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とりあえず事業の相談がしたい
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2025.6.25

地方起業と事業計画の重要性【SSSセミナーレポート】

2025.6.25
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい

信州スタートアップステーション(SSS)では、長野での創業を考えている方や、支援機関の方向けのオンラインセミナーを定期的に開催しています。

2025年夏期は、ビジネスのアイデア出しから事業計画の作成までみっちりサポートする全4回の創業セミナーをオフライン・オンライン配信併用で開催します。

6月17日に行われた第1回目のセミナーでは、「地方企業と事業計画の重要性」をテーマに、株式会社つばさ公益社 代表取締役の篠原憲文氏を迎え、地方ビジネスにおける事業計画の作り方や金融機関との付き合い方、地方ならではの課題と機会についてお話をいただきました。セミナーの様子をレポートします。

【登壇者】
株式会社つばさ公益社 代表取締役 篠原憲文氏

「家族葬のつばさ」創業7年、東信エリア10会館運営。明治大卒。メリルリンチ日本証券、eBay Japan、Macromedeia(現Adobe)勤務。日本DX大賞、信州ベンチャーサミット最優秀賞など。

進行役:信州スタートアップステーション コーディネーター 

篠原氏は、創業7年で10店舗を展開する葬儀会社を経営しています。

「丸いノコギリ」の教訓:準備の重要性

セミナーの冒頭で篠原氏から紹介されたのは「丸いノコギリ」の話でした。木こりが切れないノコギリで木を切り続けているのを見て、なぜ刃を研がないのかと聞くと「忙しいから」と答えたという話です。

「順番が違うわけです。最初にしなければいけないのは刃を研ぐこと。しっかり準備をした上で木を切るべきなのに、切れないノコギリでずっと時間を使っていると」

自身も、信州スタートアップステーション(SSS)を活用して事業計画書の作成支援や銀行融資の相談をし、金融機関との「共通言語」を学んだ経験を振り返りました。まずは知識をつけて自分自身のノコギリを研ぎ、相手と文脈を合わせたり、考えを理解したりすることで、話が伝わり事業の実現に力を貸してもらえるようになるのです。

さらに、篠原氏は「事業計画は信頼を作るためのツール」と語ります。

「事業計画書は、銀行や投資家に事業の実現可能性を示すだけでなく、チームとの共通の言葉や向かっていく方向性を示すものとなります」

そのため、客観性の担保の重要性と、主要な財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)を読めるようにしておく必要性が強調されました。

地方企業のメリットと課題

続いて、地方起業には都市部にはない独自の強みがあると篠原氏は説明します。特に地域資源の活用については、特産品や文化資源を活かした差別化がしやすく、独自性を生み出しやすい環境があるといいます。

「特に、ふるさと納税みたいなチャンスを活用して極端に大きくなった会社って実はたくさんあって。例えば徳島県には創業初年度に売り上げ10億、2年目30億みたいな会社もあります。実はチャンスの種というのは今地方にすごくたくさんあるんじゃないかと」

また、コスト面では都市部と比較して人件費や家賃を抑えられ、初期投資を小さくできるメリットがあります。地域課題への取り組みについても、地域の問題解決に取り組むことで応援されやすい環境があると語りました。

「どこを掘っても地域は問題だらけだから、その地域の問題解決を頑張ろうとすると、みんなから応援されやすいみたいな環境がある。さらに、キーマンとすぐに繋がれることも強みです。ネットワーク構築のしやすさも地方の良さだなと感じます」

一方で、地方企業特有の課題についても率直に語られました。最も重要な課題として挙げられたのは顧客の獲得。次に地方特有の市場の小ささが問題となります。

「顧客獲得に関しては課題があるなというのは、自分で事業をやっていても感じます。シンプルに人が少ないとか、販路がないとか、どの属性にターゲットを定めるんだとか、さらにどう広げるんだとか。従来に地方になかったような文脈で集客するなど、工夫をする必要があると思います」

ただし、これには両面性があり、競争が少ないという利点もあると説明されました。

また、特に強調されたのがキャズム理論の重要性でした。新商品・サービスがイノベーター(2.5%)、アーリーアダプター(13.5%)から一般顧客(アーリーマジョリティー)に移行する際に現れる「深くて大きな溝」について詳しく説明されました。

特に地方では、都市部なら成立するニッチなビジネスも、興味関心を引く人の絶対数が少ないがゆえに成立しないケースが多いため、時間と資金を考慮に入れた事業計画が不可欠だと強調されました。

「nice to have(あったらいい)」と「must have(ないと困る)」の違い

さらに篠原氏は、「実は支出管理が事業計画の7割だと個人的には思っています」と続けます。予測が難しい売り上げに対し、支出はコントロールできるという観点から、家賃、人件費、在庫など管理可能な項目をしっかり計画することの重要性が説明されました。

特に注目すべきは固定費で、「固定費がゼロだったらいつまでも継続できる」という視点から、「死なない事業計画」を作ることが強調されました。

その上で篠原氏は、長年の経営経験から、事業計画でよく見られる典型的な失敗パターンについて説明しました。最初に挙げられるのが過大な売上予測です。根拠のない楽観的な見込みで初期段階での過大評価をしてしまうケースについて語りました。

「ピカピカキラキラのオフィスや、人件費を過剰に取り過ぎるなど、固定費を最初からかけすぎてしまうのは逆効果。多くの場合で、初期顧客からメインストリームに移るまでに資金ショートを多くの場合で起こしてしまいます。創業初期の経営者が陥りやすい落とし穴として、キャッシュフロー管理の失敗も挙げられます」

続いて篠原氏は、よく見落とされがちな市場調査の重要性について、自身の経験を踏まえて警鐘を鳴らしました。

「仮説を作ってコンセプトを作った段階で『絶対に行ける!』と熱が上がってしまい、気づくと、ちゃんとした市場調査もしないうちにプロダクトを作って売り始めてしまうみたいなことが起きやすい。やっぱり熱を持って作るサービスやプロダクトというのは目線が偏っていて、とてもじゃないけど客観的ではなく、自分にしかわからない理論で組み立てられてることがあります」

そこで、ニーズを見極める重要なポイントとして「nice to have(あったらいい)」と「must have(ないと困る)」の違いを理解することの重要性が実例を交えて語られました。

「『あったらいいよね』から、お友達相手にプロダクトを作りました、『いいね』と言ってくれたから始めました、それで全然売れないということがすごくよくあると。結局、そこに痛みが生じていて、『ないと困る』から、お金払ってもでも解決したいことなら、確かに入っていけるんだけども、『あったらいいよね』は基本売れないし、友達の評価は全く当てにならない」

「勝てる場所で戦う」地方企業のポジショニング戦略

地方でのビジネス展開について、篠原氏は「勝てる場所で戦う」ことの重要性を強調しました。

まず、先行者がいることのメリットについて説明しました。一見すると競合がいることは不利に思えますが、むしろ市場の存在証明になると語ります。

次に、メインストリームの横にあるニッチ市場への着目と、セグメントやコンテンツを絞った戦略の有効性について詳しく説明されました。

「僕自身が地方で起業して思うのは、地方での創業は、先行している成功者がいる上で、ニッチかつ独自性のある領域がいいなと思ってます。メインストリームの横に、セグメントやコンテンツが絞られてる世界があると。例えば、メインストリームであるゴルフの、左利き用だとか女性専用、大きいサイズのゴルフウェア。メインストリームの横に流れているニッチで独自性を発揮して圧倒的に勝つ」

セミナーの最後は、「言われた通りやるのは難しいが、言われた通りやったら成功することがたくさんある。スマホの時代は情報がコモディティになったため、行動で差をつけましょう」というメッセージで締めくくられました。

今後の創業セミナーでは、アイデア出しと市場分析、事業計画書作成、事業計画のブラッシュアップを行っていきます。

長野での創業を考えている方や、創業して間もない方、中小企業等で新規事業をご担当されている方はぜひご参加下さい。
詳細・お申し込みはこちら

INFO
2025.6.16

長野県版ドローンサービス活用促進プラットフォーム「NAGANO DRONE PLATFORM」

主催:長野県企画振興部DX推進課
募集期間:2025/06/16〜2028/06/16
2025.6.16
とりあえず事業の相談がしたい 場所や施設を探している 人材を探している 販路拡大がしたい 産学連携に興味がある 他の企業との協業を検討している

県内全エリア

▪概要
 ドローンサービス提供者の概要やサービス内容の紹介、広域での検索、自動見積、利用者とのマッチングの機能を提供しています。また、全国各地域のドローン関連情報を掲載しています。詳細については、「ドローンプラットフォーム・クロス」をご覧ください。

・ドローンサービス提供者の皆様へ
 本プラットフォームへの掲載を希望される方を随時募集中です!「新規事業者登録」からお手続をお願いします。

・ドローンサービス利用者の皆様へ
 本プラットフォームは無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください!

▪参考
 DX推進課では、官民で連携する「信州次世代空モビリティ活用推進協議会」を運営し、長野県内でのドローンや空飛ぶクルマ等の「次世代空モビリティ」の活用を推進しております。
 協議会の詳細は、「長野県DX webサイト-信州空の移動革命」をご覧ください。

INFO
2025.6.11

令和7年度 NAGANO STARTUP STUDIO キックオフイベント

主催:長野市 経済産業振興部 イノベーション推進課
募集期間:2025/6/10〜2025/6/26
開催期間:2025/6/26〜2025/6/26
2025.6.11
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい アクセラレーションプログラムを探している

長野市

今回のイベントでは、連続起業家を招待して、スタートアップのリアルをお話しいただきます!起業/新規事業を推進したい方や資金調達を考えられている方には必見のイベントになります!

【2025年度 キックオフイベント】 
第一部 基調講演:地方での起業のメリット・デメリット ~シード期の課題をどう乗り越えるか~
第二部 現地交流会

〇日時:2025年6月26日(木)18:00~21:00
〇会場:FEAT.space2F (長野市東町131)
*会場現地およびオンラインでのハイブリッド開催

〇スケジュール
18:00~ 冒頭挨拶
18:10~ 基調講演
19:00~ 質疑応答
19:15~  NSSのプログラム説明
19:30〜 交流会+個別相談会(事前申し込み制)
~21:00 閉場

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※詳細はリンクもしくは添付のチラシをご参照ください
※無料の個別オンライン説明を実施しております!

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2025.6.9

起業家を長野県で育てていく。起業文化醸成のための工夫

2025.6.9
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい

長野県から世界を目指す起業家・経営者を全力で支援する、創業支援拠点運営事業信州スタートアップステーション(SSS)。

前回の記事では、長野県産業労働部経営・創業支援課の関遼樹さんに、長野県が目指すスタートアップ支援の形について、お話を伺いました。

今回は、長野という土地で起業家の芽を増やし、育てていくための構想や、取り組みについて、お話を伺いました。

<お話を聞いた人>
関遼樹(せき はるき)さん

長野県産業労働部 関遼樹(せき はるき)さん

長野県産業労働部 経営・創業支援課主任。長野県職員、デロイトトーマツベンチャーサポートへの出向を経て、2023年に長野県庁へ復帰。アクセラレーションプログラム、スタートアップ拠点構築事業に従事し、地域イノベーターとして、地域課題解決とビジネスの両立を目指す。

地元中小企業とスタートアップのマッチングで生まれる、新たな潮流

実は私は三年前、スタートアップ支援をする東京の会社に出向していました。そこで運営していたモーニングピッチというイベントがありまして、毎週木曜日の朝7時から、毎週5社のスタートアップが、大企業の社員や役員に向けてピッチをするんです。

――朝七時に人が集まるのですか?

それが集まってくるんです。「始業前のアツい人たちが来る」というコンセプトでしたね。

参加企業と、ピッチをしたスタートアップ企業間につながりが生まれるよう、イベント開催後のフォローアップもしっかり行っていました。こういった活動を行うことで「投資につながった」「協業関係になった」などの結果も出ていました。一種のコミュニティ形成ですね。

この時の経験から、「スタートアップだけにアプローチをしていては、足りない。」という気づきがあり、地元の中小企業と、スタートアップのつながりが生まれるような仕組みを、長野でも作っていこうと考えました。

――長野でこういった活動を広げていく上での工夫はありますか?

まずは、長野の企業に向けて、リーディングカンパニーの事例を見てもらうようにしています。長野の有名企業がスタートアップと連携して、こんな成果が出ています、という事例をイベントで講演してもらうことで、「こんなことをやっているんだ」と、まずは興味を持ってもらう。そして「それならうちでも、できるかもしれない」と自分ごとに置き換えてもらう工夫を行っています。皆さんが知っている企業の実例、となれば、やはり皆さんに響きますね。

その次の段階として、長野県ならではの産業、例えば食品に特化した企業間でマッチングを行うことで、成立の確度を上げていきます。スタートアップが「点」だとすれば、大企業は大きな「面」で、この「点」と「面」をうまくクロスさせていきたいですね。

スタートアップ育成の観点でいくと、実は県外との協業も進めています。昨年度は大阪でイベントを開催したり、本社が長野ではないけれど、拠点が長野にある企業とも話をしたり、様々な角度から、取り組みを行っています。

起業文化を醸成していく上での、2つの課題

――こういった取り組みの中で、課題に感じていることはありますか?

大きくは二つあります。一つ目は、まだまだ起業が当たり前じゃない、という空気感です。

スタートアップへの資金調達環境も十分とは言えません。堅い言葉で言えば、スタートアップエコシステムの拡充・定着を進めていかないといけません。

――起業して終わりではなく、そこからずっと続いてくのが経営なので、維持していく難しさはありますね。

もう一つの課題としては人材育成の難しさです。

一般的なこどもの教育過程の中で、「自分で課題設定をして何かをやる」機会って、実はあまり無いと思っています。教科書には既に質問が書かれていますよね。

しかし、ビジネスでは自分で課題設定をしないといけません。自分で創造するために必要な考え方を、高校・大学に至る過程で身に着ける機会があれば、起業人口の裾野はもっと広がっていくのではと考えています。

――確かに、教科書に書かれたことをただ学習するカリキュラムでは、そこを身に着けるのは難しいと感じています

「課題の設定」と「じゃあそれをどうするか」という思考がセットにならないのが悩ましいところで、我々は、先輩起業家の講演などのセミナーを通して、皆さんが学べる機会を提供するようにしています。知識をまずはインプットして、それをどう応用していくか、という考え方が大切ですね。

セミナーも、多くの方を集めてやる内容もあれば、「資金調達」や「資材の調達」など少人数でしっかり戦略的にやるものもあります。繰り返し見ていただけるように、youtubeで視聴できるようにもしていますよ。

起業をもっと当たり前のものにしていくために、様々なセミナーをこれからも企画していきます。

女性起業家支援の取り組み

女性は、子育てなどで一度ビジネスシーンから離れると、これまで通りの仕事に戻ることに、困難を感じられることも多いかと思います。

起業やご自身の活動に関する悩みを相談したい女性に向けての、女性相談員の窓口も設けています。

SOU

特徴的なのは、1:1の相談だけではなく、様々な女性相談員に、横の関係で話を聞けることです。起業は法人化が前提では、決してありません。自分の想いを形にするために、少しだけやってみる、その挑戦を後押しできたらと考えています。女性の利用者も年々増えていますよ。

今年は女性起業家向けの連続講座も企画中なので、楽しみに待っていていただけたらと思います。

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2025.6.9

競争力のある企業を育てるために。長野県が描くスタートアップ支援の形

2025.6.9
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい

長野県から世界を目指す起業家・経営者を全力で支援する、創業支援拠点運営事業信州スタートアップステーション(SSS)。

今回は、長野県産業労働部経営・創業支援課の関遼樹さんに、長野県が目指すスタートアップ支援の形について、お話を伺いました。

<お話を聞いた人>
関遼樹(せき はるき)さん

長野県産業労働部 経営・創業支援課主任。長野県職員、デロイトトーマツベンチャーサポートへの出向を経て、2023年に長野県庁へ復帰。アクセラレーションプログラム、スタートアップ拠点構築事業に従事し、地域イノベーターとして、地域課題解決とビジネスの両立を目指す。

スタートアップが競争力をつけるための「ファンド」

――長野県では様々なスタートアップ支援をされているかと思いますが、これから特に推進していきたい取り組みについて教えてください。

長野県産業労働部 関遼樹(せき はるき)さん

我々が実現したいビジョンは、「競争力のある企業を生み、次世代産業を創出していく」ことです。県が起業家達のチャレンジを後押しするために力を入れているものの一つに「ファンド」があります。「ファンド」による出資とは、簡単に言えば、月々の返済が必要なく、株と引き換えに、企業が資金を調達する仕組みです。

――返済が必要ないのですか!

はい。ただ、やはり株を渡すので、企業として一定の成長を求められる面はあります。やりたいことがあるのに、なかなか金融機関からの融資が付かない方に、知っていただきたい仕組みです。

――利用者はいらっしゃるのですか?

令和4年度からこれまでに20社の利用実績があります。年間数件なので、昨年一年間の創業の件数が約1300件であることを考えれば、ファンドの利用者はごくごく一部という現状です。

やはり一定の資本がないと、やりたいことを実現させたり、大きくしていくことは難しく、スタートアップ企業に競争力をつけてもらうためにも、利用者を増やしていきたいです。

――ファンドを利用するのは、ハードルが高いのではないでしょうか?

ファンドを利用したいと申し出があった場合には、これまで数多くの地方創生ファンドを運営してきたミライドア株式会社(東京都)や、SSSのコーディネーターが支援を行います。まずはご相談いただければと思います。

長野という土地で、ビジネスにしっかりと挑戦できる環境を整えていくことが、我々の大切な役割です。起業のために地方から東京へ出ていくケースは多いですが、逆に、広大なフィールドがあり、競合も少ない長野で起業する方が、起業に適している場合もあります。
実はファンドは県内企業でなくても、長野県内に拠点を設けている企業であれば利用ができて、現在3社のスタートアップがファンドを利用しています。

――ファンドの利用者を増やしていくためには、ある程度ビジネスの土台ができている人を増やしていく必要がありそうですね。

そうですね。ファンドの前段階として、どなたでもSSSの窓口をぜひ利用してもらえたらと思います。SSSの窓口に来てもらえれば、「こういうことをやりたい」「こういう世界を実現したい」というアイデアをコーディネーターと壁打ちしながら、形にしていくことができます。

資金調達の方法としては、融資、補助金、投資などがありますが、ビジネスモデルが合っていれば、ファンドの利用をコーディネーターがサポートをしますので、ぜひ利用していただたらと思います。

競争力のある企業を育てるために、既存企業を巻き込みたい

――「競争力のある産業を生んでいく」ために他にも取り組まれていることはありますか?

一社だけ業績がバンと伸びても、長野県の産業全体には響かないと思っています。スタートアップの盛り上がりを、局地にとどめないためにも、既存企業をどんどん巻きこんでいきたいと考えています。

県内の既存企業も「新規事業をどう進めていけばいいのだろう」「経営課題にどう向き合えばいいのだろう」という課題に常に悩まされています。そこで、スタートアップと手を取り合うことで、解決の糸口が掴めるかもしれません。

スタートアップは、経験豊富な既存企業の知見やリリースを活用できて、既存企業はスタートアップの新しい目線やアイデアに触れることができる。お互いにメリットを享受できるというわけです。

また、東京ではなく、長野だからこそできることを意識したいです。例えば、長野県は製造業が盛んで、精密加工の高い技術を持った企業がたくさんありますよね。実はそういった企業は、ヘルスケア部門のスタートアップと相性が良い。精密機器の技術は「検査」「小型化」に強いので、スタートアップのアイデアを掛け合わせることで、新たなビジネスの創出が期待されます。

――社会の高齢化も進んでいきますし、需要が高そうですね。

人体は世界共通なので、市場としては非常に広いと考えています。

また、食や観光も長野の強みなので、日本酒・ワイン・発酵食など、バラエティ豊かな県内企業がたくさんあります。そういった企業と、スタートアップが手を組むことで、これまでに無い面白い取り組みが生まれるのではないかと考えています。

スタートアップと既存企業のマッチング

――そうなってくると、両者の出会いの場がもっと欲しいですね。

県内企業とスタートアップの接点を増やすためのイベントも開催しています。2024年10月に長野市、2025年2月に諏訪市でオープンイノベーションフォーラムを開催し、合計254社にご参加いただきました。

信州ベンチャーサミット

信州オープンイノベーションフォーラム

これからは、既存企業からも、スタートアップへ歩み寄る仕組みを作りたいと考えています。ここで問題となってくるのが、スタートアップと地域の既存企業のスピード感の違いですが、両者の間に入って、コミュニケーションをスムーズに進めるための橋渡しをするのがSSSのコーディネーターです。実はSSSではイベントの開催だけではなく、そのあとのフォローアップにも力を入れているのですよ。

――具体的にはどのようなことをされているのですか?

例えば、先ほどの信州イノベーションフォーラムの参加者に対してアンケートを実施し、その回答をもとに、起業や金融機関との面談のコーディネートなどを行っています。イベントをやっておしまいではなく、きちんと次に繋げて、結果が出るようにしてます。これからも、既存企業とスタートアップ企業がお互いに歩み寄れるような取り組みをどんどん進めていきます。

EVENT
2025.6.10

令和7年度 NAGANO STARTUP STUDIO キックオフイベント

主催:長野市 経済産業振興部 イノベーション推進課
募集期間:2025/06/10〜2025/06/26
開催期間:2025/06/26〜2025/06/26
2025.6.10
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい アクセラレーションプログラムを探している

長野市

今回のイベントでは、連続起業家を招待して、スタートアップのリアルをお話しいただきます!起業/新規事業を推進したい方や資金調達を考えられている方には必見のイベントになります!

【2025年度 キックオフイベント】 
第一部 基調講演:地方での起業のメリット・デメリット ~シード期の課題をどう乗り越えるか~
第二部 現地交流会

〇日時:2025年6月26日(木)18:00~21:00
〇会場:FEAT.space2F (長野市東町131)
*会場現地およびオンラインでのハイブリッド開催

〇スケジュール
18:00~ 冒頭挨拶
18:10~ 基調講演
19:00~ 質疑応答
19:15~  NSSのプログラム説明
19:30〜 交流会+個別相談会(事前申し込み制)
~21:00 閉場

INFO
2025.5.7

SOU-Online 2025年度のご紹介

募集期間:2025/05/02〜2025/05/28
2025.5.7
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい

県内全エリア

3年目となるSOUは、内容をアップデートしてみなさまにお届けいたします。
SOU事業の詳細および、メンターのご紹介をオンラインで行います。
ぜひお気軽にご参加ください!

【開催概要】
日時:5月28日(水)12時〜13時
場所:オンライン
費用:無料

EVENT
2025.4.25

「SSSコーディネーター大集合~R7年度のSSSプログラムのご紹介~」

主催:株式会社カンマッセいいづな(いいづなコネクト)
募集期間:2025/05/15〜2025/04/25
開催期間:2025/05/15〜2025/03/09
2025.4.25
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい

県内全エリア

R7年度の信州スタートアップステーション(SSS)がスタートしました。今年度で6年目を迎えるSSSでは、コーディネーターの陣容も充実し、多くの起業家支援プログラムを展開する予定です。今年度の盛りだくさんなプログラムとともに、個性豊かなコーディネーターを見て、あなたにとってベストな伴走者を見つけてみてください。

<日時>2025年5月15(木)12:00-13:00
<会場>オンライン(ウェビナー)

<対象者>県内の起業家、起業家予備軍、支援機関等

<内容>SSSの長野・松本に常駐するコーディネーターのご紹介、R7年度SSSのプログラムのご紹介、その他、起業時に活用できる県の補助金のご紹介や、SSSを利用するスペシャルゲスト(起業家)によるSSSを使い倒す方法についてパネルディスカッション形式でお話しさせて頂きます

<登壇者>

(SSS)佐藤崇道、森山祐樹、中川理紗子、田中亮介、久保信也

<タイムスケジュール> 

12:00-12:20 SSSコーディネーターの紹介

12:20-12:30 SSSプログラムの紹介

12:30-12:50 SSS活用方法について(パネルディスカッション)

12:50-13:00 Q&A


<申込み>  https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_O2PWE4HcSUqv-CDfG-yxeA


INFO
2025.4.7

ふるさと起業家支援事業補助金 事業者募集!

募集期間:2025/04/01〜2025/05/15
2025.4.7
とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(投資/融資)を検討している 資金調達(補助金/助成金)を検討している

松本市

1 概要
  ふるさと納税を財源にした補助金で、新たに事業を立ち上げようとしている方
 が対象です。「クラウドファンディング型ふるさと納税」により寄附金を募り、
 経費を除いた金額を補助金として起業家に交付します。
 ※別途、上乗せ補助あり(設備費のみが対象)
2 対象エリア
  安曇・奈川エリア
3 対象事業
  地域活性化に資する新規事業
4 補助金
  寄附金から経費を除いた金額 + 上乗せ補助(上限100万円)
5 申請期間
  令和7年5月15日(木)まで。
6 事業の特徴
  ・ふるさと納税型で通常のクラウドファンディングより寄附金が集まりやすい
  ・上乗せ補助がある(設備費限定)
  ・専門家(経営者)のアドバイスを受けながら事業を実施できる

ふるさと起業家支援事業補助金 事業者募集!

ARTICLE
2025.4.28

「創業してみたい」気持ちがあれば大丈夫。相談窓口を利用してみませんか?

2025.4.28
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい

4月に新年度を迎えた信州スタートアップステーション(SSS)。
今年度も長野県から世界を目指す起業家・経営者を全力で支援する、創業支援拠点運営事業を進めて参ります。

さて、この創業支援のキーとなる活動の一つである【窓口での創業に関する無料相談】。

コンサルタント、中小企業診断士、会計士等の経験豊富なコーディネータが、相談者の創業・新規事業に関する相談対応を行い、アイデアの事業化を支援しています。

長野市にある信州スタートアップステーションnagano(長野)

「相談窓口、ちょっと気になっているんだよね」
「私なんかが行ってもいいの?」
と、思っている方もいらっしゃるのでは?

今回は、SSS立ち上げから1200件超の支援実績を有す、創業支援コーディネーター森山祐樹さんに、SSSの相談窓口について、お話を伺いました。

窓口の利用状況からみる、長野県の創業事情

――どのような方が相談に来られているのでしょうか?

信州スタートアップステーションnaganoの様子

件数とすると、年間数百件の相談依頼があります。SSSの活動がスタートしてからずっと、安定して、多くの方に足を運んでいただいていますね。その中から実際に何人もの方たちが、創業されています。

エリアとしては、長野市や松本市の方が多いですが、長野への移住を前提として東京から相談に来られる方もたくさんいらっしゃいますね。移住創業に対する相談ニーズの大きさがうかがえます。

年代でみると、30代が圧倒的に多いです。相談のボリューム層である30代においては、女性の相談数が男性を超えているのも特徴的ですね。

――SSSでは女性の創業支援にも力を入れていますよね

はい。SSSでは、長野で起業している、もしくは起業したいと考えている女性の方々のための支援事業にも力を入れています。

事業アイディアのブラッシュアップなど起業に関する相談をはじめ、仕事と家庭・子育てとのバランスやコミュニケーションの取り方など、幅広く相談をお受けします。女性の支援員も多く在籍していますよ。相談場所は、ニーズに応じて、オフラインまたはオンラインをフレキシブルに選択可能です。

――自分の得意なことや、好きなことで輝けるといいですよね

「やりたい」という気持ちだけで大丈夫。気軽に相談に来てほしい。

―――創業のアイデアやプランが無いと、利用できないのでしょうか?

そんなことはないですよ!

「創業してみたい」という気持ちがあれば大丈夫です。皆さん、ご自身の趣味や得意なこと、興味があること、何かしらあると思うのですが、そういったところから、我々がお話をお伺いして、事業に膨らませるために、壁打ちのディスカッションをしていきます。

特定のものが決まっていない、事業のアイデアになるかわからないけど…という方もたくさんいらっしゃいます。3つくらい、バラバラのアイデアを持ち込まれる方もいらっしゃいますね。そういった方たちと、新しい事業を共に作り上げていくお手伝いをするのが、私達の役目です。

そもそも創業に興味がない、興味があるけどまだ手元に何もない、という方たちに向けて、幅広く相談の裾野を広げ、ご参画していただくことで、創業人口をさらに増やしていきたいと考えています。

長く相談を続けていると、「知り合いが相談に乗ってもらったと聞いて」と、紹介で来てくださる方もいらっしゃいます。旦那さんのあとに、奥さんが、というように、夫婦で利用されたケースもありますね。

――相談員の方、気さくで話やすい方が多いと感じます

そうですね、我々は創業をもっと身近に感じてもらいたいと思っています。なるべく視野が狭くならないように、できるだけオープンに、広い視点で相談者がアドバイスを受けられるよう心がけています。「とりあえず興味があるから来てみました」、大歓迎ですよ。

――不安の大きな資金面の話も、相談できますか?

もちろんです。資金についても、金融機関からの融資だけではなく、今はクラウドファンディングなど、様々な選択肢があります。融資についてのリアルなお話なんかもできるかと思います。

セミナーも年間を通して多数企画しているので、ぜひイベント情報はSNSや当サイトからこまめにチェックしてみてください。

相談窓口のスケジュールは以下に掲載しています。

SSSコーディネーター常駐日カレンダー

信州スタートアップステーションウーマン(SSSW)の常駐日カレンダー

ご相談の際は、ご希望日時・場所、ご相談内容、お名前、ご住所(市町村まで)、ご希望の相談員(任意)等の情報をFBメッセンジャー ・メール(shinshuss@tohmatsu.co.jp) ・電話(070-4548-2758)よりご連絡ください。信州スタートアップステーションでお待ちしております!

ARTICLE
2025.3.7

【SSWコラム】自分のビジネスにキャッチコピーを

主催:SSSW
募集期間:2025/03/06〜2025/03/31
2025.3.7
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(補助金/助成金)を検討している

県内全エリア

昨年の春から、私は大学のキャリアセンターで週に1回、キャリアアドバイザーをしています。そこでは、「やりたい仕事が見つからない」「就活の進め方がわからない」といった進路相談から、模擬面接やエントリーシートの書き方まで、さまざまな相談に対応しています。

面接は、自分自身のプレゼンテーションの場です。自身の強みや経験を簡潔にアピールし、それを志望理由へとつなげることが求められます。その際に必要なのは、一貫性です。借り物の言葉ではなく、自分の内面から出てくる言葉で語ることで、表現が洗練されていなくても、想いは相手に伝わります。

そんな中、ある県内企業のエントリーシートの設問に感銘を受けました。それは、

「あなたのキャッチフレーズをご記入ください。(20文字以内)」

というもの。

一般的なエントリーシートには「自己PR」という項目がありますが、多くの学生(さらには社会人も含め)にとって、自分の強みを言語化するのは難しい作業で、結果として「主体性」「協調性」「計画性」などのビッグワードが並びがちです。これでは「自己PR」といいながら逆に「自分らしさ」が伝わりにくくなってしまいます。

一方、「キャッチフレーズ」ならば、「他と違う自分の個性」を表現しようとする意識が働きます。

良いキャッチフレーズとは?

キャッチフレーズやコピーにはさまざまな定義がありますが、よく挙げられるポイントは以下の通りです。

簡潔であること

言葉とイメージに一貫性があること

感情に訴求すること

意外性があること

(ちなみに、私の本業は広告代理店の企画職です。一応…)

売りたいもの、知ってもらいたいもの(就活の場合は自分自身ですね)には、キャッチフレーズをつくる。これは当たり前のようでいて、実は強力な武器になります。

【ビジネスにおけるキャッチコピーの重要性】

自分で事業を立ち上げる場合、サービスや商品をターゲットとなる多くの人々に知ってもらうためには「伝える」工夫が必要です。チラシを作ったり、SNSを活用したりといった手法(HOW)に意識が向きがちですが、最も大切なのは、そのサービスや商品の強みや個性、想い(WHY)を簡潔に言葉で表現することです。

事業がスタートする前も、始まった後も、「私のサービス・商品はこういうものです」と何百回、何千回と語る機会があります。その言葉が洗練されていればいるほど、相手に伝わりやすくなります。

プロのコピーライターに依頼するのも一つの方法ですが、商品の生みの親である自分自身が考え抜き、言葉を磨いていく過程には多くの気付きがあります。そのプロセスの中で、メンターに相談しながら壁打ちするのもおすすめです。自分では気づかなかった魅力や特徴が見つかるかもしれません。

ぜひ、みなさんも 自分自身のキャッチコピー、そしてビジネスのキャッチコピーを考えてみてください!

INFO
2025.2.28

第11回 起業セミナー

主催:松本信用金庫 地域リレーション支援部 企業成長支援課
募集期間:2025/04/18〜2025/03/01
開催期間:2025/04/19〜2025/04/19
2025.2.28
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(投資/融資)を検討している

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