大町市起業支援補助金
大町エリア
地域の活性化及び定住促進を図るため、個人の新たな起業に要する経費に対し、補助金を交付します。本補助金をご活用いただく場合は、事業の採択決定後から着手する必要があります、また、審査には、一定期間(2〜3か月)を要することをご承知おきください。補助対象は、起業に必要不可欠な設備等、補助額は100万円程度(加算条件あり)。
詳細は、大町市ホームページをご覧ください。
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事業の成長が子どもの未来に繋がると信じて。創業、移住、出産。挑戦を支えてくれた信濃町の余白【前編】先輩起業家インタビュー

起業する。会社を立ち上げる。「創業」と一口にいっても、そのあり方は人それぞれ。同じ選択や道筋は一つとしてありません。魅力的な先輩起業家が数多く活躍している長野県。SHINKIの先輩起業家インタビューでは、創業者の思いやビジョン、創業の体験談や、本音を掘り下げます。
「創業直後に思い切って東京から信濃町に移住したのは正解だったと思っています。起業をすると仕事とプライベートの境界がほぼなくなるので、夫婦関係や子育てがうまくいかないと事業もうまく回らなくなると思うんです。家族がいかに良い環境でストレスフリーでいられるかをベースに考えていけば、きっと事業もうまくいく」
そう語るのは、学校教員向けの英語学習ツール「TypeGO」を立ち上げた青波美智(あおなみ・みさと)さん。自身も元英語教員であり、米国カリフォルニアをはじめ海外で移民や現地の子どもたちに英語を教えた経験から、英語教員の負担と子どもの学びのハードルを下げることを目標に、楽しみながら英語学習に取り組めるシステムの開発・普及に取り組んでいます。
創業と同時に妊娠が発覚し、子育て環境を重視して東京から夫の地元である長野県信濃町に移住した青波さん。創業・移住・出産の3つを同時並行しながら、着実に事業を形にしていきました。現在はさらに家族が増え、事業も転換期を迎えています。
インタビュー前編では、自分自身の経験から生まれた事業の構想や、長野に移住してからのアクションをお聞きしました。
<お話を聞いた人>
株式会社Swell代表取締役 青波美智
1992年生まれ。立教大学異文化コミュニケーション学部卒。TESOL※、中学高校教諭一種免許状(英語)保持。米国カリフォルニアでメキシコ人移民に英語を教えた後、国連女性機関(UN Women)東ティモール、UNESCO-UNEVOCドイツで広報に従事。米系リサーチ会社Guidepointのシンガポール支部でリサーチャーを務め、2022年に株式会社Swellを創業。
※TESOL Certificate 英語教授法のプログラム
英語教員の負担と、子どもの学びのハードルを下げる英語学習ツールを開発
――まずは、「TypeGO」がどんなサービスか教えて下さい。

「TypeGO」は、英語教員向けに特化した”英語×タイピング”の学習ツールです。視覚・聴覚・触覚を刺激しながら、ゲーム感覚で英単語や英文をタイピングしていく仕組みになっています。
現在は全国約160校、16,000人以上の方に使っていただいていて、ユーザーの9割以上が公立の小中学校の英語教員です。学習指導要領の理念・方向性を踏まえて語彙や文章を設計しているので、先生方にとって導入しやすい設計にしています。
特徴的なのは、導入の多くが口コミによるものだということです。2024年秋にたった12人の先生と約500人の児童生徒から始まったβ版が、その後口コミだけで全国に広がって、2025年4月には100校・12,000人に到達しました。5月20日の正式リニューアル後は、わずか1か月で導入校数が40%増、ユーザー数も約17%増となっています。
――事業のアイデアはどこから生まれたのでしょうか。

一番の理由は、私が語学が好きで、言葉が好きだからです。
これまでアメリカ、シンガポール、ドイツ、東ティモールで暮らしたことがあり、そのほかにも何十カ国以上の国を旅をしてきました。これまで暮らしてきた国では、現地で雇用され、その国の言葉を話してお給料をもらい、人脈を築いてきました。その中で、だんだん言語を習得するコツがだんだん分かってきたんです。自分自身、英語教育の現場に携わってきた経験もあり、これを日本の学校現場に落とし込めたらいいなと思い「TypeGO」の構想が生まれました。
――今まで積み重ねてきた経験が形になったのですね。

今はAIの時代と言われていますし、通訳・翻訳ツールも発展しています。「わざわざ言語を学ばなくてもいいんじゃないか」という声もありますが、私はやっぱり言葉の持つ力は大きいと思っています。
シンガポールで働いていた時は、ベトナム、韓国、インドネシアなどいろんな国から人が集まっており、みんな共通言語である英語でコミュニケーションを取っていました。でも、例えばインドネシア人の同僚には“Apa kabar?(調子はどう?)”とほんのちょっとでも相手の言語を使って話しかけると一気に仲良くなれたんです。そうすると、日々のコミュニケーションがうまくいって、結果として仕事もうまくいく。
AIがどれだけ発達しても、相手の文化や言葉に寄り添うということは絶対になくならないし、なくなって欲しくないと思っています。なにより自分自身が、海外に行くことや何かに挑戦すること、言語を通じて新しい価値観に触れることが大好きなので、そんな挑戦を後押しするサービスが作りたいという思いがありました。
創業と同時に妊娠が発覚するも、「明日生まれるわけじゃない!」と走り続けた
――「創業する」という選択肢は、青波さんにとって身近なものだったのでしょうか。

「TypeGO」の構想が生まれた頃は、東京のマーケティング会社に勤めていたので、まずは社内の新規事業として立ち上げられないか上司に相談しました。「自社事業としては難しい」という反応だったため、それならば独立して自分でやろうと会社を立ち上げた形です。
もともと私は旅が好きだったので、語学に関する事業を立ち上げれば、海外旅行がすべて経費になるし、仕事につながるなと。今までもそんな生き方をしてきましたし、これからもそんな生き方をし続けたかった。いずれ子どもが欲しいと思っていたので、自由に働ける起業家という働き方は自分に合っているなと思っていました。
――創業とほぼ同時に妊娠が発覚し、長野に移住したと伺いました。

はい。当時はまだ東京で暮らしていて、台東区で登記が完了して2週間後、「さあ、ここからだ」という矢先に妊娠5ヶ月が発覚しました。「初創業・プロダクトなし・チームなし・キャッシュなし」の状態で、代表取締役(妊婦)という肩書きを背負うことになったわけです。
一瞬「おっと」と思いましたが、もともと子どもを望んでいましたし、「まあ明日生まれるわけじゃないしな」と事業は止めずに走り出すことに決めました。
もともと子どもが生まれたら自然豊かなところで育てたいと思っていたので、妊娠がわかってからすぐに夫の地元である長野の信濃町に移住しました。スタートアップをやるなら絶対東京のほうがいいと思っていたので迷いはありましたが、東京で出産をして子育てをするイメージが全く湧かなかったんです。
何事に対しても「新しいことは楽しい」という感覚がありましたし、東ティモールで暮らしていた時も、最初はお湯が出なかったり、ゴキブリやネズミと共存したりしていたくらいだったので、「移住したからってそこで人生を終えるわけじゃない。合わなかったら東京に帰ればいい」と移住を決めました。
――暮らしの環境を優先したのですね。

結論から言えば、思い切って信濃町に移住したのは正解だったと思っています。起業をすると仕事とプライベートの境界がほぼなくなるので、夫婦関係や子育てがうまく回っていかないと、事業もうまく回らなくなると思うんです。
仕事のことだけを考えて東京にいた場合、恐らく子育てでフラストレーションが溜まって、事業もうまくいかなかったんじゃないかなと。移住直後も思ったし、今でもそう思います。まず大前提として、子ども達にとっていかに良い環境でストレスフリーでいられるか。それをベースにしてプライベートを充実させれば、きっと事業もうまくいく。
特に女性の経営者の場合、妊娠するとなれば自分の体に約10ヶ月間子どもを宿すことになるし、出産の前後は動けません。妊娠・出産と仕事と切り離さずに、共存するしかないんですよね。だから、暮らしや子育ての負荷が低い環境の方が事業経営もしやすいと思います。
孤立を防ぎ、情報を掴むために長野の創業コミュニティに飛び込んだ

――移住後は、どうやって事業を形にしていったのでしょうか。
やりたいことはあれど資金がなかったため、まずはプロダクト開発の原資を捻出するためにメディアマーケティング支援の受託業を継続することにしました。
もう一つの生命線として、日本政策金融公庫の創業融資にも申し込みました。事業計画を引いてお金を借りる経験は人生で初めてで、計画書や試算表を提出できたのが出産の1ヶ月前。無事に長男が誕生し、面談を経て、最終的には公庫と地元の銀行による協調融資で1年走れるくらいの資金をお借りすることができました。
そこからは、初めての育児に奮闘しながら「TypeGO」の事業を形にするために走りました。
――まずは資金を貯めていったのですね。都市部での創業に比べて、壁を感じる場面はなかったのでしょうか。
信濃町は、子育て環境としてはとても良かったのですが、やはりふつうに暮らしていると周りの情報が全く入ってこなくて。東京にいた頃は、電車に乗るだけで広告やトレンドが入ってきますし、人との出会いもたくさんありました。スタートアップ支援や起業家のイベントも多い。一方信濃町は、むしろそういった情報に疲れた人たちが自然を移住してくるところなので、想像していた起業とはかけ離れた暮らしで。
「このままでは孤立してしまう!」と、長野県内の起業家コミュニティはないか探しました。そんな中で見つけたのが信州スタートアップステーションでした。表向きは「事業をスケールしたい」と相談に行きましたが、本音は「やばい、誰ともつながっていない」という焦りでしたね。
そこでアクセラレーションプログラム※1に採択していただき、2023年の夏〜秋はコーディネーターの森山さんと壁打ちを重ねました。特に、ターゲットセグメントをいくつも定め、それぞれの課題や事業インパクトを深掘りしていく工程は今までの受託目線とは使う脳の筋肉が異なり面白かったです。アクセラレーションプログラムの同期という形で創業者仲間も増え、刺激を受けたり学びを深めたりすることができました。
※1 「アクセラレーションプログラム」では、年に2回、公募により選定した企業等を対象に、数カ月間にわたりコーディネーター、メンターが起業家の様々な経営課題に対して短期集中型の伴走支援を行う。
インタビュー後編では、事業の成長と子育ての両立のコツ、これからの展望についてお聞きしました。
株式会社Swellのホームページ:https://swell-inc.com/
英語教員のための「TypeGO」公式note:https://note.com/typego
事業の成長が子どもの未来に繋がると信じて。創業、移住、出産。挑戦を支えてくれた信濃町の余白【後編】先輩起業家インタビュー

起業する。会社を立ち上げる。「創業」と一口にいっても、そのあり方は人それぞれ。同じ選択や道筋は一つとしてありません。魅力的な先輩起業家が数多く活躍している長野県。SHINKIの先輩起業家インタビューでは、創業者の思いやビジョン、創業の体験談や、本音を掘り下げます。
「創業初期は、『起業家としても母親としてもダメだ』と落ち込んでしまうことがたくさんありましたが、今では『自分が事業で成功することが何よりも子どものためになる』と思えるようになりました。『TypeGO』の事業を大きく成長させて子どもの将来に還元させることが、親として最大限出来ることだと信じて日々挑戦しています」
そう語るのは、学校教員向けの英語学習ツール「TypeGO」を立ち上げた青波美智(あおなみ・みさと)さん。自身も元英語教員であり、米国カリフォルニアなどで移民や現地の子どもたちに英語を教えた経験から、英語教員の負担と子どもの学びのハードルを下げることを目標に、楽しみながら英単語のタイピングに取り組めるシステムの開発・普及に取り組んでいます。
創業と同時に妊娠が発覚し、子育て環境を重視して東京から夫の地元である長野県信濃町に移住した青波さん。創業・移住・出産の3つを同時並行しながら、着実に事業を形にしていきました。現在はさらに家族が増え、事業も転換期を迎えています。
インタビュー後編では、子育てと事業のバランスの取り方、長野で創業したから得られた体験や、これからの展望についてお聞きしました。
<お話を聞いた人>
株式会社Swell代表取締役 青波美智
1992年生まれ。立教大学異文化コミュニケーション学部卒。TESOL※、中学高校教諭一種免許状(英語)保持。米国カリフォルニアでメキシコ人移民に英語を教えた後、国連女性機関(UN Women)東ティモール、UNESCO-UNEVOCドイツで広報に従事。米系リサーチ会社Guidepointのシンガポール支部でリサーチャーを務め、2022年に株式会社Swellを創業。
迷走を経た原点回帰。英語教員向けの事業として再起動
――インタビュー前半では、創業や移住直後のお話をお聞きしました。妊娠中や出産直後も、資金調達やアクセラレーションプログラムの参加などアクティブに動き続けてきたのですね

とはいえ、アクセラレーションプログラムに参加した時点での「TypeGO」の構想は、「言葉をもっと自由に、世界を旅するゲーム」。対象は英語中上級者の大人、つまり To Cのビジネスモデルを考えており、「この事業で誰のどんな課題をどう解決するのか」という核心はまだ曖昧でした。
にも関わらず、私は「走れば形になる」と信じてしまったんです。開発が先行し、To C向けのアルファ版を無料公開してからは、「誰に届けたいのか」は置き去りなままにデザインや機能の微調整といった延命的な改善を重ねていました。
――立ち止まるきっかけはあったのでしょうか。
いくつか転機がありました。まず、2024年初頭に業務委託で依頼していたエンジニアが本業で忙しくなるということで新たな採用が必要となったんです。
そこで、英語のみの採用で世界中からエンジニアを募集しました。多くの人が「TypeGO」に可能性を見出して手を挙げてくれた中に、現在の開発パートナーであるインドのチームがいました。技術面でも申し分ないだけでなく、単なる外注先としてではなくプロダクトの未来を一緒に描こうとしてくれる相手だと感じられました。
インドチームとの開発が本格化すると、プロダクトは一気に進化しました。ですが、「TypeGO」のユーザーは一向に増えない。その間も、会社の口座からはどんどんお金が出ていきます。

そこで、一度事業の方向性を見極めるために開発を完全にストップする決断をしたんです。英語教員、企業家仲間、先輩起業家など数えきれないくらいの人と話をしました。そこで、ひとりのユーザーとの会話で転機が訪れたんです。
彼は中学校の英語教師で、「これ、学校で使えたらすごく助かります。生徒たち、タイピングが全然できないんですよ。英語でタイピングを教えるって難しいけど、これなら楽しんでやってくれるかもしれない」と言ってくれました。
その言葉を聞いた瞬間、ハッとしたんです。私は大学時代は英語教員を目指して勉強していましたし、実際にカリフォルニアで英語を教えていた経験もあります。「私、もともと英語教育が好きだったじゃん」という原点を思い出したんです。
――現在の「TypeGO」の英語教員向けのビジネスモデルは、悩みに悩んだ先にあったのですね。
新しい方向性が見えてからは、まずは現役の英語教員の方々にヒアリングを行い、今の教育現場の解像度を高めました。また、「先生向けのプロダクトをつくるなら、先生がチームにいた方がいい」と思い、X(旧Twitter)などを通じて何人かの英語教員に声をかける中で、英語授業・働き方改革に関する情報発信を行う江澤隆輔先生と出会うことができました。
立ち止まってからおよそ3ヶ月で、「TypeGO」は、学校教育向けのプロダクトとしてピボットを完了させました。2024年の9月にベータ版を公開し、11月には英語教員向けの小さなオンラインセミナーを開催しました。参加者は12名でしたが、その12人が受け持つ生徒約500人が一気に「TypeGO」ユーザーとなり、そこからその後口コミだけで「TypeGO」が全国に広がって行きました。

そして、5月20日の正式リニューアルを経て、現在は160校・16,000人を突破しています。たった1か月で導入校数は40%増、ユーザー数も約17%増に。この数字の裏には、現場の先生方が実際に使ってくれて、同僚や、次の学校に紹介してくれたという確かな手応えがあります。
すべてを包み込んでくれる信濃町の自然と余白

――プライベートの面では、新生児の養子を受け入れ、さらに第3子もご出産されていますね。事業と子育てはどのように両立されていますか?
最初の妊娠期間や長男が生まれたばかりの頃は、まだ「TypeGO」が形になっていなかったので、「起業家としてもダメだし母親としてもダメ」というマインドになって泣いてしまうこともありました。
「妊娠していなければもっとできるのに」と落ち込んだり、打ち合わせ中に子どもが泣き出して「すみません、リスケで」と謝り倒したり。でも今は、子育てと仕事の共存のさせ方がわかってきた気がします。
――共存のコツを教えて下さい。
一番ダメなのは、「子育てもやらなきゃ、仕事もやらなきゃ」と同時並行してしまうこと。「起業家としての自分」と「家族の中にいる自分」をちゃんと分けて、メリハリをつけることが大切です。
以前の私は、打ち合わせ中に子どもが泣き出すと、「ごめんね」と内心謝りながら打ち合わせをし、終わったらミルクを与えながら「うわあ、まだ仕事が残っているのにな」と考えてしまっていました。脳を切り替えられていない状態だから、どちらに対しても罪悪感が発生してしまうんですね。
最近は、「仕事よりも子ども優先」というスタンスを持ちつつ、「子どもを優先するためにはお金が必要だし、自分が事業で成功することが何よりも子どもへ還元できるものだ」と思えるようになりました。
実際に、信濃町の学校現場でも「TypeGO」が導入されました。子どもたちが通学するようになるまで、継続して活用してもらえるようによりよいプロダクトにしていきたい。自分が事業で成功した暁には、子供たちの未来にその恩恵を与えられる。それが自分が親として最大限出来ることだと信じて、今は事業に挑戦しています。
――世の中の「母親像」や「経営者像」に左右されず、自分でバランスを取っていくことが大切なんですね。
逆に、潔く自分の時間を子どもたちに譲ることもあります。子どもたちが「遊んで」と泣き出したら、どれだけ「今この資料をやっているのに……」と思っても、「分かった。これからの30分間は君たちに渡します」と自分の中で決めて、PCも閉じて携帯も置いて、一緒に絵本を読んだりお散歩したり。そうすると、大抵15分くらいで機嫌が良くなるんです。
そうして子どもたちの笑顔を見て、「私は大丈夫、母親として100点!」という状態を作ってから、もう1回仕事に戻る。そうやって、気持ちのメリハリをつけるだけで全然違います。でも、これを東京でやろうとしたら無理だったと思います。
――メリハリをつける上で、信濃町という環境はやはり大きいですか。

はい。昨年、それを強く実感した瞬間があって。長男が生まれ、新生児の養子を受け入れて、第三子を妊娠してつわりがひどい時期があったんです。もう毎日バッタバタの地獄絵図で。ある朝、長男が着替えをイヤがって走り回るのを追いかけていたら、長男が転んで床に置いてあったコップの水が全部こぼれたんです。
そこに、窓から朝日が差し込んできて水面にキラキラと反射して。次男は泣いていて、自分も吐き気でしんどいし、保育園の送迎時間がギリギリ。それなのに、「あ、きれいだな」と思った自分がいたんです。こんなカオスな状態でも、長男を叱るんじゃなくて、「きれいだな」と心が動く余裕があるんだ、と。その時に、「あぁ移住してきて良かった」と思いました。
どれだけ仕事で行き詰まっても、ここならちょっと顔を上げれば山が見える。子どもが泣き出したら、パッとお外にお散歩に行ける。走り回ったり大声を出しても何しても周りを気にしなくて良い。気持ちに余裕があるんです。そういう意味で、妊娠・出産・育児をしながら起業をするなら長野はすごくおすすめです。
言語習得のハードルをぐっと下げ、みんなが異文化を許容できる社会に

――これからの展望を教えてください。
まずはどんどん学校教育の中に「TypeGO」を浸透させていって、子どもたちにとっての言葉を学ぶことへの心理的ハードルと、先生たちの負荷をもっと下げていきたい。その先で、さらには世界中の子供たちや大人が言語を習得するハードルをぐっと下げ、みんなが異文化を許容できる社会にしていきたいです。
今後具体的に目指していきたいのは、言語を学んだ成果がちゃんと得られる仕組みを作ること。ゆくゆくは、「TypeGO」のスコアがそのまま語学の資格になるようにしたいんです。英検やTOEICのような既存の語学の試験は、わざわざ試験を受けに行かないといけませんし、受けてから数年が経ってしまえば「今」の英語力は測れない。「TypeGO」なら、日々遊んでいるだけで英語力だけでなくパソコンの実務スキルも測れるので、大学受験や就職における効果的な指標になるはずです。
ユーザーのデータを見てみると、面白いことに学校の偏差値と「TypeGO」のスコアは比例していないんです。どんなに偏差値が低い学校でも、「TypeGO」では全国的に高いレベルにいる子どもたちがたくさんいる。「TypeGO」のスコアを資格化し、全国的な評価基準にすることで、頑張っている子どもたちに奨学金を与えたり、海外研修をサポートしてあげたり、教育格差を埋めるような支援もしていけたらと思っています。
――最後に、長野県で創業を考えている方にメッセージをお願いします。
「妥協しないでやってみて!」とお伝えしたいです。仕事と育児の両立の話をすると、私は「両方ともやるしかない!」という感じでやってきました。イヤイヤやったのではなく、両方とも楽しかった。
それでも、やっぱり諦めそうになる瞬間は出てきます。そんな時は、目の前の小さいことを見るんじゃなくて、自分の人生全体を捉えて考えるようにしてきました。行き詰まったと思ったら、ちょっと引きで自分を見て、「これ、まだやってないじゃん!」「これをしたらどうなるんだろう?」と塗り絵を埋めていく感覚でチャレンジしてみる。
そもそも、「仕事と家庭のどちらかを選ばなければいけない」「どちらかの割合を減らさなければ両立できない」というわけではないと思うんです。両方とも100%やればいい。「もうやめたいな」と思うことがあっても、メリハリを付けて全部やってみて欲しいです。

株式会社Swellのホームページ:https://swell-inc.com/
英語教員のための「TypeGO」公式note:https://note.com/typego
創業セミナーin長野 税金と資金調達のいろは ー安心してビジネスをはじめるためにー
県内全エリア

関東信越税理士会、日本政策金融公庫共催の創業セミナーです。
日時:2025年10月1日(水)14:00~15:30
会場:JA長野ビル12B会議室(12階)
住所:〒380-0826
長野市大字南長野北石堂町1177番地3
対象:創業を検討されている方 創業間もない方
定員:リアル会場 30名 オンライン30名(※オンラインは第2部まで)
お申込み方法:別添チラシの二次元コードからお願いします
セミナー内容
【第1部】経営に関する税金知識 講師 エイワ税理士法人 佐藤英介税理士
【第2部】創業計画書の作り方 講師 日本政策金融公庫 長野支店 融資課長 奥間
【個別相談会】セミナー終了後実施します。税金や資金繰り等のお悩みがあれば、奮ってご相談ください。(事前予約制)
※申込締切日:好評につき、9/24(水)→9/29(月)17時まで延長しております
詳細リンク
Meet Up In NAGANO~自分らしい起業ストーリー~
県内全エリア

関東経済産業局では、令和7年度ユニコーン創出支援事業(女性アントレプレナーのための地域密着型支援事業)」の一環として、10月2日(木)に長野県立大学を舞台に、GIRAFFES JAPAN 『Meet Up In NAGANO ~自分らしい起業ストーリー~』を開催します!本イベントでは、来年2月2日に開催するビジネスプラン発表会「RED TOKYO」のエントリー、支援機関の参画等事業概要についてご紹介しつつ、地域とともに社会課題の解決に挑む女性起業家のトークセッションを行います。 トークセッションは、女性起業家それぞれの起業ストーリーによって一歩進む勇気がもらえる内容になっておりますので、すでに起業されている方はもちろん、起業にハードルを感じている方もぜひご参加ください!
【本イベントに参加すると・・・】
・各地域の支援機関や同じ志を持つ女性起業家と繋がるなど人脈やネットワークが広がります!
・女性起業家と支援機関のマッチングイベント「RED TOKYO」エントリーについても詳しく解説!
なお、RED TOKYOにエントリーいただいた場合は・・・
エントリーの際は、地域代表機関が事業計画の策定についてお手伝いします!
RED TOKYOのセミファイナリスト・ファイナリストに選出されると、事業計画のブラッシュアップに繋がるメンタリングが受けられます!
〇詳細情報及び申し込みサイト: https://suits.media/giraffes/event/13509
○日 時:令和7年10月2日(木) 15:00~17:00
○会 場: 長野県立大学 三輪キャンパス ラーニングホール(長野県長野市三輪8-49-7)
【トークセッション登壇者】(登壇者氏名 50音順)
・三浦梓氏(株式会社駐妻キャリアnet 代表取締役)
・やまざきひとみ氏(Ms.Engineer株式会社 代表取締役CEO)
・渡邉さやか氏(長野県立大学 准教授)
詳細リンク
ソーシャルビジネスセミナー ~地域課題解決に向けた事業展開~
県内全エリア
● 概要
社会課題の解決と事業の成長を両立させる「ソーシャルビジネス」。
本セミナーでは、農業や就労支援といった分野で活躍する3名の実践者が
取り組みを紹介します。第2部では、テーマごとの分科会に分かれ、
参加者からの質問を基にテーマをさらに深掘ります。創業を目指す方も、
事業拡大を考える方も、一歩を踏み出すヒントが見つかるセミナーです。
● 対象者
・ソーシャルビジネス分野で創業をお考えの方
・地域貢献につながる事業を拡大させたい方
・NPO法人など社会的事業を営む方
・地域貢献につながる事業を営む方
● 開催情報
・日時 10/22(水)13時30分~15時30分
・プログラム
13:30 開会あいさつ
13:35(第一部)講師事例発表
荒井 克人 氏 ㈱ラポーザ
永井 佐千子 氏 一般社団法人世界マザーサロン
田中 浩二 氏 NPO法人あぐり奈川
14:40(第二部)分科会(講師への質問タイム)
15:20 各種ご案内 ソーシャルビジネスサポートながの構成機関からのご案内
15:30 閉会あいさつ
・場所 オンライン開催(ZOOM)
・定員 50名
● 申し込みはこちら(先着順)
令和7年度 M&A活用セミナー~M&Aを経験した当事者が語る!~
県内全エリア

本セミナーでは、実際にM&Aを経験した「売り手」と「買い手」が登壇し、それぞれの本音を語ることで、参加者の皆さまのM&Aに対する理解を深め、抵抗感を払拭することを目指します。
経営資源を引継ぎ創業を目指す方、M&Aによるイグジットを検討されているスタートアップの皆様をはじめ、多くの皆様の参加をお待ちしております。
● 開催情報
・日時、会場 令和7年10月2日(木)13:30~15:30
ホテル信濃路(長野市中御所岡田町131-4)
令和7年10月29日(水)13:30~15:30
アルピコプラザホテル(松本市深志1-3-21)
・定員 各会場60名
・内容 演題「M&Aの期待される効果と現状」(長野、松本会場共通)
講師:中小企業診断士 藤巻 雄司 氏
パネルディスカッション・登壇者:
≪長野会場≫ 長野テクトロン株式会社 代表取締役 柳澤 由英 氏
株式会社マスターマインド 代表取締役 小沢 啓祐 氏
≪松本会場≫ 有限会社テヅカ精機 代表取締役 手塚 良太 氏
株式会社田中電子 専務取締役 市川 武彦 氏
・参加費 無料
● 申込方法 こちらからお申し込みください
第4期小商い講座 in IIZUNA
中野市
飯山市
山ノ内町
長野市
千曲市
小布施町
高山村
信濃町
飯綱町


●小商い講座とは
自分の「好き」から始める小さな仕事づくり。自分ならではのアイデア、仕事・趣味・子育ての経験を全部活かして、自分も家族も地域も幸せになる新しい働き方のお誘いです。
等身大の自分でOK!仲間と一緒に、今やれることを、この町から「小商い講座」で一歩踏み出してみませんか?
\こんな方にオススメ/
・地域にいいことをしてみたい
・特技や趣味を生かして役に立ちたい
・応援し合える仲間が欲しい
・家族も自分も大事にしたい
・いつかは「好き」を仕事にしたい
●講座詳細
【日時】
第1回 2025年10月22日(水)10:00~16:00 自分を再発見
第2回 2025年11月12日(水)10:00~16:00 ビジネスアイデアを生み出そう
第3回 2025年12月17日(水)10:00~16:00 ビジネスモデルを作ろう!
第4回 2026年1月21日(水)10:00~16:00 体験型イベントを企画しよう
第5回 2026年3月8日(日)10:00~15:00 マルシェ出店
第6回 2026年3月11日(水)10:00~13:00 修了式
【定員】8人
【対象】全6回のプログラムに参加できる方(町内・町外在住は問いません)
※単発講座のみの受講はできません
※講座以外の日程で、ミーティングや個別面談を実施します
【参加費】15,000円(ツクリバ会員)
※講座初回にツクリバ会員登録が可能です
【会場】 いいづなコネクトEAST 飯綱町大字赤塩2489
●無料体験ワークショップ
小商い講座に興味のある方は、無料体験ワークショップにご参加ください。本講座に先立ち、講座の内容や魅力をお伝えするとともに、実際の講座の雰囲気を体験いただけます。
●申し込みはこちらから https://forms.gle/GUCmVKbiKG7NzDPL6
詳細リンク
Swish! Startup Camp

経営者、起業家、投資家、事業会社(事業開発/CVC)等を対象とする
長野県軽井沢町発スタートアップキャンプを開催します!
●日程
2025年10月18日(土)〜19日(日)
●会場
ライジングフィールド軽井沢(長野県軽井沢町)
●開催内容
- 各種アクティビティ
- 国内トップリーダーによるダイアログ
- 参加者同士の事前マッチング面談
- 交流イベント
- リトリート・経営合宿プラン
令和7年度フードテックビジネスコンテスト
農林水産省が運営するフードテック官民協議会では、日本発のフードテックビジネスの育成及びフードテックビジネスの認知度向上に繋げることを目指し、フードテックビジネスコンテストを令和6年度に引き続き開催いたします。本コンテストでは学生や個人の方から、スタートアップ・中小企業等様々な方からの応募を募集いたします。
●募集期間:2025年10月1日(水)9:00 ~ 11月30日(日)24:00
●募集対象:個人(学生含む)から団体企業まで応募対象制限はございません。
●事業化への支援:本選出場者・受賞者にはそれぞれの事業化を後押しする特典を予定しています。
●応募費用:無(但し、応募にかかる費用については、応募者の負担となります)
●応募方法:募集開始のタイミングでオープンするエントリーフォームより必要情報を入力し、応募プラ ン概要を添付の上、お申込みください。
詳細リンク

創業支援事業補助金
伊那市
◆市内で新たに事業所を設置し、3年以上継続する意思のある方を対象に、事業所の新築費・購入費・内装または設備工事費、及び地代家賃について補助します。
◆補助率は補助対象経費の3分の2以内、補助上限は30万円。ただし、加算要件に該当する場合には、補助上限が最大100万円まで引き上げられます。
◆その他詳しい内容につきましては、伊那市公式HPをご覧ください。
詳細リンク
IPOの選択肢~名古屋証券取引所での上場について~ セミナー

国内の上場市場におきまして、長野県企業にとっても上場の選択肢となる名古屋証券取引所様をお招きし、県内スタートアップ企業の皆様へ上場に関する貴重な情報をご提供させて頂きます。
現在上場を目指されている起業家の皆さま、将来的な選択肢として検討されている皆さまは是非ともご参加いただき、成長の糧としてご活用いただけますと幸いです。
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