール支部でリサーチャーを務め、2022年に株式会社Swellを創業。

迷走を経た原点回帰。英語教員向けの事業として再起動

――インタビュー前半では、創業や移住直後のお話をお聞きしました。妊娠中や出産直後も、資金調達やアクセラレーションプログラムの参加などアクティブに動き続けてきたのですね

とはいえ、アクセラレーションプログラムに参加した時点での「TypeGO」の構想は、「言葉をもっと自由に、世界を旅するゲーム」。対象は英語中上級者の大人、つまり To Cのビジネスモデルを考えており、「この事業で誰のどんな課題をどう解決するのか」という核心はまだ曖昧でした。

にも関わらず、私は「走れば形になる」と信じてしまったんです。開発が先行し、To C向けのアルファ版を無料公開してからは、「誰に届けたいのか」は置き去りなままにデザインや機能の微調整といった延命的な改善を重ねていました。

――立ち止まるきっかけはあったのでしょうか。

いくつか転機がありました。まず、2024年初頭に業務委託で依頼していたエンジニアが本業で忙しくなるということで新たな採用が必要となったんです。

そこで、英語のみの採用で世界中からエンジニアを募集しました。多くの人が「TypeGO」に可能性を見出して手を挙げてくれた中に、現在の開発パートナーであるインドのチームがいました。技術面でも申し分ないだけでなく、単なる外注先としてではなくプロダクトの未来を一緒に描こうとしてくれる相手だと感じられました。

インドチームとの開発が本格化すると、プロダクトは一気に進化しました。ですが、「TypeGO」のユーザーは一向に増えない。その間も、会社の口座からはどんどんお金が出ていきます。

クオンタムリープベンチャーズ株式会社が主催のアクセラレーションプログラム「LEAPS」の育成枠の1期生に採択され、事業構造そのものを徹底的に問い直した

そこで、一度事業の方向性を見極めるために開発を完全にストップする決断をしたんです。英語教員、企業家仲間、先輩起業家など数えきれないくらいの人と話をしました。そこで、ひとりのユーザーとの会話で転機が訪れたんです。

彼は中学校の英語教師で、「これ、学校で使えたらすごく助かります。生徒たち、タイピングが全然できないんですよ。英語でタイピングを教えるって難しいけど、これなら楽しんでやってくれるかもしれない」と言ってくれました。

その言葉を聞いた瞬間、ハッとしたんです。私は大学時代は英語教員を目指して勉強していましたし、実際にカリフォルニアで英語を教えていた経験もあります。「私、もともと英語教育が好きだったじゃん」という原点を思い出したんです。

――現在の「TypeGO」の英語教員向けのビジネスモデルは、悩みに悩んだ先にあったのですね。

新しい方向性が見えてからは、まずは現役の英語教員の方々にヒアリングを行い、今の教育現場の解像度を高めました。また、「先生向けのプロダクトをつくるなら、先生がチームにいた方がいい」と思い、X(旧Twitter)などを通じて何人かの英語教員に声をかける中で、英語授業・働き方改革に関する情報発信を行う江澤隆輔先生と出会うことができました。

立ち止まってからおよそ3ヶ月で、「TypeGO」は、学校教育向けのプロダクトとしてピボットを完了させました。2024年の9月にベータ版を公開し、11月には英語教員向けの小さなオンラインセミナーを開催しました。参加者は12名でしたが、その12人が受け持つ生徒約500人が一気に「TypeGO」ユーザーとなり、そこからその後口コミだけで「TypeGO」が全国に広がって行きました。

休み時間を返上して「TypeGO」に取り組む生徒たち。約半年で100校に導入・ユーザー数は12,000人に到達

そして、5月20日の正式リニューアルを経て、現在は160校・16,000人を突破しています。たった1か月で導入校数は40%増、ユーザー数も約17%増に。この数字の裏には、現場の先生方が実際に使ってくれて、同僚や、次の学校に紹介してくれたという確かな手応えがあります。

すべてを包み込んでくれる信濃町の自然と余白

――プライベートの面では、新生児の養子を受け入れ、さらに第3子もご出産されていますね。事業と子育てはどのように両立されていますか?

最初の妊娠期間や長男が生まれたばかりの頃は、まだ「TypeGO」が形になっていなかったので、「起業家としてもダメだし母親としてもダメ」というマインドになって泣いてしまうこともありました。

「妊娠していなければもっとできるのに」と落ち込んだり、打ち合わせ中に子どもが泣き出して「すみません、リスケで」と謝り倒したり。でも今は、子育てと仕事の共存のさせ方がわかってきた気がします。

――共存のコツを教えて下さい。

一番ダメなのは、「子育てもやらなきゃ、仕事もやらなきゃ」と同時並行してしまうこと。「起業家としての自分」と「家族の中にいる自分」をちゃんと分けて、メリハリをつけることが大切です。

以前の私は、打ち合わせ中に子どもが泣き出すと、「ごめんね」と内心謝りながら打ち合わせをし、終わったらミルクを与えながら「うわあ、まだ仕事が残っているのにな」と考えてしまっていました。脳を切り替えられていない状態だから、どちらに対しても罪悪感が発生してしまうんですね。

最近は、「仕事よりも子ども優先」というスタンスを持ちつつ、「子どもを優先するためにはお金が必要だし、自分が事業で成功することが何よりも子どもへ還元できるものだ」と思えるようになりました。

実際に、信濃町の学校現場でも「TypeGO」が導入されました。子どもたちが通学するようになるまで、継続して活用してもらえるようによりよいプロダクトにしていきたい。自分が事業で成功した暁には、子供たちの未来にその恩恵を与えられる。それが自分が親として最大限出来ることだと信じて、今は事業に挑戦しています。

――世の中の「母親像」や「経営者像」に左右されず、自分でバランスを取っていくことが大切なんですね。

逆に、潔く自分の時間を子どもたちに譲ることもあります。子どもたちが「遊んで」と泣き出したら、どれだけ「今この資料をやっているのに……」と思っても、「分かった。これからの30分間は君たちに渡します」と自分の中で決めて、PCも閉じて携帯も置いて、一緒に絵本を読んだりお散歩したり。そうすると、大抵15分くらいで機嫌が良くなるんです。

そうして子どもたちの笑顔を見て、「私は大丈夫、母親として100点!」という状態を作ってから、もう1回仕事に戻る。そうやって、気持ちのメリハリをつけるだけで全然違います。でも、これを東京でやろうとしたら無理だったと思います。

――メリハリをつける上で、信濃町という環境はやはり大きいですか。

はい。昨年、それを強く実感した瞬間があって。長男が生まれ、新生児の養子を受け入れて、第三子を妊娠してつわりがひどい時期があったんです。もう毎日バッタバタの地獄絵図で。ある朝、長男が着替えをイヤがって走り回るのを追いかけていたら、長男が転んで床に置いてあったコップの水が全部こぼれたんです。

そこに、窓から朝日が差し込んできて水面にキラキラと反射して。次男は泣いていて、自分も吐き気でしんどいし、保育園の送迎時間がギリギリ。それなのに、「あ、きれいだな」と思った自分がいたんです。こんなカオスな状態でも、長男を叱るんじゃなくて、「きれいだな」と心が動く余裕があるんだ、と。その時に、「あぁ移住してきて良かった」と思いました。

どれだけ仕事で行き詰まっても、ここならちょっと顔を上げれば山が見える。子どもが泣き出したら、パッとお外にお散歩に行ける。走り回ったり大声を出しても何しても周りを気にしなくて良い。気持ちに余裕があるんです。そういう意味で、妊娠・出産・育児をしながら起業をするなら長野はすごくおすすめです。

言語習得のハードルをぐっと下げ、みんなが異文化を許容できる社会に

――これからの展望を教えてください。

まずはどんどん学校教育の中に「TypeGO」を浸透させていって、子どもたちにとっての言葉を学ぶことへの心理的ハードルと、先生たちの負荷をもっと下げていきたい。その先で、さらには世界中の子供たちや大人が言語を習得するハードルをぐっと下げ、みんなが異文化を許容できる社会にしていきたいです。

今後具体的に目指していきたいのは、言語を学んだ成果がちゃんと得られる仕組みを作ること。ゆくゆくは、「TypeGO」のスコアがそのまま語学の資格になるようにしたいんです。英検やTOEICのような既存の語学の試験は、わざわざ試験を受けに行かないといけませんし、受けてから数年が経ってしまえば「今」の英語力は測れない。「TypeGO」なら、日々遊んでいるだけで英語力だけでなくパソコンの実務スキルも測れるので、大学受験や就職における効果的な指標になるはずです。

ユーザーのデータを見てみると、面白いことに学校の偏差値と「TypeGO」のスコアは比例していないんです。どんなに偏差値が低い学校でも、「TypeGO」では全国的に高いレベルにいる子どもたちがたくさんいる。「TypeGO」のスコアを資格化し、全国的な評価基準にすることで、頑張っている子どもたちに奨学金を与えたり、海外研修をサポートしてあげたり、教育格差を埋めるような支援もしていけたらと思っています。

――最後に、長野県で創業を考えている方にメッセージをお願いします。

「妥協しないでやってみて!」とお伝えしたいです。仕事と育児の両立の話をすると、私は「両方ともやるしかない!」という感じでやってきました。イヤイヤやったのではなく、両方とも楽しかった。

それでも、やっぱり諦めそうになる瞬間は出てきます。そんな時は、目の前の小さいことを見るんじゃなくて、自分の人生全体を捉えて考えるようにしてきました。行き詰まったと思ったら、ちょっと引きで自分を見て、「これ、まだやってないじゃん!」「これをしたらどうなるんだろう?」と塗り絵を埋めていく感覚でチャレンジしてみる。

そもそも、「仕事と家庭のどちらかを選ばなければいけない」「どちらかの割合を減らさなければ両立できない」というわけではないと思うんです。両方とも100%やればいい。「もうやめたいな」と思うことがあっても、メリハリを付けて全部やってみて欲しいです

株式会社Swellのホームページhttps://swell-inc.com/
英語教員のための「TypeGO」公式notehttps://note.com/typego

EVENT
2025.9.24

創業セミナーin長野 税金と資金調達のいろは ー安心してビジネスをはじめるためにー

主催:飯綱町
募集期間:2025/09/12〜2025/10/02
開催期間:2025/10/02〜2025/10/02
2025.9.24
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(投資/融資)を検討している

県内全エリア

関東信越税理士会、日本政策金融公庫共催の創業セミナーです。

日時:2025年10月1日(水)14:00~15:30
会場:JA長野ビル12B会議室(12階)
住所:〒380-0826
   長野市大字南長野北石堂町1177番地3 
対象:創業を検討されている方 創業間もない方
定員:リアル会場 30名 オンライン30名(※オンラインは第2部まで)
お申込み方法:別添チラシの二次元コードからお願いします 
セミナー内容
【第1部】経営に関する税金知識 講師 エイワ税理士法人 佐藤英介税理士
【第2部】創業計画書の作り方  講師 日本政策金融公庫 長野支店 融資課長 奥間
【個別相談会】セミナー終了後実施します。税金や資金繰り等のお悩みがあれば、奮ってご相談ください。(事前予約制)
※申込締切日:好評につき、9/24(水)→9/29(月)17時まで延長しております