軽井沢発グローバルスタートアップを目指して。人と地域の出会いで描く、新しい旅のあり方【前編】先輩起業家インタビュー

起業する。会社を立ち上げる。「創業」と一口にいっても、そのあり方は人それぞれ。同じ選択や道筋は一つとしてありません。魅力的な先輩起業家が数多く活躍している長野県。SHINKIの先輩起業家インタビューでは、創業者の思いやビジョン、創業の体験談や、本音を掘り下げます。
「これだけ地殻変動的に社会の仕組みや価値観が変わる話というのは、あんまりないチャンスなんだろうなと思いました。コロナ禍の時間は、実は物を考える上でとても豊かな時間だったなと思います」
そう語るのは、法人向け合宿手配サービス「co-workation.com(コワーケーションドットコム)」や、地域と企業をつなぐマッチングシステム「MEETSCUL(ミーツカル)」を展開するPerkUP(パークアップ)株式会社代表取締役CEOの浅生亜也さん。ホテル業界で13施設を展開する企業を創業した経験を持ち、2020年にコロナ禍という転換期に軽井沢を拠点として新たな挑戦を始めました。Zoomでの対話から生まれたビジネスアイデアは、リモートワーク時代の企業が抱える課題に応える新しいサービスへと成長しています。
インタビュー前編では、PerkUPの事業内容と起業の経緯についてお聞きしました。
<お話を聞いた人>
浅生 亜也(あそう・あや)PerkUP株式会社 代表取締役CEO
ピアニストとしてデビューした後、アメリカのホテルで現場業務に従事。その後、監査法人で会計監査業務、スペースデザインでサービスアパートメント(SA)の開発や運営基盤整備に携わる。2003年にホテル業界に復帰し、20軒以上のホテル取得及び運営部門を管轄する本部機能に従事。2007年に独立し、株式会社アゴーラ・ホスピタリティーズを創業。ホテルから旅館まで国内13施設を展開。創業から10年目を迎えた2017年に退任し、同年SAVVY Collectiveを創業。2020年9月、斉藤晴久氏と共にPerkUP株式会社を共同創業し、代表取締役CEOに就任。
法人の合宿から地域のマッチングまで。3つの事業で「人と地域の出会い」を創造

――まずは、PerkUP株式会社の事業内容について教えてください。
PerkUP株式会社は、「旅が未来を豊かにする世界」をビジョンに、「人と地域の出会いを科学する」をミッションとして掲げ、主に3つの事業を展開しています。一つ目は、法人向けの合宿やオフサイトミーティングの一括手配サービス「co-workation.com」です。企業のチームビルディング合宿やオフサイトミーティング、合宿型ワーケーションに対応していて、全国の宿泊施設から研修・体験コンテンツ、必要な機材の準備まで、すべてを一括で手配するコンシェルジュ型のサービスです。

二つ目は、現在開発を進めている「MEETSCUL(ミーツカル)」です。これは地域の観光事業者と法人の団体旅行者を直接つなぐマッチングエンジンで、従来の旅行手配とは全く異なる「挙手型」という新しい仕組みを採用しています。
企業からのニーズに対して、地域の事業者が「挙手」、つまり立候補する形で提案を行い、マッチングが成立する。これにより、企業側は想定していなかった地域や体験との出会いが生まれますし、地域の事業者にとっては新たな顧客との接点が広がります。2025年11月から長野県内で実証実験を開始しています。
そして3つ目が、全国のワークプレイスをつなげる「TeamPlace」です。これは共同創業者である斉藤が以前から運営していたサービスで、「人で繋げる、繋がるワークプレイス」をコンセプトに、コワーキングスペースをネットワーク化しています。
――「MEETSCUL」は、令和6年度の信州スタートアップステーションのアクセラレーションプログラムで採択されていますね。サービスの立ち上げに至った背景を教えてください。
グループ旅行の手配って、実はすごく大変なんですね。多くの人が関わるし、ホテルを予約するだけじゃ済まない。いろんなことをアレンジしなければいけないので、手配業務がものすごく煩雑なんです。
しかもコロナの影響で、地域の事業者さんたちから人手がどんどん奪われていて、辞めてしまって戻ってこない課題が既に顕在化していました。この機会に、煩雑な業務そのものをDXし、グループ旅行の手配がオンラインで完結できる世界を作ろうと。そういう成長のストーリーを会社として描き始めました。
バックグラウンドの異なる二人が描く、人と地域の未来

――共同代表である斉藤晴久さんとの出会いや、創業に至った経緯を教えてください。
斉藤とは10年前から面識がありましたが、何か一緒に事業をしたことはありませんでした。話をするようになったきっかけはコロナ禍です。
斉藤は、コロナでリモートワークやコワーキングスペースがここまで注目されるとはまだ誰も思っていなかった頃から、コワーキングスペースをネットワークする「TeamPlace」というサイトを運営していました。「今の社会に必要なのはこれだ!」と感じ、2020年の春頃、ステイホームの最中にZoomでいろいろと話をしたんです。
私はずっとホテルの事業をやっていて、地域にどうやって人を連れてくるのかということを考えていました。斉藤はECサイトやプラットフォームをやってきて、日本全国の生産者さんや、小売の事業者さんを訪ねて回るという行脚をしていたのです。
その中で、地域の課題や魅力に対して、もう少しデジタルの力で価値を可視化していくことができたら、人と地域が出会える可能性が広がるんじゃないかということを考えていたんです。バックグラウンドは全く違いますが、地域への思いの部分が一致しました。
そうして「これから世の中はどうなっていくんだろうね」と対話する中で、新しい事業を起こしてみようかということになったのがきっかけです。
――コロナ禍が創業のきっかけになったのですね。
これだけ地殻変動的に社会の仕組みや価値観が変わる話というのは、チャンスでもあるんだろうなと。コロナ禍の時間は、実は物を考える上でとても豊かな時間だったなと思います。
コロナでリモートワークができる環境になったし、受け入れられる世の中になりました。それによって、働き方やライフスタイルも大きく変わってきた。1日の使い方や、家族との時間の過ごし方、共働きの時間割、人の移動距離に対する心理的な感覚も変わりました。ということは、旅行の仕方も変わるだろうなと。土日に集中していた観光の需要が分散してくるかもしれないし、週末以外に家族を連れて地域に行くということもやろうと思ったらできちゃうよねと。
そんな話をいろいろとしている中で、大手企業の人事や総務リーダーたちが集まっている会合にも顔を出してみたんです。すると、みなさん「出社が前提ではなくなったら、オフィスを今後どうしていくのか」という話をしていたんですね。「これからの働き方を変えていかないと人が会社についてこない」と、ものすごく危機感を持っていました。
コロナ禍のオンラインでの対話から見えた、新しい時代の働き方と旅のかたち

――社会の変化が新サービス立ち上げのきっかけになったのですね。
そうですね。たまたま時代に合う人なんていないと思います。時代は常に変わるので、時代が求めていたことにそって、方向性を決めていきました。
実際に事業を動かし始める前に、アメリカの動きも見てみたんです。アメリカは当時日本よりも早く「ステイホーム」が解かれてどんどん国が動き始めていました。一体あちらはどういう流れやトレンドが生まれてきているのかなと見たら、やっぱり同じようにリモートワークで働く人がとても増えていて、会社のCEOたちはみんなパニックを起こしていたんです。
これでは社内のコミュニケーションや雑談が生まれにくいし、それによるチームビルディング、チームの結束力みたいなものが全然生まれない。そうなると、イノベーションも起きないし、効率化も起きないし、ものすごい生産性が下がってしまうぞと。
そこで何が起こったかというと、バラバラになっている人たちをオフィスに戻す前に、オフサイトミーティングやリトリートという形で、ある1ヶ所に社内のメンバーを集めてもう一度会社のビジョンの話をしたり、みんなでディスカッションしたり、親交を温めたりなど、チームビルディングの機会に対する需要がものすごく伸びていたんです。この流れはすぐに日本にも来るなと感じました。そこで私たちは先んじて会社を立ち上げたのです。
――浅生さんは、PerkUPの立ち上げが3度目の創業になりますね。1回目、2回目の起業と今回で環境は大きく変わりましたか?
全然違います。昔は起業するというと、事務所を構え、電話番号とFAXマシーンを置いて、名刺を持たなきゃいけなかった。そんな風に仰々しい起業をしなければいけなかったんです。そうじゃないと、銀行からの信頼も得られなければ、何の手続きも進められなかった。でも、ここ5年ほどでそういうことが必要のない世の中になったわけですよね。そうなると、生活環境が豊かなところにいる方が人としてハッピーなので、私は生活する場所と仕事をする場所を同じくしようと軽井沢で起業することを選びました。当時と比べたら、段違いに自由度は高いと思います。
しかも今はリモートワークや副業が当たり前になりました。これも現代らしい起業環境で、すごく恵まれているなと思うことのひとつです。共同代表の私と斉藤は違う拠点にいますし、PerkUPは長野の会社ではありますが、長野に住んでいるチームメンバーは私を含めて3人だけ。北は青森から南は沖縄まで、さらにバンクーバー(カナダ)、ネパールといろんな人が各地からフルリモートで参画しています。これは最初の起業の時代にはできなかったことですね。
副業メンバーたちもたくさん活躍してくれています。優秀な人材が、自分の人生の一部の時間を使って新しいスタートアップに貢献してくれる。一から人を育てなくとも、共感して貢献してくれる人さえ探せば、すごくスピーディーに事業が立ち上がる時代です。

インタビュー後編では、なぜ軽井沢を拠点に選んだのか、信州スタートアップステーションとの出会い、そしてこれから起業する人へのメッセージについてお聞きした。
PerkUP株式会社のホームページ:https://perkup.life
co-workation.com:https://co-workation.com/
<SSSの個別相談受付>
メールでのご連絡 shinshuss@tohmatsu.co.jp
第4回レポート】「好き」を地域に活かす実践へ!仲間とつながる基礎編が上田市「犀の角」でスタート!
長野市
上田市
佐久市
【第4回レポート】「好き」を地域に活かす実践へ!仲間とつながる基礎編が上田市「犀の角」でスタート!
去る11月9日(日)、SOU-me 小商い体験講座は、前半3回の「準備編」を終え、後半の「基礎編」へと突入しました。基礎編の第4回は、上田市の「犀の角」さんを会場に、「仲間とつながろう」をテーマに開催しました。
基礎編のルール
基礎編は「好きを形に小さく一歩踏み出す」ための3回講座です。参加者の皆さんが安心して一歩踏み出すことを応援できるように、以下の行動原則を確認しました 。
何よりもワクワクを大事にする 。
安心して自己表現してみる 。
とりあえずやってみる!(気楽さ) 。
「ある」をみる!(「ない」ではなく)

ワーク1:仕事のメガネを掛け替える
講座の中で、これまでの自分の「仕事観」を振り返り、新しい仕事のメガネを書き換える実験の場を講座でお誘いしました。
新しいメガネとは、このようなメガネです。
「収入が多いもの → 存在価値を実感できるほどいいものへ 。」
「やりたくないことをやるもの → やりたいものをやるものへ 。」
「家庭優先 or 仕事優先 → 家庭も仕事も大切にする考え方へ 。」
まず自分の「仕事観」のメガネに気付き、自分の働き方を応援するメガネに掛け替える提案を行う時間になりました。

ワーク2:つながりを生み出す「でしリスト」大作戦
次は、「でしリスト」とは、「できること」と「してほしいこと」をリスト化し、仲間同士で共有するワークを行いました。このワークでは、「自分が何を持っているか(ある)に気づく」ことと、それを地域のリソースや仲間の繋がりと結びつける時間になります。
犀の角の事例: ゲスト参加された犀の角の荒井舞さんからも、「カフェやスペースの提供」といった「できること」と、「情報発信のアドバイス」といった「してほしいこと」のリストが共有されました。参加者同士で「できること」と「してほしいこと」の交換も何組もあり、とても盛り上がりました!

【参加者の声】
第4回「仲間とつながろう」のワークを通じて、参加者の皆様から感想をご紹介します。
「仕事を複数持つとは、パートで収入を得ながら時間を割いてやっていた活動が、自分で生み出した仕事や、つながりの中でいただけた仕事を複数もつということなんだろうと理解しました。私もそこを目指していきたいと思います。」
「今回は、仕事の意味を深く考えることができ、自分の力を信じることが、周囲の力にもつながると実感できました。」
「初めて参加しましたが、眼鏡の話だったり、どれも心に響くお話ばかりで貴重な時間でした。」
「地域の方とつながって、助けあう循環が生まれている様子を見て、素敵な場だと同時に、自分の住む千曲市で、自分の周りの人たちとつながっていくには、と考えさせられました。」

次回予告:12/7(日)東御市へ!
基礎編の次回、第5回は12月7日(日)に東御市へ会場を移し、「ビジネスアイデアを生み出そう」をテーマに開催されます。引き続き、単発参加も受け付けています。
詳細リンク https://shinki-shinshu.jp/archive/6339/
長野市スタートアップ支援補助金
長野市


長野市にスタートアップを集積することにより、新事業の創出及び地域活性化を図るため、市内において起業し、又は起業したスタートアップ※が行う地域活性化等に資する事業に要する経費の一部を、ふるさと納税の仕組を活用しながら、市の予算の範囲内で支援するものです。
創業10年未満で原則として3年以上長野市で事業を継続する方が対象です。
スタートアップ:革新的な技術やアイディアに基づく事業を既に行っている法人若しくは個人、又は新たに行う個人若しくは法人であって、当該事業の短期間での大幅な成長を目指すもの(公営企業及び非営利起業を除く)をいいます。
詳細リンク
FOOD TECH Meetup 2025~信州から挑む食の未来~
県内全エリア
長野県の豊かな自然や特色ある食文化を次世代につなぎ、地域課題をチャンスに変えていく鍵となるフードテックに、県内外で取り組む行政、金融機関、スタートアップ企業などが登壇するイベントを開催します。
フードテックに関心のある方、スタートアップとの協業を通じてビジネスを模索している方のご参加をお待ちしております。
○日時 令和7年12月19日(金) 17時30分~19時30分
○場所 信州スタートアップステーションnagano(長野市鶴賀権堂町2312-1)
※現地参加(50名)・オンライン参加のハイブリッド形式
○参加費 1,500円(税込) ※現地支払
発酵バレーNAGANOから、長野県の発酵食品を使った試食提供があります
第12回 起業セミナー【個別相談会あり】
大町エリア
松本エリア
木曽エリア

今回で12回目になりました!松本信用金庫主催、起業セミナーのご案内です!
創業を考えているけど、
・どんな流れで進めればいいのかわからない・・・
・事業がうまくいくか不安・・・
・創業に必要なお金をどうやって用意しよう・・・
など、創業に関する様々なお悩みを解決致します!!
信用金庫、商工会議所、創業支援ファンド、先輩起業家など、
今年度も様々な機関から講師を招き、創業について多方面からの情報を提供致します。
講義後は各講師へ個別に相談して頂ける「個別相談会」の時間も設けておりますので、
ご自身が抱えていらっしゃるお悩みや課題をピンポイントで解決致します。
お申込みは下記申込みフォームまたは、電話、FAX、メールでも受け付けておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
信州ベンチャーコンテスト2025~あなたが創る!信州の未来!~
県内全エリア
高校生、大学生、ベンチャー企業等が、信州を元気にする新たなビジネスプランを発表します。観覧者が投票するオーディエンス賞もございますので、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
また、発表テーマの事業化等をサポートいただける支援者の登録、ご参加もお願いします。
概要
書類選考を通過した9組(高校生部門、アイデア部門、起業部門各3組)が、ビジネスプランを発表し、起業家、学識経験者等で構成する審査委員会がグランプリ等を決定します。
また、登壇者以外のプランは「ポスターセッション」で発表します。
日時
2025年12月7日(日曜日)12時~17時
場所
信州大学オープンベンチャー・イノベーションセンター
(長野県上田市踏入2-16-24)
申込方法
公式ホームページから登録してください。
当日はオンライン配信(YouTube Live、申込不要)も行います。
(現地観覧者申込(定員100名)、支援者登録(10事業者程度)、参加費無料)
スタートアップ×地域企業 信州ビジネスピッチ
県内全エリア


長野発!スタートアップと地域企業が共に成長・共創するビジネスピッチイベントを開催します。
■ こんな方におすすめ
・スタートアップを目指している
・新規事業やイノベーションに関心がある
・地域企業やスタートアップと繋がりたい
・VCや投資の最新トレンドを知りたい
■ イベント内容
・アクセラプログラム採択スタートアップ6社によるピッチ
・県内企業4社による共創プレゼン
・株式会社MTG Ventures 藤田豪氏による基調講演「地域の価値を向上させるスタートアップ」
新しいビジネスのヒントや出会いがここに。
未来を切り拓く一歩を、信州から始めませんか?
参加無料!
信州SS・SS2号ファンド スタートアップピッチ
県内全エリア

信州で挑む新しい力を、地域活性化の新たな一歩へ
信州スタートアップ・事業承継ファンド・2号ファンドの、スタートアップピッチイベントを開催します。
■ 日時
3月10日(火)15:30-17:30
■ スケジュール
15:30-15:35 オープニング
15:35-17:00 ピッチイベント(終了後写真撮影)
17:00-17:30 ネットワーキング(交流会)
■ 会場
FEAT. space(〒380-0831長野市大字長野東町131)
※専用駐車場はございません。公共交通機関または近隣の有料駐車場をご利用ください。
オンラインでも同時開催です。
長野と”コネクト”する交流イベント ながコネ!
長野県で、まちづくりや地域課題解決に関わってみたい人、
地域を自分の手で盛り上げてみたい人、
ローカルビジネスに興味がある人必見!
自分も、地域も、関わる人も元気にする!
信州の大自然を舞台に、そんな欲張りな活動に取り組んでいる人が増えています。
今回は中京圏からもアクセスしやすい南信で、地域を面白くするため奮闘している
ゲストからきっかけや想いなどをお聞きして、みんなで気楽に語り合います!
長野県と”コネクト”して、夢への一歩を踏み出すチャンス!
■こんな方におススメ!
✔ 地域を元気にする活動に興味がある!
✔ ローカルビジネスを立ち上げたい!
✔ 自分の町以外の地域を盛り上げてみたい!
✔ 自然の中で自分を生かす仕事をしてみたい!
■当日ゲスト紹介
・前田 智子さん Satoko Maeda 福岡県出身
大学・大学院と福岡で過ごし、転職を機に関東へ上京。食品メーカーの研究開発職として働く。
幼いころから重度のアトピーに悩まされていたが、長野県に来ると症状が軽減することに気づき、
長野県駒ケ根市に移住を決意。移住後は地域おこし協力隊として活動したのち、街づくり会社を
立ち上げ、シェアハウスや子ども無料食堂の運営、移住支援、ローカルメディアの執筆などを行い、
駒ヶ根ならではの生きる豊かさを伝えている。
・櫛部 紗世さん Sayo Kushibe 東京都出身
東京都生まれ、在住。幼少期の夏休みは、長野県岡谷市にある祖母の家で過ごすのが毎年の恒例行事。
祖母が体調不良により岡谷を離れてからは、やむなく空き家に…。一度は家をたたむ話が出たものの
「みんなの思い出がたくさん詰まったこの家をなくしたくない!むしろ、おばあちゃんちをきっかけに
岡谷を元気にしたい!」という想いで、祖父母宅で民宿を経営。
・土屋 岳詩さん Takeshi Tsuchiya 東京都出身
日本全国の若者が自己実現するべく活動するコミュニティ「dot」の代表として活動。
大手企業などと提携をしてZ世代の本音を企業に届け、アイデアを共創する対話型ワークショップ
『Z世代会議』の企画運営に携わる。自分の可能性を肉体的にも精神的にも最大化させるために、
外部環境、人間関係などあらゆる面でストレスフリーな環境に身を置きたいと思い、
コミュニティとして繋がりがあった長野県飯田市に移住。
■タイムスケジュール
13:00~ 開場
13:30~ オープニング
13:35~ 市町村紹介、 ゲストトーク
14:25~ グループトーク
15:00 終了
■会場
ウインクあいち 11階 1108会議室
(愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38)


東御市制度融資「独立開業資金」について
東御市
東御市では、各種助成等の事業を行っています。 詳細は東御市HPをご確認ください。
詳細リンク
研究成果を社会へ還元。信州大学発スタートアップが切り拓く未来【後編】

長野県で今、大学発スタートアップが次々と生まれています。髪の毛の何万分の1という超微細技術から、急成長を遂げるAIベンチャーまで。東京へのアクセスと豊かな住環境を両立できる長野だからこそ生まれる、新しいビジネスの形があります
信州大学は、2018年に知的財産・ベンチャー支援室ベンチャー支援グループを立ち上げて以降、大学の研究成果やその他の活動成果をもとにした「信州大学発スタートアップ」の創出や成長を支援しています。
今回は、そんな信州大学でスタートアップ支援を担当する特任教授の角田哲啓(つのだ・あきひろ)さんに、スタートアップ支援に感じる面白みや、大学発スタートアップならではの魅力と課題、長野で起業することのメリットやデメリット、そして起業を考えている方へのメッセージを聞きました。
<お話を聞いた人>
信州大学 学術研究・産学官連携推進機構 特任教授 角田哲啓(つのだ・あきひろ)さん
東京理科大学工学部卒。経済産業省関東経済産業局及びNEDOにて研究開発や中小企業支援関係の業務を担当。2016年6月から信州大学学術研究・産学官連携推進機構にて、大学の研究成果の事業化支援や大学発ベンチャーの創出・成長支援等を担当。Inland Japan Innovation Ecosystem(IJIE)プログラム共同代表者・事務局長。
チャレンジする人を後押しする。刺激に満ちたスタートアップ支援の世界
――インタビュー前半では、信州大学発のスタートアップ支援の仕組みについてお聞きしました。改めて、信州大学発スタートアップの魅力とそのポテンシャルについて感じていることを教えて下さい。
しっかりとした技術や研究の裏付けがあるところは、信州大学発ベンチャーの魅力というか価値の一つなのかなと思っています。
全部が全部そうだったわけではないのですが、大学の研究成果をもとに起業している案件が多いので、「なんとなく面白そうじゃないかな」というアイデアベースで起業したものと違って、やっぱり5年・10年と長年研究してきた成果をもとに起業しているものが多いです。
――研究の蓄積があるからこその強みですね。逆に課題もあるのでしょうか?
魅力である一方で、そこがウィークポイントになってしまう部分もあって。どうしてもシーズプッシュになってしまい、そのシーズに縛られてなかなか社会課題を捉えきれてないところがあったりします。
研究自体は社会課題解決を目指してやっているものなので、その事業化においても社会課題の解決につながっているはずなのですが、世の中の時流を捉えてというか、ビジネスにつながるようなペインにきちんと刺さってないようなところも若干ありますね。
技術がしっかりしていて面白い研究をし、面白い製品を作ってるんだけど、なかなかブレークしきれてないところが多いなというのが今感じている課題です。
――角田さんは元々中小企業の支援などもされていたところから、信州大学でスタートアップの支援に携わるようになり、現在も長野にとどまって支援を続けられています。どういうところに面白みを感じているのでしょうか。
スタートアップの仕事は、日々新しい出会いや気づきがすごく多いんです。今まで関わりがなかった世界の方々といろいろ接する中で、たくさんの刺激を受けています。
役所の中にいたらなかなか感じられないような刺激的なところもあったりして、そういうところに感化された部分もあるのかなと思います。
自分もそういう世界に少しでも近いところに身を置いて、今までの自分のキャリアやスキルを少しでも役立てながらチャレンジしている人の後押しを、サポートできたらいいなと思ってお手伝いさせてもらっています。
まずは「やめさせる」ことから。本気度を確かめる起業相談
――実際に起業を考えている人とお話する上で意識していることや、大事にしてることは何かありますか。
まずは止めることですかね。
――止める、ですか?
はい。ぱっと思いついたアイディアだけでは、なかなかうまくいかないと思っているので、まずは起業することを止めてみます。それでもやりたいというぐらいの強い思いがないと、うまくいかないかなと思っています。
大学の中のルールもあるので、きちんとルールを知ってもらった上で、こんなに難しい面倒くさいことがあるよということはちゃんとお伝えした上で、進めてもらっています。
――本気度を確かめるということですね。
「それでもやりたい!」という方に対しては、「どういうビジネスですか?」というところからお話をお聞きした上で、それぞれに応じたアドバイスをさせていただきます。
大学発のスタートアップはどうしても自分の技術が優れているものだから、「きちんと優れたものを作れば、世の中は受け入れてくれるんじゃないか」と思ってしまっていることが多いんです。「そうじゃないんだよ、市場に本当に合っているの?」と気づいてもらうのが結構大事なところかなと思っています。
どうしてもシーズドリブンになりがちなところを、きちんと社会課題や市場のニーズを捉えた事業計画となっているのかをチェックしていただくのが大事なのかなと思っています。そういった面はなかなか自分たちだけでは支援しきれないので、きちんと外部の専門家の方を必要に応じてお繋ぎするなど、外の人の声を聞いていただくことも大事にしています。
東京が近い。自然が豊か。長野で起業する優位性
――長野で創業するということに対して感じているメリットやデメリットはありますか?
まず、地方でありながら意外と東京が近いというのは大きなメリットだと思います。本人に意欲があれば、東京の起業家コミュニティに週1ぐらいで参加することは可能です。そういう意味では、他の地方よりも有利なところにいるんじゃないかなと思っています。
また、ものづくり系の企業などの場合、長野の方が首都圏よりも広い場所を見つけやすく賃料も安価なので、初期費用を抑えて事業を始めやすいんじゃないかと思います。
普段生活する生活の質は、やっぱり長野の方が高いなとも感じます。日々の周りに見える景色や空気もそうだし、食べるものもそうだし、住宅などのコストも含めて、住環境はいいですよね。
――これからの長野でのスタートアップ支援に対する展望や、期待していることを教えて下さい。
大学に期待されているところは、アントレプレナーシップ教育の部分かなと思っています。
まずは信州大学としてそういった取り組みをどんどん充実させて、起業に関心を持つ方を広げていきたいです。
――起業に関心を持つ人を増やすことが、まず第一歩なのですね。
起業に関心を持っていただくことはもちろんですが、もうちょっと広い意味でのアントレプレナーシップというか、課題解決に取り組むようなマインドセットの部分かもしれないですね。起業家マインドを醸成していくための教育やプログラムを、大学としても充実させていきたいです。
例えば、小中学生の総合的な学習の時間で、地域の起業家の方やスタートアップの経営者と子ども達が触れ合う機会を作れたら、そういった方々に憧れて、将来創業を目指していく人が増えていくのではないかと期待しています。
現状はアクセラレーションプログラムのような起業に関心を持った方がスキルアップするための講座が結構多いかなと思うのですが、まずはその入口に立ってもらう前段階で幅広い層にリーチできるようなプログラムも企画していけたら面白いかなと思っています。
もちろん大学の中でも、ちゃんとスキルアップしていくような授業もやっていきますが、その手前の入口に立つところで尻込みしてしまっている方も多いかなと思うので、まずは起業のハードルを低くするような、起業に関心をもってもらうような取り組みをしていきたいなと思っています。
――最後に、これから長野での創業を考えている方へメッセージをお願いします。
もし今、起業を考えている人がいたら、他にもいろいろな地域がある中で、ぜひ長野を選んで欲しいなと思います。住環境もよくて過ごしやすいですし、コミュニティに一歩踏み込むといろんな方の顔が見えてきます。幅広い業界や世代の方がかわるがわる応援してくれて、いろいろと支援してくれるんじゃないかなと思います。
まずは気軽に相談していただきたい。私たち信州大学や、信州スタートアップステーション(SSS)など、いろいろな支援機関がありますので、ぜひ一度お話を聞かせてください。
信州大学 学術研究・産学官連携推進機構
https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/ccr
<SSSの個別相談受付>
メールでのご連絡 shinshuss@tohmatsu.co.jp
研究成果を社会へ還元。信州大学発スタートアップが切り拓く未来【前編】

長野県で今、大学発スタートアップが次々と生まれています。髪の毛の何万分の1という超微細技術から、急成長を遂げるAIベンチャーまで。東京へのアクセスと豊かな住環境を両立できる長野だからこそ生まれる、新しいビジネスの形があります
信州大学は、2018年に知的財産・ベンチャー支援室ベンチャー支援グループを立ち上げて以降、大学の研究成果やその他の活動成果をもとにした「信州大学発スタートアップ」の創出や成長を支援しています。
今回は、そんな信州大学でスタートアップ支援を担当する特任教授の角田哲啓(つのだ・あきひろ)さんに、信州大学発スタートアップの支援体制、具体的な事例についてお聞きしました。
<お話を聞いた人>
信州大学 学術研究・産学官連携推進機構 特任教授 角田哲啓(つのだ・あきひろ)さん
東京理科大学工学部卒。経済産業省関東経済産業局及びNEDOにて研究開発や中小企業支援関係の業務を担当。2016年6月から信州大学学術研究・産学官連携推進機構にて、大学の研究成果の事業化支援や大学発ベンチャーの創出・成長支援等を担当。Inland Japan Innovation Ecosystem(IJIE)プログラム共同代表者・事務局長。
経済産業省から信州大学へ。地域に根ざしたスタートアップ支援の道
――角田さんのこれまでのご経歴と、スタートアップ支援に関わるようになったきっかけを教えてください。
元々、経済産業省の関東のブロック機関である関東経済産業局に勤めておりまして、そこで中小企業の技術開発支援やエネルギー関係の仕事に従事していました。
2016年に信州大学に人事交流で出向させていただき、現在いる学術研究・産学官連携推進機構という組織に来ました。
出向して1年経った2017~2018年頃は、まだ「スタートアップ」ではなく「ベンチャー」と言われていましたが、大学発のベンチャーとして起業する先生が次々出てくる時期があったんです。
そんな中で、大学の中でも大学発ベンチャーの支援を積極的にやっていこうという流れが生まれ、2018年に知的財産・ベンチャー支援室ができ、そこでベンチャー支援を担当するようになったのがスタートアップ支援に従事するきっかけですね。
もともとは3年間の出向で信州大学に来たのですが、2019年で出向期間を終了してからもいろいろとご縁があって、長野県にそのまま残っていろいろお仕事しているような状況です。現在は、大学の研究成果の社会実装、つまり基礎研究などの成果を社会に還元していくための支援業務を中心に担当させていただいています。
――「社会実装」というのは、具体的にはどういうことですか?
せっかくの研究成果をそのまま大学内に眠らせてしまうのは非常にもったいないですよね。ひとつでもふたつでも、世の中に役に立つようにしていきたい。その手段の1つとして、大学発のスタートアップ支援があると考えています。
「信州大学発ベンチャー認定制度」で、研究成果を事業化へ
――現在、角田さんが信州大学で担当されている具体的な業務について教えてください。
まず大学の中では、大学発ベンチャーやスタートアップをやりたいという先生方が相談に来たときに相談に乗ったり、実際に起業をされた先生方の支援をしたりしています。また、大学の先生以外でも「信州大学と一緒になにかをやりたい」という起業家の方の相談を受けることもあります。
大学で支援を始める際に、大学の立場で民間企業の支援をすることになるため、「信州大学発スタートアップ」の認定制度を作って、大学として支援する対象を明確に整理した上で支援させてもらっています。
――認定制度があることで、支援の対象が明確になるのですね。認定されるとどんな支援が受けられるのでしょうか?
認定となったスタートアップには、インキュベーション施設の貸与、インキュベーション施設(学内住所)等での商業登記の許可、事業計画のブラッシュアップ、各種支援施策に関する情報提供、金融機関や事業会社とのマッチング等の支援を提供しています。
――幅広く手厚い支援体制が整っているのですね。
最近の大きなトピックとしては、2024年2月にJSTの大学発新産業創出基金事業に申請して採択され、Inland Japan Innovation Ecosystem(IJIE)というプラットフォームを立ち上げました。甲信北関東の5つの県にまたがる広域のプラットフォームを作って、大学の研究成果をもとにしたスタートアップの創出支援を行っています。
そういう活動をしていく中で、長野県の方ですとか、信州スタートアップステーション(以下、SSS)をはじめとしたスタートアップ支援機関の方々など、そういった皆様と横で連携を取りながら、学生や研究者、またそれ以外の方も含めて、大学発のスタートアップもしくは長野発のスタートアップをやろうとしている方々のサポートをさせてもらっています。
髪の毛の何万分の1の技術から急成長のAIベンチャーまで。多彩な信州大学発スタートアップ
――これまで信州大学発のベンチャーとして生まれた企業はどれくらいあるのでしょうか。
信州大学発のスタートアップは、認定を過去に行った企業が累計24社あります。
――その中でも、特に印象に残っている企業や事例を教えてください。
今、信州大学の中で成長株として積極的にご支援させていただいているのは、上田の繊維学部の中にあるインキュベーション施設に入っているナフィアスという会社があります。
ナノファイバーというのは、10のマイナス9乗という非常に小さい単位で、髪の毛の何万分の1みたいな太さの繊維を作って、それで不織布を作り、マスクなどの製品として販売しているベンチャーです。
――髪の毛の何万分の1! それはすごい技術ですね。
彼らが創業して間もない頃からサポートさせていただいていて、いろいろ紆余曲折があった中で、県の施策のご紹介や国の補助金等の支援もさせてもらいながら、徐々に成長してきました。
当初はマスクからでしたが、今はアパレル関係や医療分野など、いろいろな分野に事業展開しようとされています。技術もそうですし、社長さんも信州大学の卒業生で若手の方がやっていらっしゃいますが、もうかれこれ支援し始めて10年近く経ち、だいぶ成長してきました。長く支援しているので、すごく思い入れのある会社の一つです。
――10年近く伴走されてきたからこそですね。ほかにも印象的な事例はありますか?

若手のところでは、去年一昨年に創業したばかりのunseedというAI系のベンチャーがあります。そこは、社長さんが信州大学の大学院生だった頃に「将来創業したいんだ」と相談を受けて、アドバイスをしていました。
――学生の頃から相談に来られていたのですね。
当時は、「一旦はきちんと仕事のスキルを身につけたり、ネットワークや人脈を作ったりするために就職して、2~3年かけて準備してから創業する」と言っていたのですが、実際は就職してから1年で創業してしまいました。
有名な大手コンサル会社に勤めていたのに1年で辞めて創業してしまって、内心「大丈夫かな?」と思っていたところ、先日久しぶりに話を聞いたら現在は社員も順調に増えて、一気に急成長されていて。学生の頃からサポートさせていただく中で、こちらが思うペースとは違うペースで成長していっているので、すごく期待している企業の一つです。
――予想を超えるスピードで成長していったのですね。
CAR-T療法というがんの治療法の実用化・事業化を目指しているA-SEEDSというスタートアップは、大学としても注目しています。先日大きな資金調達を行っており、信州大学発スタートアップの中では成長株の筆頭かなと思います。
こういったところが将来エグジットしていただけると、大学の他の先生方にとっても身近な成功事例となり、次々と新しく「スタートアップをやろうかな」という先生も出てくるのではないかと思います。信州大学発のスタートアップの中ではまだ大きな成功事例がないので、今後そういった企業が出てくるといいなと期待しています。
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インタビュー後編 では、角田さんがスタートアップ支援に感じる面白みや、大学発スタートアップならではの魅力、長野で起業することの優位性、そして起業を考えている方へのメッセージを聞きました。
信州大学 学術研究・産学官連携推進機構
https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/ccr
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