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EVENT
2024.7.22

【SSSセミナー・ワークショップ】 地域を輝かせる競争戦略論

開催期間:2024/08/25
2024.7.22
イベント/セミナー/研修を探している

県内全エリア

日時:8/25(日) 11:00-16:00

会場:信州スタートアップステーションnagano(長野)
(〒380-0833 長野県長野市鶴賀権堂町2312−1(シソーラス株式会社内))

第一部:SSSセミナー「よなよなエール流競争戦略 」

⚫︎タイムスケジュール
11:00-11:05 講師紹介 
11:05-12:05 ご講演(競争戦略) 
12:05-12:15 Q&A

⚫︎内容 
・ヤッホーブルーイング社のターゲット設定 
・マーケティングの考え方等のご紹介 
・県内の起業家に向けた、マーケティング検討時のアドバイス等

⚫︎参加方法 オンライン or 現地参加
オンライン参加希望の方はこちらからお申込みください。 
現地参加希望の方はSSSのメールまたはFBメッセンジャーからお申込みください。 
※オンライン(制限なし)、現地参加(10名程度(申込先着順))

⚫︎講師
清水俊介氏 (ニックネーム : みーしー)
株式会社ヤッホーブルーイング 社長室 ディレクター 

第二部:SSSワークショップ 「戦略とトレードオフ」

⚫︎タイムスケジュール
13:30-13:45 参加者自己紹介 
13:45-14:30 トレードオフの事例紹介(トーマツ 森山) 
14:30-15:30  ワークショップ(個別検討・ディスカッション) 
15:30-16:00  交流会(※ヤッホーブルーイングさんのクラフトビール試飲含)

⚫︎内容 
・戦略とは何か(=何でないか)を理解する 
・競争戦略の他事例を踏まえて、戦略に必要なトレードオフを身に着ける 
・自身の事業またはアイディアでトレードオフをどこで見出していくかを検討する (+講師からの個別アドバイス)

⚫︎参加方法 
現地参加のみ(定員10名) SSSのメールまたはFBメッセンジャーからお申込みください。
※第二部参加ご希望の方は第一部からご参加ください。 ( 第二部のみの参加は不可)

⚫︎講師
森山祐樹氏
有限責任監査法人トーマツ マネジャー

【現地参加申し込み】
FB:ShinshuStartupStation
Mail:shinshuss@tohmatsu.co.jp

ARTICLE
2024.7.12

美味しく食べられる喜びをすべての人に。ヴィーガン&グルテンフリースイーツのパイオニア、「CocoChouChou」のスイーツができるまで【後編】先輩起業家インタビューvol.2

2024.7.12

起業する。会社を立ち上げる。「創業」と一口にいっても、そのあり方は人それぞれ。同じ選択や道筋は一つとしてありません。魅力的な先輩起業家が数多く活躍している長野県。SHINKIの先輩起業家インタビューでは、創業者の思いやビジョン、創業の体験談や、本音を掘り下げます。

長野県長野市を拠点にヴィーガン&グルテンフリーのスイーツブランド「CocoChouChou」を営む飯田紗央里さんは、東京を拠点にお菓子教室や商品開発から事業をスタートさせました。長野移住により、ブランド立ち上げという選択肢が一気に現実的になったといいます。

インタビュー後編では、長野移住後の事業展開の仕方や仲間の増やし方、これからの展望を聞きました。

<お話を聞いた人>
飯田紗央里さん
株式会社CocoChouChou(ココシュシュ)代表取締役。こどもの頃の趣味はお菓子作り。 IT企業に就職も、食べることが大好きで、人生を華やかに彩る“食”に携わる仕事を生涯の仕事にしたいと退職。ヴィーガンや食物アレルギーなど、食の制限の問題に気が付き、独学でヴィーガン&グルテンフリーのスイーツを研究し、2017年に「CocoChouChou」を開業。

未開拓の市場をコツコツと切り開く

――インタビュー前編では、「まだ世の中に無いもの」かつ「無いことでみんなが困っているもの」を作るべきなんじゃないかと事業の方向性が見えてきた背景をお聞きしました。しかし、当時まだ一般的でなかったヴィーガン・グルテンフリーに特化したスイーツを開発するのは大変だったのではないでしょうか。

当時、東京でさえまだ「ヴィーガン・グルテンフリー」を謳っているお菓子屋さんはほとんどなかったですし、ネットでレシピを調べて作ってみても、「なんだこれ、おいしくない!」ということがほとんど。「ヴィーガン・グルテンフリー」の市場は、まだ「美味しさ」の競争が起きておらず、「卵・乳・小麦を使ってない」というだけで重宝がられるような状況だったんです。

とにかく、今あるものを食べ比べたり、レシピを試作してみたりしては自分なりに改良を重ねて地道にレシピの開発を重ねていきました。

――カフェのメニュー開発から事業が始まったとのことでしたが、その頃には「いつか自分のブランドを立ち上げたい」という思いはあったのですか?

当時は、フリーランスのお菓子研究家的な立ち位置で、カフェのメニュー開発やコラボの仕事をしていこうと考えていました。最初にメニュー開発に携わったカフェはなかなかお店側の体制が整わず、オープンには至らなかったのですが、東京にいれば今後もこういった仕事は増えていくだろうという手応えがあったんです。

――そこから「CocoChouChou」が生まれたのはどうしてですか?

「CocoChouChou」を立ち上げたのは、長野に移住をしたことが大きいです。事業の方向性が見えてきた頃に私は一度結婚をしたのですが、夫が「長野に実家があるから地元に帰りたい」と言い始めて。長野なら東京より土地代や家賃等の諸経費も安いだろうから、「自分のブランドを持つ」という選択肢が一気に現実的になりました。

バレンタインに向けたスピード勝負! 移住と同時に物件を契約し開業へ

――では、移住後に物件を探して本格的にお店作りを?

移住するタイミングが2016年の冬ごろだったのですが、ちょうどその時に開発していたのが、「ヴィーガン生チョコレート」だったんです。

チョコレートを作っている以上、事業を始めるタイミングとして、バレンタインを逃すわけにはいきませんでした。そこで、移住する前から長野を訪れて内見をし、移住と同時に物件を契約しました。

――とにかくスピード勝負だったのですね。土地勘もない中で物件を探すのは大変ではなかったですか?

土地勘もないですし、長野市の商圏やお菓子業界の状況もわからなかったので、まずは通販事業を主軸に展開しようと決めていました。そこで、まずはとにかく自宅から通える距離で、お菓子を作れる広さがある場所を探しました。

移住後は、菓子製造業の免許が取れる最低限の工事をし、2017年の2月に「CocoChouChou」を開業し、早速商品の開発・製造をスタートさせました。

――はじめから「長野で創業する」と準備や下調べをしていたわけではなく、ご縁とタイミングが重なってのはじまりだったのですね。

実は、長野に移住してから、すぐに離婚をしたんです。でも、既にお店は押さえてありましたし、元からそこまで東京に執着があったわけではないので、東京に帰るという選択肢はありませんでした。

「ここでやっていこう」と軽やかな気持ちで長野に残ったら、幸いにも最初のバレンタインで、通信販売がヒットし、事業も軌道に乗ってきた。そこからコツコツと商品を増やし、ブランドの認知を広げてきました。

――2021年には拠点を移し実店舗をオープンしていますが、通信販売をメインに展開していたところから、直接お客さんの反応を見られるようになった手応えはどうですか?

 まちなかに製造拠点と販売場所を当時に持てるというのは、地方ならではの贅沢な強みだと思います。お客様との接点が持てるというのもやはりうれしいですね。

誰でも、短時間でも活躍できるような製造工程を工夫

――長野での人材採用についてもお聞きしたいです。

販売スタッフ・製造スタッフに関しては、店舗の窓に貼ったチラシや、Instagramのスタッフ募集の投稿を見て連絡くださった方を採用してきました。ありがたいことに、これまで有料の求人広告等を出したことはありません。

また、「CocoChouChou」では、お菓子作りが未経験の方や、事情により短時間しかシフトに入れない方でも、長く働けるようなメニュー開発に力を入れています。

――未経験でもOKとしているのはどうしてですか?

お菓子作りを「職人の仕事」にしてしまうと、1人辞めた時にまた次に採用するのがすごく大変になります。お菓子業界はただでさえ人手不足になりがちだし、長時間労働になりがちな部分があるので、従来とは違うスタイルの働き方を確立できないかと模索しています。

「CocoChouChou」のスイーツは、レシピや製造工程に工夫をしており、お菓子作り未経験の方はもちろん、それぞれに事情がある方が短時間だけシフトに入っても、ちゃんと活躍できるようにしています。

子供が急に熱を出した、親の介護で1ヶ月お休みをしないといけない、自分自身の体調不良など、どんな事情があっても、環境さえ整っていればみんなが働きやすくなる。常に安定的に生産していける環境づくりを目指しています。

――誰もが「美味しく食べられる」スイーツは、誰もが働きやすい環境で作られているのですね。

また、「未経験OK」にすることで、今までお菓子をつくったことがない人が、仕事を通じて新しい世界に触れられるきっかけになればいいなという思いもあります。

マーケティングの領域になると、ちょっと毛色が変わってくるので、副業人材に特化した求人サイトの「YOSOMON」や、「NAGA KNOCK!」で募集を出し、県外の方と業務提携をしています。

――必要に応じて様々な採用方法を組み合わせているのですね。開業後、長野での事業展開について県や市からのサポートは受けましたか?

開業時は特にサポートは受けませんでしたが、開業3年目に当たる年に、信州スタートアップステーションの「信州アクセラレーションプログラム」に第二期生として採択されました。

「信州アクセラレーションプログラム」では、自分と合いそうな経営者の方や、自分よりもう少し高いフェーズにいる経営者の方々と定期的にマッチングしていただき、1〜2時間ほどスポット的に事業の相談をさせていただきました。

会社経営の規模は違えど、経営者同士みんな持っている悩みは似ていると思います。資金繰りのノウハウから、小さな悩み事まで、ざっくばらんに話せる相手が身近にできたのはとても心強かったです。プログラムの期間は3ヶ月間でしたが、当時の同期や、経営者の方々とは今でも仲良くしています。

※1「信州アクセラレーションプログラム」とは……信州スタートアップステーションが取り組む、創業後間もない企業に対する短期間の集中的伴走支援プログラム。

想定外な出来事を、いかに好転させ続けるか

――現在は、飯田さんご自身も「先輩起業家」として信州大学での学生向けの講演や、セミナーに登壇されていますね。未来の創業者の方々には、いつもどんなアドバイスをされていますか?

「あまり計画立てすぎず、まず動き出してほしい」と伝えています。もちろん、最低限生き残るための計画を立てることは大切ですが、事業を進める上で予想通りに物事が進むということはほとんどありません。それよりも、走りながら考えて軌道修正していける人の方が創業に向いているんじゃないかなと感じます。

――飯田さんが事業を進めてきた中で、たとえばどんな想定外の出来事が起こりましたか?

たとえば、コロナが流行することは誰も予想ができなかったですよね。お菓子業界で言えば、原材料がここまで高騰することも数年前は誰も思っていなかった。もっと個人的なことだと、大規模な売上を見込んで出店した東京の催事で、想定していた売上に全く届かず大ダメージを受けたこともありました。

日々がそういうことの繰り返しだから、「100%こうなる」なんて未来はあり得ません。想定外のことが起きた時に、どうやって挽回して好転させるかを常に考える必要があります。

――何が起きてもへこたれず、次へ進める人であること。

そうそう。気持ちを入れ替えて、「じゃあ次!」と進める人なら、きっと創業に向いています。私の場合はむしろ、常に先が見えず、激しく変化する日々の繰り返しだからこそ、飽きずに事業を続けられている気がします。

――最後に、今後の展望や目標を教えてください。

今の目標は、「CocoChouChou」を「みんなが当たり前に食べている人気ブランド」に育てることです。

ヴィーガンやグルテンフリーというのは、当事者ではない人に「私には関係ない」と思われてしまうと思うんです。だからこそ、「わぁ、なにこれ?かわいい!」「このお菓子、すごく美味しい。どうやって作られているんだろう?」と、驚きやわくわくからたくさんの人の目に触れ、みんなに手に取ってもらうことで、市場の規模をどんどん大きくしていきたい。これからも、「食に制限がある人が細々と食べるもの」ではなく、ポジティブなメッセージのあるブランドであり続けたいです。

・CoCoChouChouのホームページ

・CoCoChouChouのオンラインショップ

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2024.7.12

美味しく食べられる喜びをすべての人に。ヴィーガン&グルテンフリースイーツのパイオニア、「CocoChouChou」のスイーツができるまで【前編】先輩起業家インタビューvol.2

2024.7.12

起業する。会社を立ち上げる。「創業」と一口にいっても、そのあり方は人それぞれ。同じ選択や道筋は一つとしてありません。魅力的な先輩起業家が数多く活躍している長野県。SHINKIの先輩起業家インタビューでは、創業者の思いやビジョン、創業の体験談や、本音を掘り下げます。

「会社員時代は、生活は安定していましたし、会社も仕事も大好きでした。はたから見たら、とても順調なキャリアだったかもしれません。でも、ふと『私は一生こんなふうにして働いていくのかな?』と、立ち止まったんです。」

そう語るのは、「すべての人に『美味しく食べられる』喜びを」をテーマに、長野県長野市を拠点にヴィーガン&グルテンフリーのスイーツブランド「CocoChouChou(ココシュシュ)」を営む飯田紗央里(いいださおり)さん。

会社員を退職後、お菓子作り教室・商品開発からスイーツ事業をスタートした飯田さん。通信販売から始まった「CoCoChouChou」は、現在は長野駅前の実店舗を構えるほか、全国各地のイベントや催事にも出店し、多くのファンを持つ人気ブランドです。

インタビュー前編では、「CocoChouChou」のこだわりと、会社員生活を手放し自分の事業を始めるまでのストーリーを聞きました。

<お話を聞いた人>
飯田紗央里さん
株式会社CocoChouChou代表取締役。こどもの頃の趣味はお菓子作り。 IT企業に就職も、食べることが大好きで、人生を華やかに彩る“食”に携わる仕事を生涯の仕事にしたいと退職。ヴィーガンや食物アレルギーなど、食の制限の問題に気が付き、独学でヴィーガン&グルテンフリーのスイーツを研究し、2017年に「CocoChouChou」を開業。

誰もが笑顔で美味しく食べられるスイーツブランドを目指して

――まずは、「CocoChouChou」が大切にしているお菓子づくりのあり方やブランドにかける思いを教えてください。

「CocoChouChou」のお菓子はすべて、卵・乳製品・小麦・白砂糖不使用のヴィーガン&グルテンフリーです。

「お菓子は体や美容によくない」と我慢している方や、食物アレルギーや健康の事情などで食の制限がある方、菜食主義のヴィーガン・ベジタリアンの方など、誰もが「自分だけがみんなと同じ美味しいお菓子を食べられない」という寂しい気持ちを抱くことなく、笑顔で美味しく食べられるスイーツを作っています。

――健康に配慮したお菓子や、アレルギー対応のお菓子は味気ないイメージがあったのですが、「CocoChouChou」のスイーツはとても華やかで見ているだけでもときめきますね。

まさに、心が華やぐようなおしゃれでかわいいスイーツを作ることも「CocoChouChou」のこだわりです。「これしか食べられないから仕方なく」ではなく、あらゆる食の制限をポジティブに変換して、「美味しいから」「かわいいから」と「CocoChouChou」を選んでいただけるように商品開発を行っています。

――おいしさのこだわりについて教えてください。

白砂糖は使わず、甘みはミネラルたっぷりのメープルシロップやきび砂糖、デーツなどのドライフルーツで、”くどくない”甘みを出しています。また、コクを出すために、良質な脂肪分であるカシューナッツやココナッツオイル、カカオバターなどを使用し、米粉にナッツの粉を加えるなど工夫を凝らしています。

――「CocoChouChou」は、現在どのように展開していますか?

「CocoChouChou」は、通信販売から事業をスタートしました。公式の通信販売サイトのほか、楽天市場、Cake.jpからお取り寄せいただけます。また、 新宿伊勢丹やながの東急百貨店、渋谷ヒカリエなど全国の百貨店・セレクトショップでの催事販売や、マルシェやイベント等の出展も行っています。2017年には、長野市内で実店舗を構えました。

――スイーツの中でも、「ヴィーガン・グルテンフリー」に注目した商品開発を進めてきたのはどうしてですか?

これは創業から数年が経った今でも思うことなのですが、魅力的な商品やスイーツは既に世の中にびっくりするぐらい溢れています。有名なパティスリーで修行した人や、フランスで修行した人たちが次から次へと新商品を出している中で、自分がわざわざ既存のお菓子を作ることには意味が見出せませんでした。

それよりも、まだ世の中に無いもの、それも、「無くてみんなが困っているもの」を作るべきなんじゃないか、と考えて、「ヴィーガン・グルテンフリー」のスイーツブランドを立ち上げることを決めました。

会社員としての順調なキャリアアップがふと怖くなった

――飯田さんは、もともとは会社員として働いていたとお聞きしましたが、「いつかこんなスイーツブランドを立ち上げたい」という思いがあったのでしょうか。

子どもの頃からお菓子づくりが好きで、学生の頃はパティスリーやお菓子作り研究家のもとでアルバイトをしており、「いつかは食べ物に関わる仕事に就きたいな」とは漠然と考えていました。

ですが、会社員として働いていた時も、辞めた当時も、何をするかは一切決まっていませんでした。「会社員生活を断念して、大好きなお菓子の道に戻ってきた」みたいな感覚はまるでないんです。

――会社員の頃はどんなお仕事をされていたのですか?

都内のインターネット銀行に就職し、約7年間ネットマーケティングの業務に携わっていました。会社も仕事も好きで、今でも働いていてよかったと思っています。それでも会社を辞めたのは、「このままキャリアも収入も上がっていったら、もう抜けられなくなる」と怖くなったからでした。

――「怖くなった」というのはどういうことですか?

生活は安定しているし、仕事もやりがいがあって、収入も上がっていく。はたから見たら、会社員としてはとても順調だったかもしれません。でも、忙しい毎日の中で「私は一生こんなふうにして働いていくのかな?」と、不安になったんです。収入もある程度伸びてきていたので、これ以上の金額をもらえるようになったら、きっと手放すのが怖くなってしまうだろうと。

――会社の中で順調にキャリアを積んでいたからこそ、立ち止まりたくなったと。

「手放すなら今だ!」と強く思ったのを覚えています。そこで、先のことも考えずに見切り発車で会社を辞めました。そこから何をするかはまったく決まっていませんでしたが、「まずは辞めないと始まらない」という気持ちでしたね。

――立ち止まることで、一度自分自身をリセットしたのですね。

会社員時代は本当に毎日一生懸命仕事をしていたので、プライベートの充実を優先してこなかったんです。辞めてからの約一年は、貯金を切り崩しながらのんびりと暮らし、今後自分がどのように生きたいのか考えました。

それでも、結局明確な答えは出なかったんです。ただ、「会社員に戻ろう」とは思えなかった。そこで、自由と責任が伴う「起業」という選択肢が浮かびました。

――「自由」と「責任」が伴う働き方が、飯田さんにとって大事なポイントだったのですね。

会社員時代も、より責任の重い仕事、決定権のある仕事をさせてもらえるとやり甲斐を感じていました。全ての決定権と責任を担う起業は、自分に合っているのではないかと思い至ったんです。

「好きなことを仕事にする」というより、働き方の選択肢の1つとして「起業」という働き方を選び、その中で、漠然と好きな食の仕事についた、という流れです。

まずは小さなことから。コツコツと発信してチャンスを掴む

――もともとは会社員をしていたところから、どうやってお菓子の事業を始めていったのですか?

開業資金を貯めていたわけではなかったので、先行投資が必要な店舗経営は選択肢にはありませんでした。幸い、大学時代にお菓子業界に関わっていた経験があったので、プロには全く敵わないけれど、お菓子作りの基礎知識とスキルはあった。そこで、なるべくお金をかけずに小さく始められる展開の仕方を考えて、お菓子教室と商品開発から小さく事業を始めました。

――なるほど、商品を作って売るのではなく、スキルやアイディアを提供するところからスタートしたと。

前職でマーケティングの部署にいたこともあり、メディア系に強い人たちとのつながりも多かったので、「みんなに話したらうまくきっかけを掴めるんじゃないか」と感じたのも大きかったです。

タレントさんを起用してるような事業部の方もいたので、なにか少しでもチャンスが舞い込めば、という気持ちで、お菓子を作っては会社に差し入れに行き、「お菓子の事業を始めようとしているんです」と挨拶して回りました。

――まだかたちになる前の段階から、コツコツと発信をしていったのですね。

最初はとにかく営業活動をしていましたね。まだ会社名もなにも決まっていない段階で、とにかく「お菓子教室を始めるから、習いたい人いるかな?」「商品開発、メニュー開発の仕事を探してる人いないかな?」と呼びかけながら自分の作ったお菓子を配り歩いていました。そうしたら、前職の関係者の方がカフェの商品開発の仕事を持ってきてくれたんです。

――早速チャンスが! 飯田さんが会社員時代にお仕事を一生懸命やっていたからこそ、退職後も応援してもらえたように感じます。

本当にありがたかったですね。そこでご紹介いただいたのが、東京の麻生十番で新規オープンする予定のカフェだったんです。麻生十番には大使館がいくつもあり、海外の方も多く暮らしているエリアなので、ヴィーガンやグルテンフリーに対する考え方が日本の中でも早くから根づいている地域でした。

実際にそのカフェに採用された店員さんの中にも、ヴィーガンの方がいて。そこで初めて、「そうか、卵・乳・小麦を使ってしまうと、ヴィーガンやグルテンフリーを選ぶ人たちは食べられないんだ」と気がついたんです。その頃、ちょうど食品アレルギーの問題も注目されていた頃だったので、そこからヴィーガン・グルテンフリーのお菓子を開発し始めました。

――たまたま掴んだ仕事のチャンスが、ヴィーガン・グルテンフリーの世界に踏み込むきっかけになったのですね。

そうなんです。メニュー開発を進める中で、感度を上げて周りの声を聞いていくと、「みんなと同じお菓子が食べられない」「楽しく美味しいお菓子が食べたい」という声が聞こえてきて。

ただ「美味しいお菓子」を作るのではなく、「悩んでいる人たちの課題を美味しいお菓子で解決する」方がいいんじゃないか、と自分の進むべき方向性が見えてきました。

・・・

インタビュー後編では、長野移住と、事業をかたちにしていくまでの過程や仲間の増やし方、これからの展望について聞きました。

・CoCoChouChouのホームページ

・CoCoChouChouのオンラインショップ

EVENT
2024.7.5

出張相談WEEK! @南信州・伊那谷

2024.7.5
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(投資/融資)を検討している

飯田エリア

伊那エリア

長野市と松本市に設置されている県の創業相談窓口「信州スタートアップステーション」が、地域の金融機関や支援機関の皆様と共に南信州・伊那谷にて3日間にわたる出張相談会を開催します!創業・起業に向けたご相談(ビジネスアイディアやビジネスモデルのブラッシュアップ等)や創業後の事業拡大に関するご相談(事業戦略やマーケティング計画等)など、起業・創業に関するどんな内容でもご相談をお受けいたします。また、当日は、相談窓口のみならず現地の支援機関の皆様とのコラボイベントも予定しておりますので、お気軽にお立ちよりください。

◆日程

DAY1:7/29 10:00〜 @エス・バード(飯田市)
DAY2:7/30 10:00〜@テンリュウ堂(飯田市)
DAY3:7/31 10:00〜@inadani sees(伊那市)

◆お申込方法

個別相談は事前予約制(相談無料)となっております。
以下の申込フォームにて、相談者様情報の記載及びご希望の日時等を選択してください。

https://forms.office.com/e/zsJsU78

※各コラボイベントは事前予約不要です。直接会場へお越しください。

(7/29のコラボイベントはオンライン開催となり、事前登録が必要です)

※以下のリンクからお申込みください

https://zoom.us/webinar/register/WN_zPMPRE84SlauPpJD3ziPcA

◆対象者

創業前から概ね創業後5年以内の方
既存企業の事業承継により創業する方及び新規事業に取り組む方

◆その他

詳細については、チラシをご覧ください。

ARTICLE
2024.7.5

まちなかパワーアップ空き店舗等活用事業補助金

主催:長野市商工労働課
募集期間:2024/07/04
2024.7.5
資金調達(投資/融資)を検討している

長野市

長野市中心市街地(長野・篠ノ井・松代)の空き店舗・空き家・空き倉庫等を賃借して出店する事業に対し、改修・改築費及び附帯設備の設置に要する経費を補助するもの。

補助率1/2 補助上限額30万円(ただし、市が指定する通り沿いへの出店に対しては50万円)

https://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/skr/87276.html

INFO
2024.7.3

大町市「空き店舗活用事業」補助金

主催:大町市地域振興部まちづくり産業化商業労政係
募集期間:2024/07/03〜2025/03/31
2024.7.3
とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(補助金/助成金)を検討している

大町市

この制度は、中心市街地の空き店舗を使用して開業しようとする方を支援し、商店街の活性化を図ろうとするものです。家賃補助と改修費補助があります。補助額は、家賃2分の1以内、限度月額10万円、12月、改修費は3分の1以内、限度額100万円。
要件等詳細は、大町市ホームページをご覧ください。

INFO
2024.7.3

大町市起業支援補助金

主催:大町市地域振興部まちづくり産業化商業労政係
募集期間:2024/07/03
2024.7.3
とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(補助金/助成金)を検討している

大町市

地域の活性化及び定住促進を図るため、個人が新たに起業するために要する経費に対し、補助金を交付します。本補助金をご活用いただく場合は、事業の採択決定後から着手する必要があります。また、審査には一定期間(2~3カ月)を要することをご承知おきください。補助対象は起業に必要不可欠な設備等、補助額は100万円程度(加算条件あり)。
詳細は、大町市ホームページをご覧ください。

EVENT
2024.7.2

【7/19-21】WE-Nagano Global Conference

主催:WE-Nagano
募集期間:2024/07/02〜2024/07/21
開催期間:2024/07/19〜
2024.7.2
イベント/セミナー/研修を探している

県内全エリア

女性的な視点から創造する「良い企業」「良い地域」

WE-Nagano(Women Entrepreneurs Nagano)は、
すべての人が「わたし」を創造的に生きることを応援する長野県立大学発のプロジェクトです。
すべての人が起業家精神を持ち、一人一人がイノベーションを生み出す「わたし」として、グローバルな視座と女性的な視点から地域について考え、国籍・性別・世代・分野などを超えて、共に未来をつくっていく3日間のグローバル・カンフェレンスを開催します。

1・2日目は、仏教・アート・ビジネス・アカデミアの多彩な分野のスピーカーによるセッション。
3日目は、2日間のセッションを通じて生まれてきた気持ちをアートを通じて表現し、未来に繋げていくワークショップの実施。

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◾️開催日・場所
   7月19日(金)   長野市芸術館 アクトスペース( 鶴賀緑町番地1613)
   7月20-21日(土)  長野県立大学(長野市三輪8-49-7):   
◾️お申し込み
   https://we-nagano-01.peatix.com/
   (一部、先着順/有料セッションがございますので、お申し込みをお願いします)

WE-Nagano HP:https://we-nagano.com/
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INFO
2024.7.2

長野県創業支援センター研究開発室の利用者を募集します

主催:長野県創業支援センター
募集期間:2024/07/01〜2024/08/16
2024.7.2
場所や施設を探している

県内全エリア

創業者等が行う研究開発などを支援する「長野県創業支援センター」(長野市、岡谷市、松本市)の研究開発室の新たな利用者(製造業又はソフトウェア業)を募集します。
研究開発に意欲的な創業者等の皆様の御応募をお待ちしています。
募集期間:令和6年7月1日(月)~令和6年8月16日(金)

EVENT
2024.7.1

信州・創業入門ゼミin中信

募集期間:2024/07/01〜2024/07/18
開催期間:2024/07/20 第1日目  2024/07/27 第2日目〜2024/07/27
2024.7.1
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい 資金調達(投資/融資)を検討している

県内全エリア

新規事業を成功に導くために必要な心構えや基礎知識を学び、様々な困難を乗り越えるための2日間の入門講座。専門家講師のもと、ディスカッションを重視したゼミナール形式の講義運営が特徴です。自分なりの事業計画書を書いた先はお近くの商工会・商工会議所の経営指導員が伴走して、計画の実行や各種支援施策の活用をサポートいたします。

ARTICLE
2024.6.28

「はたらく」を 小さく わたしらしく つくりだす 学生起業のすゝめ

主催:SSSW
2024.6.28
イベント/セミナー/研修を探している とりあえず事業の相談がしたい

県内全エリア

こんにちは〜!
SSSWのコーディネーターをしている合同会社キキの川向思季です。

長野県の女性の創業・起業支援(Shinshu Startup Station Women:SSSW)は、
2023年度から始まり、個別相談員/メンターとしても2年目となります。

合同会社キキは、「こうありたい日常を自らの手でつくり出す」を掲げ、
#暮らし #学び #はたらくをテーマに、仕組みを整える仕事をしています。
合同会社キキ自体、学生起業とこいうこともあり、
普段から若い世代の「やってみたい」の声を聞くことも多いです。

現在もメンバーの半分以上が社会人大学生や学部生、
立ち上げメンバーが20代前半女性ということもあり、
いろんな悩みを抱えながらいろんな人に助けられている日々です。
SSSWでは、同じ悩みを抱えた人に寄り添いつつ、
一緒に考えたり乗り越えたいと思い参画しています。

*

「起業」という言葉を聞くと、ビジネス色の強いエネルギッシュなイメージ
を持つ方も多いと思いますが、起業のあり方は多様化しています。

その中でも、自分の名前でお仕事をするフリーランス(個人事業を含む)は
働き方に自分らしさを求める若い世代や、様々なライフイベントを迎える女性に人気です。

私たちの会社も、創業メンバーの2人が会社を立ち上げる前は
それぞれ個人として、「はたらく」を小さくつくる練習を積み重ねていました。
学生の頃は、お金目的で始めた訳ではありませんでしたが、
続けていきたいという思いから、なんとなく月3〜5万円と考えていたと思います。

ロールモデルとなる、いいメンターと出会えたことが何よりのきっかけとなり、
企画の方法やコミュニケーションはもちろん、請求書の出し方まで、
初めは全て真似るところから始まり、今は自分のやり方を少しずつ確立しているところです。

学生起業に取り組む人もいろいろなパターンがあります。
学生時代に頑張り、その経験を活かし就職する人もいれば、
後輩に譲渡/継承するという人も。
卒業後もその事業で暮らしていく人もいます。

学生起業の大きなメリットは圧倒的に時間があることです。
そして学生という立場上、教えてくれる人が多いということです。
わからないことをわからないと言えることが、学ぶきっかけをつくります。
そして20代の学びはかけがえの無い財産となります。

もしかしたらその先に、一緒にやりたい人や、心地よい規模、
人生をかけて挑戦したい未来への希望とめぐり逢うのかもしれません。