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生き方の選択肢としての、起業。『SHINKI』を通して考える創業支援の態度
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生き方の選択肢としての、起業。『SHINKI』を通して考える創業支援の態度

多くの人が「起業」という言葉から連想するのは、いわゆる“ベンチャー企業”の姿ではないでしょうか?

数人で立ち上げた会社が成長し、従業員を増やし、広いオフィスを構える。しかし、そんな「起業家像」は、ごく一部の人を示す、限定的なイメージだとも言えるでしょう。

起業を考える全ての人のゴールが、「経済的な成長」にあるとは限りません。

「そもそも、起業の在り方には人の数だけ多様性があるんじゃないか?」

それが、長野県で起業をする人のためのポータルサイト「SHINKI」を立ち上げたチームが感じている疑問でした。起業とはつまり、「事業を起こす」ということ。その理由が「経済的に成長したい」という場合もあれば、「もっと自分にあった環境で仕事をしたい」、「自身や家族の状況に柔軟に対応できる環境で仕事をしたい」といったケースもある。そこには、様々な「生き方の選択肢」があるはずです。

長野県にも創業支援の取り組みは数多くありますが、これまでは支援を行う各自治体や支援団体がそれぞれに情報発信をしており、一人一人が必要な情報を的確に手に入れるには、あまりに複雑な状況にありました。

いままで、行政や金融機関の発信だけでは届かなかった支援があるのではないか?そう考えて議論を深めてきました。

そんな状況を整理し、「起業の裾野を広げる」ための新しい取り組みがはじまります。

信州で起業をする人のためのポータルサイト「SHINKI」が、2024年1月にオープンしました。

長野県による創業支援拠点「信州スタートアップステーション(以下、SSS)」や、起業を目指す女性を支える取り組み「SSS Woman」とも連携しながら、「起業したい」と考える人たちをさまざまな切り口から支えていくこの取り組み。

SHINKIが何を目指していくのか?そして、長野のまちにはどんな創業支援のかたちがあるべきなのか?「SHINKI」の立ち上げに関わった3人による鼎談を通して、「地方における起業支援の在り方」について考えていきます。

<プロフィール>

関遼樹(せき はるき)さん

長野県産業労働部 経営・創業支援課主任。長野県職員、デロイトトーマツベンチャーサポートへの出向を経て、2023年に長野県庁へ復帰。アクセラレーションプログラム、スタートアップ拠点構築事業に従事し、地域イノベーターとして、地域課題解決とビジネスの両立を目指す。(以下、関さん)

渡邉さやか(わたなべ さやか)さん

​​長野県出身。長野県立大学大学院講師。修士取得後、新卒で経営コンサルタントとして従事するのに加えて、環境や社会に関する(Green&Beyond)コミュニティのリードや、プロボノ事業立ち上げにも参画。2011年に独立後は、一般社団法人アジア女性社会起業家ネットワークや株式会社re:terraを立ち上げ、被災地での産業活性プロジェクトや、途上国·新興国進出支援に関わるほか、女性社会起業家支援に尽力。株式会社ラポールヘア・グループ Chief Impact OfficerやNPO法人ミラツク理事など(以下、さやかさん)

井上拓美(いのうえ たくみ)さん

株式会社MIKKE代表。飲食店やITスタートアップの立ち上げ/経営を経て、「株式会社MIKKE」を創業。クリエイター向けの無料のコワーキングスペース「ChatBase」、HOTDOGSHOP「SPELL’s」、全国の高校生300人を集めたオンラインプログラム「project:ZENKAI」など数多くの事業/プロジェクトをプロデュース。長野県では、DX人材育成事業「シシコツコツ」の立ち上げ/運営、浅間山麓地域の防災減災をみんなで学び、高め合うプロジェクト「あさま防災カルチャークラブ」の立ち上げ/運営など。現在は長野県小諸市にて、『文化の台所』準備中。(以下、拓美さん)

なぜ「SHINKI」は、はじまった?長野の創業支援事情

──信州で起業をする人のためのポータルサイト、『SHINKI』が2024年に立ち上がりました。創業支援にまつわる情報が集まった同サイトを立ち上げた経緯を教えてください。

関さん(写真右):長野県庁としても、創業支援のニーズの高まりを感じていましたし、実際に起業を志している県民の方から連絡がくることもありました。県や市町村の窓口に「実は、創業をしたいんですけど」と電話がかかってくることがあるんです。電話を受けた職員は資料を見ながら創業支援策や相談窓口を案内するわけですが……その場ではきっと、繋げることができなかった情報もあったと思います。

自治体や金融機関、支援機関がそれぞれ行っている取り組みがもっと見える化された、みんなが使えるようなプラットフォームがあれば、「起業したい」と考えている人たちをもっと手助けできるはず。

そういった背景から、創業支援にまつわるポータルサイトが必要なのではないか、という議論がはじまりました。

──そもそも、長野県の行政としてはなぜ「創業支援」に力を入れたいのでしょうか?

関さん:県側としては、創業支援に対して2つの思いがあります。

1つは、スタートアップ企業が生まれて、精密機械工業をはじめとした県内の産業と組み合わさって、イノベーティブな次世代産業を生み出してほしいという思い。

そしてもう1つは、長野県が「女性や若者に選ばれる県」になるために、さまざまなチャレンジをしやすい状況を整備したいという思いです。

実は、長野県は若年層の女性の県外流出がすごく多いんです。そこには、「仕事の選択肢が少ない」という要因もあるはず。僕は、より多くの人が「ここで暮らしたい」と思える街でいるためには、従来の「決まった時間に、職場に行って働く」とは違う働き方の選択肢が必要なのではないかと思っています。

前者の「イノベーティブな次世代産業」だけを目指すなら、必要なことは会社の立ち上げを応援する「スタートアップ支援」になります。しかし、今回のSHINKIでは、後者を含む「広い創業」を支援するものにしたかった。そこで、井上さんやさやかさん(渡邉さやかさん)にも関わってもらいながら、「広い創業支援とはなんだろう」と話すところからスタートしました。

──井上さん自身、起業家という目線で起業家支援に対して思うところもあると思います。SHINKI立ち上げに関わってみて、どんなことを考えていましたか?

井上さん:端的にいえば、「起業をしたことのない人に“起業家を支援する”と言われても、何をしてもらえるんだろう?」という疑問はありました。

僕自身も起業して12年目に入るので、周りには多種多様な起業家の友人がいます。彼ら彼女らと関わっていて思うのは、「見ている景色の数だけ、起業の形がある」ということです。

そもそも僕たちの身の回りにあるあらゆる景色は、誰かが何年、何十年と前に起業をして生み出されたもののはずじゃないですか。建物も、使っている道具も、食べ物も、誰かがはじめたものなんですよね。

「スナックをやっています」、「美容師をやっています」、「こういう事業をやっています」みたいな人がいて、それぞれが「“起業”を通してやりたいことを実現した人たち」だということ。彼ら彼女らのことを、「起業家」という言葉で一括りにすることは難しいと思います。

だからこそ、サイトをつくる上でいわゆる「起業家像」をターゲットとして設定するというのは無理だと思いました。イメージをつくってしまうと、そこに当てはまらない人たちがきっと出てくるし、そうすると、本当にやりたかった「起業の裾野を広げる」ことからは遠ざかってしまうので。

──「起業家」と一括りにするのは難しい、という思いが出発点にあったんですね。

井上さん:そうなんです。実は、僕自身もさやかさんと対話してはじめて気づいたことが多くありました。さやかさんの話に出てくる人たちのことをこのポータルサイトのコンセプトに入れることができていなかった。自分はたくさんの起業家と関わっているつもりだったのですが、それでも無意識に想像できていないことがあった。

──さやかさんは、同プロジェクトへの参加についてどんな思いがありますか?

さやかさん:このプロジェクトを通して、「生き方としての起業」という考え方が広まればいいなと思っていますね。つまりは、自分の生き方や人生にオーナーシップをもつという意味で、全ての生き方が起業でもあるという考えからくる想いです。

私がメインで関わったのは、「SHINKI」のなかでもさらに、長野で起業したいと考える女性たちへの支援に特化したWEBページ「SOU」の立ち上げでした。

実は、このプロジェクトが動いている期間に出産をして。生まれてからわかった子どもの病気治療のために数ヶ月間付き添い入院をしていました。書かせていただいた「SOU」のボディコピーも、メッセンジャーだけでやりとりをしながら作っていきました。

女性の起業を支援するサイト「SOU」のボディコピー。サイトはこちら:https://shinki-shinshu.jp/sou/

さやかさん:その病棟には、自分と同じように子どもに付き添って入院しているお母さんがたくさんいました。さまざまな制約がある中でも、自分は意思があればリモートで仕事ができるし、大学院の授業もオンラインで講義ができるけど、それが可能な私は特殊な状況にあった。

入院の付き添いに限らず、時間や移動などの制約によって仕事ができない人たちがたくさんいる。特に、ケア労働を担うことが多い女性には制約も多い。そういう人たちはどうすれば仕事を続けられるんだろう?と考えた時に、やっぱり改めて“生き方の選択肢”としての起業があるべきだし、それに寄り添うための取り組みが必要だと思ったんです。

物理的なものや時間的なものに縛られない仕事のやり方も、起業を通じてつくることができるはず。売り上げを上げることももちろん大事だけど、自分を大切に扱いながら、「本当は何をしたいのか?」という自己表現をするような意味も込めて、起業ができると思うんです。

──経済的な成長だけじゃなくて、「生き方の選択肢を増やす」ための起業があるべき。さやかさんがずっと抱えていた思いと『SOU』の取り組みが繋がったんですね。

井上さん:いまの世の中で「女性起業家支援」という文脈でつくられたものって、多くは「男性社会へのカウンター」的な表現が入ってくると思うんです。でも、さやかさんと話していて感じたのはそういうことではなくて。もっと明るい、厚みのある明るさがありました。やりとりを経て感じたことと、さやかさんが完成させたタグラインの文章は奇跡のようにハマっていました。やりたい「起業家支援」の思いが、そこに詰まっていた。

好きなこと、得意なこと、やりたいこと。

無意識に抱いている「こうあるべき」という固定観念から離れて。

妻や母としての役割をいったん忘れて。

まず「わたし」に気づく。そして、「わたし」を開いてみる。

それが誰かの気持ちに届いたとき、見える景色が変わるはず。

誰も受けとめてくれなかったらどうしようって、

不安に感じたり、こわいと思ったりすることもあるかもしれない。

だからこそ、『sou』は、どんな「わたし」も、受けとめられる存在でいたい。

「法人が増えるかどうか」は結果論

──「生き方の選択肢として、起業がある」という考え方は、個人事業主や起業をする人の立場で考えると、きっと自然なことかもしれません。でも、その価値観を行政側も共有してくれようとしているのだと思うと、すこし新鮮に感じました。

──その一方で、「起業を支援する」側の立場で考えると、起業支援を行う上での具体的な指標が見えづらいと思うんです。どうすれば「起業の裾野が広がった」と言えるのでしょう?

関さん:定義によって見え方が全く変わってしまうとも思っています。行政としては、その年に法人登記した企業の数と元々の企業数の割合、いわゆる「開業率」(※)を指標として見ていて。

一方で目の前の指標としては、「個人事業主(※)」を含めて起業した人を追っていきたいなという思いもあります。

可能性としては、個人事業主として起業した人の事業が大きくなって、従業員を雇用し、法人として登記することになる……という場合もあると思っています。

※開業率……開業率(%)=新規開業した企業の数の年平均÷期間当初の企業数×100

※個人事業主……法人を設立せずに、個人で独立した継続的な事業所得を得ている人

井上さん:でも、「事業が成長して、法人化することになるか」って結果論だとも思うんです。立ち上げたビジネスが「個人としての起業」になるか、「新しい産業」といえるほど事業として成長するかって、実際に走り出してみないとわからない。

「起業をする人を増やすということ」と、「法人化して事業を伸ばしていく企業を増やすということ」はそれぞれ別の課題として分けて考えた方がいいなと思います。

それに、起業という手段を選ぶ人が増えれば、起業家や企業(法人)の母数が増える。母数が増えれば、結果として大きく成長する企業の数も増えるかもしれないですよね。

井上さん:プロジェクトを作っていくなかで、さやかさんはよく「生き方としての起業が必要なのは、別に女性だけじゃない」って話をしてくれてたんです。女性人口の流出という課題がいま長野県にあるから、たまたま女性起業家支援というのが入り口になっているだけで。本来は男女も年齢も関係なく、誰しもにあっていい選択肢だと。

さやかさん:女性が長野から出ていく理由の1つに、女性や若者に対する地域の寛容性が低いことがあると思うんです。地域にいると、「結婚はしないの?」「子どもは産まないの?」と当たり前に聞かれることが多い。だから地元には帰ってきたくない、というのもあると思うんですよね。

直接的な創業・起業とは関係なくても、長野県が生き方の多様性を認められる地域になれるか?は大事だと思っています。


支援する側に求められるのは、「不安な起業家へ寄り添う態度」

──「SHINKI」チームは、支援される側、支援する側、それぞれの立場にたって「より良い創業支援」について考え続けているのだなと感じます。「支援する側」の視点で、意識してきたことは他にありますか?

さやかさん:支援する側として、「起業家を応援する」ってつまり、どういうことなんだろう?ということを常に考えてきました。

起業する人にとっては、何かを立ち上げる時の最初の期間がやっぱり一番しんどい。まだうまくいくかどうかもわからない人たちに「大丈夫だよ」「一緒にいるから」って寄り添うことで、もしかしたら頑張れるかもしれない。そういう場所が長野県の中にもあればいいなと思っていました。

軌道に乗ったあとは、誰だって助けてくれるじゃないですか。上手くいくとわかっているものの方がやっぱり応援しやすいから。

──起業家を支援する上での「態度」のような話ですね。どういう姿勢で起業家と関わるべきか。

井上さん:僕自身、冒頭でも話したように「起業をしたことがない人から起業支援って……」って正直思ってしまっていたけれど、本当は創業支援をしている行政側の人たちは直接話してみると、「創業支援しますよ」って上からくる感じは全然なくて。すごく謙虚だったりするんですよね。その感じがもっとそのまま伝わればいいな、と思います。

ただ一方で、起業家支援の多くが「窓口を構えて、起業家が来るのを待っている」という状況になりがちなことも気になっています。

本当は、支援したい、応援したいと思っている行政や金融機関などの人たち側からいろんな人に会いに行って、働きかけて、「この町で起業すること」へ関心を持ってもらうことが大事なんじゃないかと。

──受け身の支援ではなく、積極的に「起業したい人」を見つけていくような支援が必要?

井上さん:そうですね。いろんな街を訪れても、「生き方に寛容な地域」や、誰かのやりたいことに関心を持つ人が多い環境では、新しい取り組みが生まれている印象があります。

「起業したい人の声を聞いていく」ということは、やはり態度として必要ですよね。

──受け入れられている、関心を持たれている実感は、人のアクションを後押ししますよね。

さやかさん:身近に起業家のロールモデルがいると、起業家が増えるということは研究としても証明されてるんですよ。地域ごとにそれぞれの地域のエコシステムがあるとは思うけれど、そこをかき混ぜてあげることで、もっと面白いことが起きるんじゃないかな。

地域にはさまざまな資本があります。起業に関係がありそうな財務資本や知的資本、技術資本だけでなくて、その地域の歴史や風土を表すような文化資本や自然資本、そこに暮らす人々の表す人的資本だったり、人と人の関係性を表す社会関係性資本もすごく大切ですよね。

そうした資本の中でも、特に社会関係性資本に関わるようなところを、地域やコミュニティなどを超えて「混ぜる」役割を果たすことができるのは、実は行政だと思うんです。

長野県が、1つ1つの自治体で起きていることを横断しながら適切な資源と適切な人を繋いであげることができれば、起業したい人たちの可能性は大きく広がっていく。

関さん:SHINKIは、そういう風に地域の人や情報や機会を「かき混ぜる」ためのツールとして使ってもらえたらいいな、と思いますね。

サイトの具体的な仕様の部分でも、さまざまな情報が並列で載っています。本来であれば「イベント/セミナー」「融資の検討」「場所探し」といったカテゴリ分けを丁寧にするなら、探している情報だけをピンポイントに絞り込めるようにするといい。

ただ、SHINKIでは1つのキーワードを使って検索しても、関連性がありそうな他の情報を混ぜ込むように設計していて。意識して調べた情報以外にも、「結果的に自分にはこの情報が必要だった」という情報と出会えるような形にデザインしています。

それもまた、1つの可能性の混ぜ方だと思うんです。

「どういう情報を伝えれば、本当に起業に役立つのか?」という問いと葛藤は、起業したい人のものだけではありません。起業したい人たちの悩みを受け止めて、力になりたいと考えてきた行政・金融機関などの支援側の人たちも課題として持っていたはず。

起業したい人はもちろんなのですが、支援機関の方々にこそ、本当は「SHINKI」を使ってほしいと思います。

起業家が増えた地域は、どう変わるのか

──地域にとっては、起業家が増えることでどんな影響があると思いますか?

関さん:すこし余談にはなるのですが……実は昨年、僕は東京の会社に出向していて、そこではたくさんの起業家の方々と関わる機会がありました。「どんどん稼ぐぞ」ってタイプの人もいたんですが、「すぐには儲からなくても、真摯に社会課題に取り組む」という人もすごく多かったんです。

僕は、行政との繋がりを求めている起業家と行政の繋ぎ役をやっていたので、そういう起業家と話す中で「この人たち、本当にすごいな、素敵だな」と思えました。

これは男女の話をしたいわけでは無いんですけど、実際に、「これは本当に女性じゃないと、そんな視点に気づけないだろうな」と思えるビジネスもたくさん見てきました。

──起業家たちのものの捉え方や、社会に対する行動のあり方に惹かれたんですね。

関さん:これは自分の私見ですが、もし、本気で社会課題に取り組んだり、社会をよくするための挑戦をする人たちが長野のまちにいてくれたら、もっと住みたいまちになるだろうなって思ったんです。まちがもっとでこぼこになるというか。多様性が生まれていく気がします。

いろんな社会課題と本気で向き合うためには、大企業が作る事業や行政による取り組みだけでなく、小さな個人の営みも含めた起業の在り方が増えた方が、そこに生活する人たちが自分の暮らす社会のことをもっと好きに好きなれるんじゃないかなって思います。

井上さん:起業をする人を増やすということって、そこに暮らす人が「自分が生きてる社会を好きだ」と思えるようになるための一つの手段なのかもしれないですね。そういう人がいっぱいいて、「この起業家の考えてることは、自分と合うな」、「この人が作ろうとしてる街っていいな」って思える人がいる街は、きっと住んでいて楽しいだろうなと心から思える。

井上さん:「起業したい人を支援し、手助けする」ことは、人間ひとりひとりの生き方の選択肢を増やすことになる。そう考えて「SHINKI」のプロジェクトを進めてきました。

ただ、今日改めてプロジェクトが目指してきたものを振り返ってみると、それだけじゃないようにも思えました。「起業する人を支援する」ということは、今までとは少しだけ違う今を生きる人の生き方の選択肢を増やすことに繋がる。起業する人たち本人だけじゃない、同じまちで暮らす人たちの未来にも影響を与えることなのかもしれないと思いますね。

まとめ

行政として起業を支える関さん、民間の立場から女性起業家を支援してきたさやかさん、起業家としてほかの起業家をどう応援できるか?を考えてきた井上さん。

三人が考えてきたのはきっと、「生き方の選択肢としての起業」というものをどう支えることができるのか。

その命題は長野県だけのものではなく、日本のどの地域でも考えることができるものなのではないでしょうか。

『SHINKI』では、長野県での創業支援にまつわる情報発信や、起業相談などの支援を行っていきます。事業を作って成長したい人も、生き方の一つとして起業という手段を使ってみたいと考える人も、ぜひアクセスしてください。

〇信州で起業する人のためのポータルサイトSHINKI https://shinki-shinshu.jp/

〇長野県の創業支援拠点「信州スタートアップステーション」 https://shinki-shinshu.jp/sss/

〇女性起業支援特設ページ「SOU」 https://shinki-shinshu.jp/sou/