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SSSコラム⑪長野県における起業家の資金調達
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SSSコラム⑪長野県における起業家の資金調達

担当:SSSコーディネーター森山

SSSコーディネーターの森山です。

2024年も残すところわずかになりましたが、今年最後のコラムとして長野県内における資金調達についてご紹介したいと思います。

起業・創業を目指す方、すでに事業を営んでいらっしゃる方々にとって、その事業に資金が必要なのは共通の事項かと思います。長野県内には様々な資金調達手段がありますので、今回はその方法と、それぞれの特徴についてご紹介させて頂きたいと思います。

SSSにご相談いただく方々が資金調達で活用される選択肢は、主に以下の5つに大別されており、これらを複数組み合わせて必要資金を確保する方もおられます。

  1. 自己資金(含親族・友人からの資金)
  2. クラウドファンディング(以下、CF)
  3. 金融機関からの融資(県の制度融資、各金融機関の融資)
  4. ファンドからの出資(信州SSファンド)
  5. 国・県・市町村・経済団体等からの補助金等

まず事業に必要な資金がそれほど多くない事業を予定されている場合、①の自己資金を活用するケースがあります。自己資金のメリットは、自分自身の資金でリスクをとっているため、誰にも何も言われない自由があることです。また、ご自身が想定している事業内容・事業計画資料を作成して第三者に説明する必要もありません。(事業計画の作成は慣れていないと、人によっては結構大変なこともあります)

一方で、②~⑤は全て自分以外の第三者の資金を活用するため、事業内容をそれぞれの資金調達方法や資金調達コストに見合った形で、説明する必要があります。その手間暇やコストの見返りとして、自己資金では賄えないようなリスクや事業規模に対応することができるようになります。

第三者からの資金としての②CFは、活用ケースが多い購入型を前提として簡単に触れさせて頂きます。(その他、株式投資型等の形態もあり)購入型のCFでは、自社の商品やサービス、またはその一部等を提供する(または提供を約束する)見返りに、一般に広く資金を募集する方法です。主に商品やサービスを目的として資金を提供するユーザーと、その事業自体を応援する気持ちで資金提供を行うユーザーが存在します。これらのユーザーに対する、自社商品・サービスの認知度向上や、前売り、顧客の囲い込みなどを目的としてCFを活用するケースが多いように思います。一方で、CFによる資金調達コストは、他の調達手段よりも比較的高く、主にサービス利用の手数料は調達金額の10-20%程度が相場です。この調達コストに見合うメリットが得られると判断できれば、資金調達手段の有力な選択肢になるかと思います。

 次の③金融機関からの融資は、多くの個人・法人が利用する資金調達方法かと思います。今回は創業・起業を目指す方々に多く活用いただいている創業融資を簡単にご紹介させて頂きます。長野県には創業5年未満の方が利用できる、「信州創生推進資金(創業支援向け)」という融資制度があります。これは金利が基本的に1.1%に設定されており、比較的低コストで資金を確保できる手段として、多くの事業の有力な選択肢となりえるかと思います。

(ご参考:長野県中小企業融資制度(信州創生推進資金(創業支援向け))/長野県

その他、県内の各金融機関においても、それぞれ融資を行って頂いておりますので、上記融資制度とともに比較検討頂ければと思います。

 そして、④ファンドからの出資(信州SSファンド)については、資本出資が主であるため、他の資金調達方法と比較して調達コストは高くなる一方で、他の調達方法では対応できない高リスクの事業に対して資金を供給することが可能です。(※投資対象は株式会社に限ります)他の資金調達方法で十分な資金が確保できなかった場合、①~③、⑤との組み合わせも当然可能ですので、信州SSファンドからの出資も含めてご検討頂ければと思います。

(ファンドや資本出資について詳しく知りたい方はSSSへ是非ともご相談ください)

(ご参考:信州スタートアップ・承継支援ファンド(信州SSファンド)/長野県

最後に⑤補助金等による資金ですが、こちらは自治体や経済団体が提供するケースが多く、基本的に返済不要の資金です。そのため、多くの起業家の方々がその活用を検討されることも多い資金調達方法の1つです。ただ、補助金等の支給にあたっては様々なルール、制約等がありますので、それらにご自身の事業が適合する場合は是非とも活用を検討頂ければと思います。(制約等例:審査があり必ず利用できるわけではない、審査用の提出書類が多い(=作成コストがかかる)、経費の1/2,2/3分を支給(全額ではない)、一旦自社で立替し年度末に支給、特定の費用項目・用途にのみ対応、特定の時期のみ募集、特定のビジネス・形態にのみ支給等)

なお、各自治体や経済団体が設定する補助金の対象範囲、申請方法などの詳細については、設定する自治体または経済団体へご確認いただければと思います。

以上、長野県内で主に活用できる資金調達方法をご紹介させて頂きました。今回ご紹介させて頂いた資金調達方法にご興味・ご関心ある方は、それぞれの資金供給者に直接ご連絡頂いても良いですし、もし迷われていたり、更に詳しく知りたい方はSSSにご相談いただければ、事業内容・リスク・ステージに合った資金調達方法を探すお手伝いをさせて頂きますので、お気軽にご連絡頂ければと思います。

以上