創業をもっと身近に。コーディネーターに聞く、「信州スタートアップステーションnagano」でできること<前編>
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長野県を「日本一創業しやすい県にする」ことを目指し創設された創業支援拠点「信州スタートアップステーション」。長野県での創業を考えている人であれば、誰でも無料で利用することができます。
「創業支援って、実際どんなサポートをしてもらえるの?」
「しっかりとした事業計画がないとだめ?」
「自分でも大丈夫かな?」
そんな疑問に答えるため、長野市にあるSSS拠点「信州スタートアップステーション nagano 」を訪れ、SSSはどんな場所なのか、どんな支援が受けられるのか、どうやって利用したらいいかを、主任コーディネーターの森山祐樹(もりやまゆうき)さんに聞きました。
<お話を聞いた人>
信州スタートアップステーション主任コーディネーター 森山祐樹(もりやまゆうき)さん
令和2〜5年度のSSS主任コーディネーターとして県内に豊富なネットワークを持つ。これまで担当した創業相談は延べ1000件以上と、幅広い業種に精通。
「創業」は、自分らしく生きるための一つの選択肢
ーー信州スタートアップステーション(以下SSS)について教えてください。
SSSは、長野県が設置する、県内で創業に向けて一歩踏み出そうとする人たちを支援するための創業支援拠点です。創業を考えている人と、金融機関や商工団体など県内の創業支援に携わる機関、そして先輩起業家との交流や連携を生むことで、県内経済を担う次世代産業の創出を目指しています。
また、新規創業に限らず、既存企業の事業承継により創業する方や、新規事業に取り組む方もサポートしています。将来的には、SSSを通じて創業・事業成長を経た起業家、新規事業者が、SSSの活動を支援し、さらに県内での創業・新規事業がしやすくなるといった好循環が生み出されていくエコシステムを形成していきたいと考えています。
ーー長野県で創業する人が増えることを目指しているのですね。
はい。長野県は、「日本一創業しやすい県」を目指しています。「創業」と聞くとハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、SSSでは、「創業する」ということは、自分らしく生きるため、また社会に貢献するための一つの選択肢だと捉えています。
そのため、SSSでは、「どんどん創業しましょう!」ですとか、「支援してあげますよ」という姿勢ではなく、まずは「やってみたいことがある」という人の話をきいて、「あなたのやりたいことを叶えるには、こういう選択肢がありますよ」、「どんな事業の形にしたらうまくいくかな?」と、一緒に考え、適切な支援につなげる伴走をしていきます。
ーーSSSの拠点はどこにありますか?
松本市と長野市に一つずつ拠点があります。
まず、信州スタートアップステーションmatsumotoは、松本市のICT拠点施設「サザンガク」(一財)内にあります。「サザンガク」は、松本ものづくり産業支援センターが設置するICT拠点施設で、「テレワーク」「コワーキング」「サテライト」の三つの機能があります。
信州スタートアップステーションmatsumoto
〒390-0874 長野県松本市大手3丁目3番9号 NTT東日本大名町ビル1F ICT拠点施設(サザンガク内))
また、「信州スタートアップステーションnagano」は一般社団法人長野ITコラボレーションプラットフォーム(NICOLLAP)内にあります。NICOLLAPは、長野市を中心とした北信地区を、ITを活用した新規事業にチャレンジする事業者とその支援者が集まる魅力ある地域にし、新しい産業を生みだすことを目的とした団体です。
平日10:00〜19:00は、SSSコーディネーターや、NICOLLAPのスタッフが常駐しています。
信州スタートアップステーションnagano
〒380-0833 長野県長野市鶴賀権堂町2312−1(シソーラス株式会社内)
気軽に参加できるセミナーから中長期的な伴走プログラムまで、創業段階に合わせた幅広い支援を
ーーSSSでは、具体的にはどんな活動を行っているのですか?
「スタートアップセッション」、「スタートアップサタデー」、「アクセラレーションプログラム」の4つの活動があります。
まず、「スタートアップセッション」では、月に2回、先輩起業家や支援家によるセミナーを企画しています。参加者が、インプットだけでなくアウトプットまで行えることが特徴です。
セミナーでは、先輩起業家からの創業時のアドバイス、新規事業立上げ時のアドバイスや成功事例紹介、事業アイデア発想のヒント・フレームワーク活用方法、ビジネスモデルの組み立て方・磨き方を学ぶことができます。
長野県内で活躍する事業者をゲストに、創業や経営のヒントになるセミナーを随時開催。
「スタートアップサタデー」はコーディネーターや外部講師等が、ワークショップ形式でアイデアの種からビジネスプランを作り上げる過程を1日の中で伴走支援するプログラムです。
「アクセラレーションプログラム」では、年に2回、公募により選定した企業等を対象に、数カ月間にわたりコーディネーター、メンターが起業家の様々な経営課題に対して短期集中型の伴走支援をします。
まだ形になっていないアイディアを事業の形にしていくところからサポート
ーー気軽に参加できるセミナーから中長期的な伴走プログラムまで、幅広い取り組みがあるのですね。
「SSS nagano」で相談者と話す森山さん。オンラインでの個別面談も受け付けている
また、「個別相談」も常時受け付けています。「個別相談」では、コンサルタント、中小企業診断士、会計士等の経験豊富なコーディネーターが、相談者の創業・新規事業に関する相談対応を行い、アイデアの事業化を支援します。
ーー「個別相談」というのは、どの段階から相談にのってもらえるのでしょうか?
「創業の相談」と聞くと、「事業計画を立てていないといけないのかな?」と身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ形になっていないアイディアの段階でも、気軽に相談に来ていただきたいです。
たとえば、「好きなことを仕事にしてみたい」、「定年退職をして時間に余裕ができたら、自分の趣味を事業化できないかな?」、「こんなサービスがあれば、もっと世の中が便利になるのに」といった思いや気づきが創業につながることがあります。
ーー具体的なアイディアが固まっていなくても、話を聞いてもらえるのですね。
もちろんです。自分の気持ちを誰かに話してみることで、考えが整理されて、具体的なイメージが生まれることがありますよね。友人や家族に話してみるのももちろん一つの手ですが、SSSにはコンサルタントや中小企業診断士といったさまざまな専門家が揃っているので、お話を聞きながら一緒に「アイディア」を固め、「事業」という形にしていくサポートができます。
逆に、すでに起業をした方からの、「起業はしたものの軌道に乗っていない」、「もっと事業を成長させたい!」といった相談も受け付けています。まずは一度、お気軽にご相談ください。
ーー相談や、セミナー等の参加には費用がかかりますか?
長野県内での起業、ビジネスの展開を考えている方であれば、一切費用はかかりません(※1時間/回が目安)。
相談回数の制限もありませんので、年に数回から、毎月・毎週でも、ご自身のペースに合わせてご利用いただけます。コーディネーターの常駐スケジュールは、SSSのHP、もしくはfacebook、instagramをご確認ください。
「SSS Nagano」では、市で行われるイベントの案内やフリーペーパー等も入手できるため、情報収集にも
ーー初めて相談に行く場合は、どうしたらいいですか?
原則事前予約をお願いしています。メール(shinshuss@tohmatsu.co.jp)、電話(070-4548-2758)、もしくはfacebook、instagramのメッセージから、氏名、相談内容、希望日時、連絡先、起業状況、ご住所(市町村)をお知らせください。
まずはお気軽にご相談ください。お待ちしています!
・・・
インタビュー後編では、個別相談から創業まで伴走した事例や、コーディネーターとして長年創業支援を行ってきた森山さんから見た、成功する創業者の共通点を聞いていきます。
信州アクセラレーションプログラムの支援対象企業を募集します!!
県内全エリア
長野県では、次世代産業を担う企業の創出を図るため、創業後間もない企業や第二創業期の企業を対象に短期間のアクセラレーションプログラム(集中的伴走支援)を行います。
短期間で大きな成長を望む起業家の皆様、是非ともご応募ください!!
■支援内容
支援対象企業に対し、以下の支援プログラムを提供します。
・ 月2~3回程度、面談支援/研修など(オンライン含む)
・ 月1回程度の外部メンターによるメンタリング(企業・VC・メディア・
専門家・先輩起業家・その他創業支援機関)
・ 成果報告会でのプレゼンテーション及びマッチング機会の提供
■応募資格
(1)創業者・経営者ご自身が起業家であること。
(2)長野県内に本社または主要な拠点を置く企業等であること。
(3)創業後概ね5年以内であること。
(第二創業や既存企業の新規事業も対象)
(4)有望なアイデアや戦略、またはアイデアの種を持つこと。
https://www.pref.nagano.lg.jp/…/sogyo/acceleration.html
■募集期間
令和6年6月9日 (日)締切り
※6月中に書類審査及び面談審査を実施し、支援対象企業等を決定します。
■応募方法
長野県公式HPの応募書類をダウンロードの上、下記の信州スタートアップステーション運営事務局メールアドレスまで必要書類を提出ください。お問い合わせ等は、メール・Facebookでご連絡ください。
https://www.pref.nagano.lg.jp/keieishien/sangyo/shokogyo/sogyo/acceleration.html
有限責任監査法人トーマツ 長野事務所
メール:shinshuss@tohmatsu.co.jp
NIX(ニックス) -Nagano Infotech Crossing-
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長野県内外の製造、観光、金融、農林水産業など、さまざまな業種や業務の課題を解決をするために、長野県内のIT事業者が持つIoTやAIなどの「デジタル技術」を用いたソリューションやサービス開発と企業の課題をマッチングすることで、経営課題解決までの支援を行います。
創業支援
松本市
当所では松本地域で創業を目指す方に対して、「まつもとチャレンジ起業相談室」を設置し、経営指導員による創業計画書作成支援、資金調達の相談、補助制度活用支援を実施しております。新規創業に向けて心構えから準備の進め方、マーケティングの考え方、ビジネスコンセプトの立て方、収支計画の立て方、資金計画の立て方など創業に向けたご相談を随時受付けておりますので、お問合せ下さい。
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信州リゾートテレワーク
県内全エリア
普段の職場や居住地から離れ、信州ならではの魅力に触れながら仕事をする新たなライフスタイルとして「信州リゾートテレワーク」を推進しています。
県内各地に存在するハブとなるクリエイティブな人材との出会いが、県内地域の人や企業とのつながりを生み、新たなビジネスにつながるヒントや出会いが生まれることが期待できます。
詳細リンク
SSSコラム②:マーケティング(ターゲット設定)
県内全エリア
担当:森山祐樹(SSSコーディネーター、長野県立大学非常勤講師)
SSSのご相談の中で多くの割合を占めるのが、マーケティングに関する事柄です。
その中でも、ターゲット設定に関する支援はSSSの中でも重要なテーマですので、ご参考までにご紹介させていただきます。
まず、よく聞く「マーケティング」とはなんでしょうか?
なにか華やかなイメージを持つ方もおおくいらっしゃるのではないでしょうか。
マーケティングの定義は色々ありますが、本日はフィリップ・コトラーさんの定義を取り上げてみたいと思います。
マーケティングとは、「ニーズに応えて利益を上げること」
つまり、どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること、と定義されています。
これを順番に分解していくと、
①ターゲット市場の選択(+ニーズの把握)
②価値創造(開発、生産)
③顧客提供(情報伝達→物理的提供)
④利益確保(コストを上回る価格設定)
上記の中で、相談を受ける多くのケースは①のターゲット市場の選択です。
起業家または起業を志す方々は、ご自身のやりたいもの(こと)、提供したい商品・サービスを特定していることは非常に多いです。しかしながら、ターゲットを明確に定めていないケースもまた非常に多いのです。(例:全ての人に利用しやすい●●を提供します等)
しかしながら、全ての人に利用されるものは、耳あたりの良い響きではありますが、おそらく全ての利用者にとって、満足するものではありません。頑張っても「なんとか使えるもの」程度です。(例:雪山、夏山、日常、マラソン、短距離走等、全てに使える靴をイメージしてみてください。おそらく全てにおいて中途半端な機能になり、そのくせ価格は高くなるでしょう)これはどのようなビジネスにおいても同様です。
そもそも、ターゲット(含市場)が決まらなければ、そのニーズの特定もできず、その結果、どのような商品・サービスを提供すればよいかがわからなくなってしまいます。起業家がやりたいこと(もの)を提供しても、ターゲット市場の選択とそのニーズ把握なしのビジネスは、非常に打率が悪くなることが想定されます。
起業家の皆様には、是非ともご自身のビジネスが対象とするターゲット(含市場)を明確に定めていただき、そこに整合するような刺さる商品・サービスを是非とも作り上げていただければと思います。
SSSでもそのためのディスカッションや、マーケティング視点のアドバイスをさせていただきますので、是非ともご活用ください。
サザンガク
松本エリア
「サザンガク」は、オフィス環境を共有し、作業場をシェアできる「コワーキングスペース」、本社を中心に衛星のごとく存在する「サテライトオフィス」、人材と企業をテレワークで繋ぐ「テレワークオフィス」3つの機能を併せ持つ施設です。
信州スタートアップステーションや、長野県よろず支援拠点の職員が常駐しており、起業・創業の相談も可能です。
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イノベーションにつながるネットワーク促進
県内全エリア
CSIや各地域に常駐する地域コーディネーターを相談窓口に、本学教員や先進的な取組を行う社会起業家や企業、行政機関、地域などとの接点を見つけ、CSIは黒子役として、皆さんを結びつけるコーディネートを行います。 また、地域におけるソーシャル・イノベーションの担い手を養成するため、地域での起業塾開催を支援し、地域住民や学生が参加できる公開講座を実施しています。
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事業者などへのオープン・イノベーション支援
県内全エリア
大学内外の多様な人や知的資源、地域や企業など、多様な人々が絡み合う「オープン・イノベーション」を基本とし、社会の新しい変化「ソーシャル・イノベーション」を促進します。 県内外のイノベーターやプロフェッショナルと、学生や教員、企業、行政機関、地域などを相互に結び、社会的課題を解決するための新しい仕組みやサービス、商品などの開発を促進します。
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エキスパートバンク制度
県内全エリア
地域の商工会・商工会議所などを相談窓口として、相談者(小規模事業者等)の内容に応じて、専門知識を有する専門家(エキスパート)を派遣し、具体的、実践的で適切な指導・助言を行うことを目的とするものです。
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”起業家魂を信州から世界へ”信州ベンチャーサミットを開催しました
飯山エリア
長野エリア
大町エリア
松本エリア
木曽エリア
飯田エリア
伊那エリア
諏訪エリア
上田エリア
軽井沢町
長野県では、創業しやすい環境づくりを推進するため、起業家が自身の事業構想を発表する信州ベンチャーサミットを毎年開催しています。
2023年度は下記のとおり開催されました。
当日の様子を公式フェイスブックからご覧になれます。
起業家たちの熱いピッチをぜひご覧ください。
【日時】2024年1月19日(金)13:00~18:00(12:30受付開始)
【場所】軽井沢大賀ホール(北佐久郡軽井沢町軽井沢東28-4)
〇プログラム
13:00 | 開会・主催者スピーチ |
13:15 | 基調講演「イノベーション6つのポイント」 田所 雅之(株式会社ユニコーンファーム代表取締役CEO,関西学院大学経営戦略研究科客員教授) |
14:30 | 起業家によるテーマ別ピッチ【テーマ】①ソーシャルビジネス ②テクノロジー ③DX/GX※各テーマ3名(合計9名) |
16:30 | 起業家ピッチ表彰式 |
17:00 | 交流会(18:00閉会) |
【登壇企業】
〇ソーシャルビジネス
★グランプリ
・AKEBONO株式会社
~信州産ソルガムを活用したグルテンフリー食品展開及び地域純化型社会の形成展開事業~
・株式会社ステアーズ
~ユニバーサルツーリズム特化型動画サイト「MINTAB(仮)」~
・株式会社Sunset films
~新たなナイトウォークコンテンツで観光地創生~
〇テクノロジー
★グランプリ
・株式会社Henry Monitor
~DX時代における新しいセンシングとAI~
・VFR株式会社
~ドローンは産業のセンターピンとなる~
・株式会社トライネクスト
~TRiNEXT新技術で工場のゼロカーボンを支援~
〇DX/GX
★グランプリ
・かまちょっかい株式会社
~DXでワクワクできる価値を~
・株式会社 TRILL.
~車を交通のインフラにするカーシェアマッチングプラットフォームサービス~
・有限会社ぴー坊
~長野県に1泊30万円のグランピング施設を作りたい!~
詳細リンク
「良い会社:B Corp™」について知ろう 第4回
県内全エリア
日本のB Corp認証取得企業は現在32社ありますが、このうち27社は2020年以降にB Corp認証を取得しています。 この数年で日本でも注目が高まっているB Corp認証を取得する、国内外の女性経営者たちをお迎えするオンラインでのランチタイム・セッション4回シリーズ。
第4回のゲストは、長野県東御市に「わざわざ」からスタートし、現在4店舗を出店する平田はる香さんと、 上田市の株式会社Value BooksでB Corp取得を目指しながら、取得プロセスを翻訳し日本語で初となる公式ハンドブックを出版された鳥居希さんです。 長野県初のB Corp認証企業となったわざわざの平田さんと、B Corpムーブメントを生み出すValue Books鳥居さんに「地方地域におけるB Corp認証の意義とこれからへの期待」について、ランチタイムにカジュアルにお伺いします!
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